【Q&A】なぜ入浴がアトピーに良いの?(6)

今日は、今回のQ&Aの最後じゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
「3.汗など、スキンケアに関わる要素」を中心に入浴がなぜアトピー性皮膚炎に良いのか、まとめをしたい。

 
3.汗など、スキンケアに関わる要素

ヒトは、自らスキンケアを行う力を持っておる。
それが「汗腺」から出る「汗」と、「皮脂線」から出る「皮脂」が混じり合い乳化してできる「皮脂膜」によるものじゃ。
じゃが、アトピー性皮膚炎の人の多くは、「なかなか汗をかかない」傾向がある。
汗をかかない=皮脂膜の材料がない=自分の体で行うスキンケアの力が弱い、ということにつながる。
こういったスキンケアについては、「スキンケアアイテム」を使用することで、ある程度、補うことができるが、汗にはその他、皮膚の雑菌をやっつける成分も含まれておるから、大切な要因ということが言えるじゃろう。

入浴を継続してしっかり行うと、やがて「汗」をかけるようになる。
最初は無理でも、「継続」することが、反復継続した訓練になるため、代謝量の増加とともに「汗」をかけるようになってくるのじゃ。
ここでいう「汗」は、もちろん、高温での入浴より、低温での入浴でえられる汗の方が望ましい。
なぜなら、高温で入浴した際の汗は、「体温調整機能」に関わる汗でしかなく、「皮脂」を伴わないからじゃ。
ヒトの体が、体温を調節しているのは「汗」をかくことによるのじゃが、これは「汗」をかくことで、その汗が気化する際に皮膚表面の熱を奪ってくれる働きによるものじゃ。
したがって、高温での入浴した際には、せっかく汗をかいても、体温調節機能でしか働いてくれず、さらに、皮膚表面の水分を奪う働きの方が強いため、かえって乾燥してしまうことにもなりかねない。
そこで、大切なのはやはり「低温」で、じわっとした汗をかくことじゃ。
こういった「汗」は「皮脂」を伴ってくれるため、それ自体がスキンケアの役割もしてくれる。
もちろん、低温でも体が温まれば、放熱は行われるため、皮膚の水分蒸散は避けることはできんのじゃが、それでも、同時に皮脂膜を作ってスキンケアを行ってくれるかどうかは、入浴後の状態にも関わってくるし、あるいは入浴していないときでも「汗」をかけるかの訓練につながってくるので大事、ということじゃな。

ここで注意して欲しいのは、やはり入浴環境じゃ。
「汗」をかく、ということでは昨日述べたように、湯水に含まれる成分「含有化学成分の作用」というのも関わっておるが、他にも、湯水の「質」の問題がある。
特に、水道水の場合、水道水に含まれる塩素は、皮膚表面におけるタンパク質に影響を与えることが、研究機関の調査でも報告されており、アトピー性皮膚炎の方の場合、水道水にそのまま入浴することは、入浴そのものが「肌の負担」となる可能性がある。
「入浴」をスキンケアの観点から考えた場合、塩素の処理をしない水道水での入浴は、皮膚のバリア機能にも影響を与えることになるし、それが、毎日の反復継続して「しっかり時間をかけて入浴」した場合には、より大きな影響となりやすい。
アトピー性皮膚炎に対する「入浴」という観点で考えた場合、水道水の塩素は、しっかり処理を行いたいところじゃ。
ちなみに、この塩素の影響はシャワーを浴びる際にも同様に受ける。
あとぴナビでシャワー型の浄水器を取り扱っておるのも、このシャワー時の塩素の影響を考慮してのものじゃ。
したがって、シャワーなども対策を講じたいものじゃの。

このように、入浴とは「スキンケア」の要素も持っておる、ということじゃ。

この他、アトピー性皮膚炎に対する影響としては「ヒートショックプロテイン」などの効果もある。
これは、温熱作用とも関わるのじゃが、体が熱を受けた際に、その熱から身を守ろうとして、ヒートショックプロテイン(HSP)という特殊なたんぱく質が作られる、
このヒートショックプロテインは、傷ついた細胞を修復したり、ガンや病原菌を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞の活動を活発にしたりして、免疫力を高める働きがあることが分かっておる。
アトピー性皮膚炎に対しても、ダメージを受けた傷の修復、そして、ヘルパーT細胞のⅠ型を活性化する=アレルギーに関わるTh2型の免疫を抑制する、ことになるから有効じゃろう。
なお、このヒートショックプロテインの働きは42℃以上の入浴で最大に高まる、ということが出ておるが、アトピー性皮膚炎の人の場合、42℃以上の入浴は、代謝の面、スキンケアの面、自律神経の面など、多くのデメリットを抱えておる。
39℃ぐらいでも、ある程度の働きは見られるようじゃから、この働きを期待するばかりに、高温での入浴にはならないよう、気をつけたいところじゃ。
以上6日間にわたって、Eさんの質問、「なぜ、入浴がアトピー性皮膚炎に良のか?」に対して答えてきたわけじゃが、入浴をアトピー性皮膚炎に対する「攻め」の要因として利用するのならば、やはり「入浴環境」そして「入浴方法」は十分に注意して欲しいと思う。
これを怠って、ただ漠然と入浴するだけでは、入浴から得られる効果も少ないし、逆効果となることもあるからじゃ。

Eさんが、いち早く回復することを祈っておる。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今回は、入浴がアトピー性皮膚炎に対して、どのような役割を果たすことができるのかを中心に書いたので、入浴が抱える「デメリット」については特に述べておらんが、注意して欲しい「デメリット」としては、入浴後の「スキンケア」がある。
入浴自体は、今日、書いたように、スキンケアとしての役割を持っておるが、あくまで自らの体が持つ力を支えて持ちあげるための「補助」としてしか役だ立たん。
アトピー性皮膚炎の状態が悪い時には、皮膚の乾燥そのものが、痒みの神経線維の関係で、直接、次の痒みにつながることがあるから、自らの力を育てるのと同時に、適切な「ケア」は常々行った方が良いじゃろう。
また、高温での入浴は、入浴後の乾燥を、水分蒸散量の関係で強めることにつながるので、現在、40℃以上の湯温で入浴している人は、十分に注意して欲しいところじゃ。
冬は気温が低い分、ぬるい温度での入浴は、出た直後に肌寒さを感じることがあるかもしれんが、しっかり一定時間入浴すれば、「芯から温まった」状態にもなるし、また素早く体を拭いて服を着れば、すぐにその温まり方は実感できるはずじゃ。
高温での入浴には特に注意して欲しいところじゃの。