グリチルリチン酸で注意したいこと

ここ一週間ほど、漢方薬の甘草成分から始まって、その甘草の主成分であるグリチルリチン酸の影響や、化粧品に使われておるグリチルリチン酸について述べてきたが、読者からの反響もかなり多かったの。

 

 

 

 

 

 
おそらく、現在、抗炎症効果をうたった化粧品、特にアトピー性皮膚炎の人を対象としたスキンケアアイテムの多くが、このグリチルリチン酸を使用しておるからじゃろう。

少なくとも、そういったスキンケアアイテムを使用して、赤みや痒みが減少したのであれば、それは、ステロイド剤と同じ免疫抑制効果の結果、「抑えられた」に過ぎないことは、これまで述べてきた通りじゃ。

読者の反響もたくさんいただいたので、今日は、グリチルリチン酸で注意したいことを、少し補完しておきたいと思う。

まず、グリチルリチン酸=副腎皮質ホルモンの中の塩類コルチコイド、そしてステロイド剤=副腎皮質ホルモンの中の糖質コルチコイド、ということから考えた場合、最も気をつけなければならないパターンとして、「ステロイド剤とグリチルリチン酸を含有したスキンケアアイテムの併用」ということが考えられるじゃろう。

これは、先日述べたように、グリチルリチン酸=塩類コルチコイドは、糖質コルチコイドの働きをカバーする役割がある。
グリチルリチン酸入りのスキンケアアイテムを使用していた場合、体内で産生される糖質コルチコイドに対して影響がみられた場合、そこにステロイド剤を使用していたならば、その影響が加速されてしまうことが考えられる。

グリチルリチン酸の影響は、確かにステロイド剤の影響ほど強くないことは確かじゃ。
長期連用した場合も、影響が現れる人は、同じく長期間ステロイド剤を使用した人に影響が現れる割合と比較すると、数分の1ぐらいじゃろう。

じゃが、影響のみられ方にバラつきがあるのは、「吸収の度合い」に個人差が大きいためと考えられる。

ステロイド剤は、薬剤の強さのランクが5段階に分かれておる。
その強さのランクは、含まれている成分の量が多いか少ないか、で決められているのではなく、含まれる成分が皮膚から吸収されやす成分かどうかで決まっておる。
そして、一昨日のQ&Aにあったように、グリチルリチン酸は、皮膚からは吸収されづらい成分とされておる。
したがって、皮膚にダメージがない状態で使用した場合には、吸収されづらい=副作用の影響もみられづらい、ということになる。
もちろん、副作用の影響がみられづらい=主作用(抗炎症効果)の影響もみられづらい、ということで「意味がない」ことにもつながるのじゃがな。

ということで、ステロイド剤のように、いかに皮膚から吸収されやすいかどうか改良された薬剤とは違うことで、その影響がみられる割合も(良い影響も悪い影響も)、皮膚にダメージがある場所に使用しない限りは、少なくなる、ということじゃろう。

しかし、ここで気をつけたいのは、「使用しても影響がみられやすいわけではない」というところに注目するのではなく、「ダメージを受けた肌に使用した場合には影響がみられやすい」というところじゃ。
マイナスの影響がみられやすいかどうかは、プラスの影響がみられたかどうかで判断するのが最も手早い。
グリチルリチン酸入りのスキンケアアイテムを使用して、赤みや痒みが減少する場合には、効果が得られた=副作用の可能性がある、という認識を忘れないことじゃな。

それと、グリチルリチン酸が使われておるアイテムは、スキンケアアイテムに限るわけではない。
シャンプー、ソープなどの洗浄系アイテムにも使用されておることがある。
特に、洗い流すアイテムの場合は、含有してよいグリチルリチン酸の量が、その場で洗い流さないスキンケアアイテムよりも、多くなる(スキンケアアイテムの場合、グリチルリチン酸の含有量の上限値は0.3%に対し、洗浄系の場合は0.8%と約3倍近くになる)。

傷がある場合など、その吸収は洗っている最中にも行われていることから考えると、ダメージ肌に使用する洗浄剤の場合は、スキンケアアイテムよりも注意が必要であるとも言えるじゃろう。
実際、あとぴナビが最初にグリチルリチン酸の副作用について報告を受けたのが、十数年前にアトピー性皮膚炎の人に良いと話題になった、関西の保健婦が開発したという某シャンプーからじゃ。
グリチルリチン酸の高配合をうたい文句に、アトピー性皮膚炎の人に有効として販売されていたそのシャンプーを半年以上使用していた複数の人が、症状が落ち着いてきたので、市販の他のシャンプーに切り替えたら一気に症状が悪化した、という報告があったのじゃ。
当初は、市販のシャンプーの成分が悪いのではないか、ということを考えたのじゃが、シャンプーを使用せずにお湯のみで洗っていた人でも、ステロイド剤の中断直後のようなリバウンド症状が現れたことで、そこからいろいろと調べて、グリチルリチン酸の「効果」と「副作用」が分かったのじゃ。

できれば、スキンケアアイテムだけではなく、現在使用している洗浄系アイテムも、一度、チェックしておいた方が良いじゃろう。

何度も繰り返すが、グリチルリチン酸、という成分が悪いわけではない。
じゃが、その目的(抗炎症効果による痒みの緩和)とするところは、同時に受けるべき副作用を考えた場合、ステロイド剤と同じく、痒みを抑える=アトピー性皮膚炎が治った状態ではない、ということからみると、十二分に注意するようにしたいところじゃの。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

今日は金曜日です。
あとぴナビ情報Webで、毎週更新しているウィークリーマガジンでは、今月の特集「お使いの市販のスキンケア商品にも入っているステロイド様の作用がある成分! 知っておきたいグリチルリチン酸の危険な話」が、今週、アップされています。
現在、グリチルリチン酸が配合されたスキンケアアイテムを使用している人は、一度、ご覧ください。

●あとぴナビ情報Web
http://www.atopinavi.com/