子どものアトピーと放射能(2)

西だ。
今日は、昨日の続きを書きたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日の報道で、福島県の学校の校庭で、国が定める安全基準値を上回るところが13か所あった、という報道が出ていた。

  
●校庭利用制限13か所…放射線量、国が安全基準
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110419-OYT1T00964.htm
 

東京電力福島第一原発の事故を受け、文部科学、厚生労働両省は19日、保育園や幼稚園、学校活動での放射線量の安全基準を発表した。

夏休みが終了するまでの暫定基準として、校庭の放射線量が1時間あたり3・8マイクロ・シーベルト以上の場合は屋外活動を制限し、屋内活動を中心にするなどとした。

政府が指定する予定の「計画的避難区域」や「緊急時避難準備区域」にある学校などを除き、今月14日時点で、福島市、郡山市、伊達市にある計13の保育園、幼稚園、小中学校がこの基準を超えており、両省は、校庭などの利用を制限するよう県教委などを通じ保育園や学校の設置者に求めた。該当する学校などの園児、児童生徒数は3560人。

内閣府の原子力安全委員会によると、基準は、児童生徒の年間被曝(ひばく)線量の上限を20ミリ・シーベルトとし〈1〉現在の放射線量が今後も継続〈2〉1日の屋外活動は8時間〈3〉残りは木造家屋内で過ごす――との想定で算出した。年間20ミリ・シーベルトは計画的避難区域の設定基準と同じで、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を基にしている。

 
記事では、「夏休みまでの暫定基準」としながらも、屋外活動の制限となる基準を3.8マイクロシーベルト/毎時、となっている。
だが実は、文科省自身が、「外部放射線に係る線量については、実効線量が3か月あたり1.3ミリシーベルト」を超えるおそれのある場所については放射線管理区域を設定するように定めている。
3か月あたり1.3ミリシーベルトは、1時間に直すと0.6マイクロシーベルトだ。
もちろん、子どもたちが、24時間屋外で遊び続けるわけではないので、単純な比較はできないが、逆に考えると3.8マイクロシーベルト以下なら、何ら制限が設けられないことになる。
子どもたちが屋外で行動する時間(授業や遊び、登下校)を記事中にある「1日の屋外活動は8時間」で考えると、3カ月当たりの数値で見れば、2.7ミリシーベルトとなり、「放射線管理区域」を設定するよう国が定めた基準値の倍となる。

放射線管理区域というのは、事実上、日本においては、一部の研究機関を除けば、原子力発電所の中、それも一部の場所にしか、ほとんど設定されていない。
さらに、この放射線管理区域においては、次の処置を行うよう定められているほど「危険がある場所」だ。

a)関係者以外の立入りを禁止し放射線被ばくを防止する。
b)放射線モニタリング等を厳重に行い、被ばく防護対策を行う。
c)管理区域外への放射線の漏洩、放射能汚染の拡大を防止する。
d)標識・柵等によって境界を明示・区画し、出入り管理を行う。
e)被ばく管理を行う。
 

「子どもたちが日常を過ごす場所」=「放射線管理区域」と考えると、何とも恐ろしくなる。
また、この放射線管理区域は、労働基準法で18歳以下が働いていはいけないことになっており、同レベル以上の放射線量を、子どもたちが過ごす学校に設定しているのはいかがなものだろう。
確かに、今後、原発問題が終息してくれれば、これ以上の放射性物質の地域の降下はなくなるだろう。
だが、現時点で測定される放射線の数値は、ヨウ素など半減期の短い放射性物質の数値ではなく、セシウムなど半減期が長い放射性物質によるものだ。
つまり、しっかり除染を行わない限り、まだ20年以上、放射線の数値は極端に下がらないと考えられる。
また、原発問題の終息が遅れるようなことがあれば、その間、放出された放射性物質はさらに積み重なっていくこととなる。

少なくとも、放射性物質の影響が大人より強くみられるといわれている子どもたちに設けてよい「安全な数値」とは、放射線管理区域で許容される上限値より高くて良いはずはないと思うのだが・・・

さらにもう一つ問題があるのは、年間の被曝量を20ミリシーベルトに定めたことにある。
長くなったので、子どものアトピーへの放射性物質の影響と合わせて、詳しくは明日、述べたい。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

どうも、最近の国の安全基準は、「平時」と「緊急時」の告知を十分に行っていないように見えるのが心配じゃ。
こういった、原発事故自体が起きたことは不幸なことじゃが、時間を元に戻せるわけでもないのじゃから、現状を踏まえた上での対応が必要となる。
なぜ、こういった暫定基準を「設けなければならないのか」という説明が不足しておるように感じるのじゃがの。