体内時計の修正とアトピー

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、アトピー性皮膚炎の人で、昼夜逆転など、睡眠が上手くとれないと悩む方は少なくありません。
ステロイド剤などの影響から睡眠が乱れているケースや、自律神経の乱れやストレスから不眠につながっている人など様々です。

そこで、今日は、ある昼夜逆転で悩んでいる会員さんが、睡眠が取れるようになったAさんの事例を紹介したいと思います。

Aさんは、アトピー性皮膚炎の症状が悪化した状態から、湯治などで回復に向かっている流れの中で、どうしても昼夜逆転の睡眠リズムだけが戻らず、社会復帰しようと思ってもなかなか出来ない状況におられました。
家族が活動する時間帯はずっと布団の上で過ごし、夜になって食事を取ったりテレビを見たりと真逆の生活が続きました。
そんな様子を見ていた家族が、心配になり「食事の時間だけでも起きてきて一緒に食べよう」という提案をしたのです。
大切な家族とのコミュニケーションでさえ、昼夜逆転の生活で取れていない日々が続いていたこともあり、食事を食べることぐらいなら試しにやってみようかと、Aさんは思われました。

翌日からは、どんなに睡眠の時間であっても「朝」「昼」「夜」の食事の時間には起こしてもらい、食事の時間を家族と共に摂る様にしてみました。
そうすると動かなかった睡眠リズムに変化が見られ始め、ついには、昼夜逆転の睡眠リズムが完全に戻られたのです。

体内時計は、25時間周期で、「活動」と「休息」のリズム信号を出しているといわれます。
つまり、実際の一日の周期より1時間のずれがあることになります。
そして、この「ずれ」を調整するのが「光」です。
起床後に「光」を浴びることで、体内時計はリセットされるようにできています。
おそらくは、朝に我慢して起きて食事を取ることで「光」を強制的に浴びることになり、それにより体内時計が1時間程度ずつ、ズレを修正していったのではないかと推測されます。
不眠症の治療でも「高照度光療法」と言われる治療があり、それなりの効果を上げているようです。

このように、体内時計は「光」と密接なかかわりを持っていることがわかっています。
私たちの生体をコントロールしている自律神経や内分泌、脳などは、常に「自然」とコミットすることで狂いを修正しようとする所があります。
つまり、自然に触れずに室内など人工的な環境の中にいることは、生じてしまった狂いを修正できずに、ますます不自然な状態に陥ってしまうことが懸念されます。

室内で十分に快適に生活できるような現代社会において、不眠が大きな問題になっている原因の一つに、こういった自然環境とのコミットの少なさがあるのではないかと考えられます。
薬やストレスなどなど、自律神経を乱す要因が多い社会であるからこそ、自然環境と積極的にコミットして行くことが重要ですし、アトピー性皮膚炎の回復には、こういった体内環境の正常化が不可欠です。

現在、昼夜逆転の状況で困っておられる方は、「元に戻るのを待つ」のではなく「元に戻るように生活を変える」工夫も行ってみてはいかがでしょうか?

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎と睡眠は、相当に密接な関係がある。
実際、アトピー性皮膚炎は「寝ないと治らない」とする医師も多い。
特に昼夜逆転している場合、それを元のリズムに戻すことは容易ではないが、今回のAさんのように、戻すための工夫と努力を行うことは大切なことじゃ。
体調の問題もあるため、この方法が他の人にも必ず有効、というわけではないが、生活の他のリズムを一定にすることで、睡眠のリズムも変化させる、という方法は理にかなった方法の一つじゃと思うの。