子どものアトピーと放射能(3)

西だ。

 

 

 

 

 

 

 
今日は、昨日の続きで、「児童生徒の年間被曝(ひばく)線量の上限を20ミリ・シーベルトとした」ことがなぜ問題なのかを述べたいと思う。

過去、日本において原発で働く人が被曝した場合、その量と健康の状態について因果関係が認められたことはあまりない。
これは、エビデンスがないことが大きな理由だが、実際には、被曝を理由とした労災は過去、何件か認められているようだ。

 
●「関西労災職業病」2003年6月号より
http://www.geocities.jp/koshc2000/accident/nagaorosai.html
 

●中国新聞より
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000322.html
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000323.html
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000324.html
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000325.html

 
上の例が、4年3か月間の総線量が70ミリシーベルト、そして下の例が8年10カ月で50ミリシーベルトの被曝で、多発性骨髄腫、そして白血病を発病、放射線との因果関係が認められている。
ちなみに、原発で働く人たちの白血病の場合の労災認定基準は、年間20ミリシーベルトだ。

今回設けられた年間被曝20ミリシーベルトという基準が、いかに高い数値で設けられているか、わかるだろう。
もちろん、被曝=発病とは違うが、大人よりも子どもの方がリスクが高いことは、今でも言われていることだ。

同様の比較はできないが(国によって見解が違うため)、チェルノブイリの原子炉事故においては、年間被曝が1ミリシーベルトを超えると移住権利が、5ミリシーベルトを超えると移住義務が発生する。また当時のソ連においては、昨日述べた放射線管理区域の基準は年間0.5ミリシーベルトだ(ちなみに、日本の場合は年間換算で約5ミリシーベルト)。

一昨日の報道では、4月5日時点で1日あたりの大気中への放射性物質の放出は100兆ベクレル以上、と出ていた。

 
●ソース
http://www.ustream.tv/recorded/14168194

 
少なくとも、4月5日の状況と現在の状況で、大気中への放出を阻止できた報告はないことを考えると、今も同様の数値が放出されていると考えた方が良いだろう。
拡散の状況は、天候や風向きが大きく関与するので、その影響が近隣にどのように蓄積されていくのかは不明だが、少なくとも、安定した原子炉の冷却が始まり、放射性物質の外部への漏出が大幅に減少するまでの間は、注意が必要だろう。

日本の基準は世界で見ても厳しい基準で考えている、という人もいるようだが、実際には、諸外国が実際にとった例から見ても、逆に緩い基準で考えていると言わざるを得ない。
また、通常許容されている年間1ミリシーベルトの被曝(自然界からの自然被曝など)においても、これは安全な数値ではなく、10万人あたり5~40人が発ガンする数値と言われている。

いずれにせよ、現在、日本において子どもたちに対して定められた数値は、決して「子どもたちを守る安全な数値」とは言い難いことは確かだろう。

そして、アトピー性皮膚炎との関連についてだが、震災以降、福島県に在住の会員の方の状況は、連絡が取れた人だけ見てみても、アトピー性皮膚炎は悪化傾向がみられる。
被災によるストレス、季節的な悪化要因も十分に考えられるが、例年、春先に悪化しづらい人も悪化している(地震の被災は受けていない地域の方)ケースがあることを考えると、一昨日に述べた黄砂の影響を兼ね合わせて考えると、やはり放射性物質の影響を全く「無視」することは良くないと思われる。

具体的な対策は、花粉症の対策と同じで、基本は物理的な対策、つまり「被曝」しないことが最も望ましい。
さらに言えば、現在測定されているヨウ素やセシウムが発するガンマ線は衣類などは通過してしまうため、完全な防御を考えると、一時的にその地域を離れることが最大の対策だろう。
もちろん、仕事や学校など、生活を考えてそれが困難な人も大勢おり、福島県以外への避難が現実的な対処ではない人もおられるだろう。
だが、現在、福島県にお住まいの方で、現在、アトピー性皮膚炎が悪化している方、特に子どもが該当する場合には、被曝を完全に防ぐことが難しい以上、また大人よりも子どもの方が放射性物質の影響が大きく出やすいことなども兼ね合わせて考えると、できれば現在、政府と東電が対策を行っている原発の問題が終息、そして地域の除染が終了するまでの期間は、現在、放射線の値が高い地域の方は、この放射線の基準値が抱える問題について、一つの情報として捉えておいて欲しいと思う。

いずれせよ、いち早い、原発問題の解決を望みたい。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

放射性物質が与える疾患で代表的なのは、やはり白血病じゃろう。
白血病とは、免疫に関わる疾患じゃ。
つまり、放射性物質が免疫に対して与える影響が皆無とは、やはり考えづらいところがある。
いずれにせよ、アトピー性皮膚炎だけではなく、体全体への影響も大きいから、放射性物質に対する関心はしっかり持っておいた方がよいじゃろう。