医薬部外品の落とし穴(1)

昨日は、中田君が、「ステロイド」という言葉の意味について書いておったが、一般の人が誤解している言葉に「医薬部外品」がある。

 

 

 

 

 

 

今日は、この「医薬部外品」とは何かを説明しておきたい。

医薬部外品とは、薬事法で定められた「医薬品」と「化粧品」の中間に存在するもので、「人体に対する作用の緩やかなもので機械器具でないもの」のことである。
簡単な言葉で置きかえると、

 

医薬品ほど効果はないが、人体に何らかの緩やかな影響を及ぼす成分が含まれたもの

 

ということじゃな。

「化粧品」と「医薬部外品」があった場合、一般の人はイメージとして「医薬部外品」の方が効きそうで「良いもの」と感じることが多く、「医薬品」と「医薬部外品」については、さほどの差は感じないようじゃが、この差は相当に大きい。
その差を「>」で現わすなら、

 

医薬品>>>>>>>>>>医薬部外品≧化粧品

 

ぐらいの差があるじゃろう。

アトピー性皮膚炎のスキンケアアイテムでも「医薬部外品」のものは多いのじゃが、実は、ここに大きな落とし穴がある。

まず医薬部外品として薬事法では下記のように定められておる。

 
薬事法第2条第2項本文

次に掲げることが目的とされており、かつ、人体に対する作用が緩和な物であって機械器具等でないもの。

1.吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
2.あせも、ただれ等の防止
3.脱毛の防止、育毛又は除毛
4.人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止

 
ここでは病名が一切、出てこないのが分かるじゃろう?
病名に対して効果が認められるようじゃと、これは「医薬品」でなければならん。
せいぜい、アトピー性皮膚炎で関わるのは、「2.あせも、ただれ等の防止」の「ただれ」を炎症と読み取り、炎症に対する「抗炎症効果」の部分と言えるじゃろう。
これも、かなり無理がある解釈じゃがな・・・・

少なくとも、アトピー性皮膚炎で言うならば、「医薬部外品」と「化粧品」にはほとんどといって、「差」はないということじゃな。
さらに言うならば、アトピー性皮膚炎で使われるスキンケアアイテムで、「医薬部外品」だけに含まれて「化粧品」には使用できない成分と言うのは、アトピー性皮膚炎に対して期待する効果の部分だけ見れば、存在しない。
具体的に言うと、そこで「医薬部外品」の許可がおりるための成分は99%が「グリチルリチン酸(甘草エキス)」じゃ。
もちろん、それ以外の成分が存在しない、というわけではないが、アトピー性皮膚炎に対する効果が「現れた」段階で、実は医薬部外品ではなく、「医薬品」の許可が必要になるし(病名に対する治療効果のため)、その許可を得るためには膨大な臨床データと相当の期間が必要のため、ほとんどのメーカーは、そんな申請は行ったりしない。
なぜかというと、既成事実がない新しい成分で医薬部外品として認められるためのそれらの申請にかかる費用は数千万円から億円単位となるからじゃ。

では、そういった場合に、どのように「医薬部外品」としての申請をするのかというと、過去に医薬部外品として認められた成分を、有効量「配合する」という方法を取るわけじゃ。
この場合は、費用もけた違いに安くなるし、許可が降りるまでの期間も半年ぐらい待てばほぼ確実に取れる。
スキンケアアイテムの場合、その成分で代表的なのが「グリチルリチン酸」ということじゃな。
「アスコルビン酸(ビタミンC)」も、一定量以上配合することで、医薬部外品の申請を簡単に行うことができるのじゃが、アスコルビン酸では、痒みや炎症に対する効果は期待できんから、やはりアトピー性皮膚炎に対するスキンケアとしては「グリチルリチン酸」が最も一般的な成分となる。

ところが、グリチルリチン酸は、「医薬部外品」でなくとも「化粧品」でも配合することは許されておる。
つまり、アトピー性皮膚炎に対するスキンケアアイテムで考えるならば、「医薬部外品」と「化粧品」の違いは、ほとんどないのに、なぜ化粧品メーカーは、わざわざ手間をかけて「医薬部外品」を申請するのじゃろうか?

それは、消費者に対する「イメージ」からじゃ。
続きは長くなるので、明日じゃ。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

グリチルリチン酸は、アトピー性皮膚炎に対して、ステロイド剤と同じく免疫抑制効果により、痒みや炎症を抑えますので、長期連用は、慎重に考えなければなりません。
グリチルリチン酸については、今月最初のブログでも述べていますし、今月の特集でも掲載されていますのでご覧ください。

●知っておきたい甘草・グリチルリチン酸の危険な話
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=75