医薬部外品の落とし穴(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎に対するスキンケアアイテムとして、実は、「医薬部外品」と「化粧品」は、成分もその効果も大きな違いは見られないことは昨日、述べた通りじゃが、なぜ、内容が違わないのに、わざわざメーカー側は「医薬部外品」として販売するのかというと、それは「消費者に対するイメージ」の問題からじゃ。
この「イメージ」とは、「医薬部外品という言葉に対するイメージ」と「全成分表記をしなくてよいため得られるイメージ」の二つがある。

 
1.医薬部外品という言葉に対するイメージ

アトピー性皮膚炎など、トラブルを抱えた肌の人の場合、異常状態の肌につけるスキンケアアイテムとしては、「化粧品」よりも「医薬部外品」という名称がついた方が、「治療のために使う」というイメージが持ちやすい。
それはそうじゃろう。
「部外」という「余計なひと言」が含まれていても「医薬品」というイメージに近いものを感じるわけじゃからな。
もちろん、企業の戦略として、消費者に対する商品イメージを上げる努力は、非難されるものではない。
じゃが、少なくとも「化粧品」との違いがないに等しい商品を、「医薬部外品」とし販売することが、商品の価値を上げることが目的で、その結果、商品価格も同等の化粧品より「ありがたみ」の値段分、高く設定されているとするなら、少し考えものじゃろう。

 
2.全成分表記をしなくてよいため得られるイメージ

先に述べた「言葉に対するイメージ」は、まだ企業戦略として商品価値を上げようとする部分じゃから、「消費者の誤解」という点では、まだ許される部分があるかもしれん。
じゃが、この「全成分表記をしなくてよいため得られるイメージ」の部分は、「消費者側」がしっかり知っておいて欲しい部分じゃ。
現在、化粧品は、全成分を明記することが義務付けられておるが、医薬部外品の場合、一部の特定成分を除き、基本的に全成分の表記が「免除」されておる。
そこで、メーカー側にとって消費者にマイナスのイメージを与える成分の表記を免れるために「医薬部外品」を申請することがある。
もちろん、消費者が一方的な情報で誤解しやすいから、ということもあるかもしれん。
特に、Webで情報を得ることが簡単になった今の時代、マイナスだけの「正しくない情報」というのがあることも確かじゃからの。
じゃが、中には、消費者を「欺いている」と思われるようなケースもある。

例えば、「無添加」として販売していた医薬部外品の化粧品に実は、「香料」「防腐剤」などが入っていた、というケースがある。
「自然派化粧品」としてのイメージを得るために、消費者が「自然派」と思ってくれない成分を「隠す」ことを目的として、医薬部外品の許可をとっていることは、はたして「正しい」ことじゃろうか?

消費者「保護」の観点から言えば、「医薬部外品」であっても、「全成分を表示してはいけない」という法律があるわけではないのだから、全成分を公開するべきじゃろう。
中には、医薬部外品でも全成分をきちんと公開しているメーカーもあるが、ごく一部じゃ。
うがった見方もしれんが、「表示したくない成分があるから医薬部外品にした」というケースが残念ながら見受けることがある。
少なくとも、配合「できる」成分が、化粧品とほとんど異ならないわけなのじゃから、化粧品で表示を「義務付けられている」全成分表記は、医薬部外品でも行うことが、「消費者」のためじゃろう。

  
このような二つの「イメージ」を優先させるために、「医薬部外品」の申請が行われておることが多い。
なお、ここでいう「医薬部外品」の化粧品とは、あくまでアトピー性皮膚炎に対するものを指しておるので、誤解のないようにして欲しい。
体臭防止や育毛などの医薬部外品は、そこで意味する意味合いは全く違う。
アトピー性皮膚炎の場合、「医薬部外品」をとることで「消費者」が「得をする」ことがなく、逆に消費者が得られる情報が制限されておるので注意を喚起したのじゃ。

特に、アトピー性皮膚炎の場合、医薬部外品のスキンケアアイテムのほとんどが、昨日、述べたように「グリチルリチン酸」が配合されておる。
それも、「効果が得られる量」、つまり高配合されており、「効果が得られる」ということは同時に「副作用も受ける」ということに他ならない。

まずは、アトピー性皮膚炎の方が「アトピー性皮膚炎に良い」という医薬部外品を勧められたら、まずは、その医薬部外品のアイテムの全成分について、メーカー側に開示することを求めた方が良いじゃろう。
もし、開示しないようなら、「開示したくない理由」があると判断してもらって良い。

しょせん、化粧品でも医薬部外品でも「使用できる成分」は同じじゃし、メーカー側が企業秘密にするような部分は、今の検査技術を考えれば、全く意味がない。
化粧品として使用できる原料は登録されたもの、つまり公開されているものしか使えないし、特定のスキンケアアイテムに何が含まれているか、ということは、使える化粧品原料が分かっている以上、現在の検査技術をもってすれば難しいことではない。

そして、全成分を聞いて、それをしっかり調べてから使うようにしたいところじゃな。
なお、成分の配合量については、公開していないメーカーが大半じゃ。とはいえ、アトピー性皮膚炎の人が使うアイテムとして考えた場合、配合量よりも配合成分の方が問題じゃから、その部分だけでも確認するようにして欲しい。
いずれにせよ、スキンケアアイテムとして考えた場合、「化粧品」と「医薬部外品」の差は、アトピー性皮膚炎に限って言えば、現状ではない、ということが言えるじゃろうの。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

最後に、「現状で差はない」ということを書いたが、今後、まったく新しい成分が認められるようなことがあれば、別かもしれん。
とはいえ、万一、そういった新しい成分が認められたとしても、「アトピー性皮膚炎に効果がある」=免疫抑制により痒みを抑える、という図式だと、ステロイド剤と何ら違わないので、その「内容」にも気をつけるようにして欲しい。