【Q&A】赤ちゃんと甘草について

今日もQ&Aじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 
10月30日のブログのコメント欄にいただいたご質問にお答えしたいと思う。

 
●つるつるさんのご質問

甘草のお話、ちょっとショックでした。現在3歳8ヶ月の娘がいますが、生後7ヶ月頃よりアトピーのけが有り漢方薬の服用をしています。成分表をみると甘草がはいっていました。
どのくらいの量の服用で影響がでてくるのでしょうか?明日のブログにのせて頂きたいです

  
つるつるさん、こんにちは。
まずは、乳幼児と甘草に関するデータの関係で、少しお時間をいただいたことをお詫びしたいと思う。

 
さて、漢方薬は西洋医薬で考える薬物治療と一線を引く人がおるが、基本的に、漢方も「生薬」を用いた「薬物治療」じゃ。
そもそも、西洋医薬も、その出発は植物や微生物じゃから、「天然」か「化学合成」かの違いに過ぎん。
もちろん、期待する作用(効果)は、西洋医薬の方が、目的性を持たせている分、強く感じることが多いかもしれんが、漢方薬も「立派な薬物」であることを、まずは、知っておいて欲しい。
しがって、数日前のブログで書いたとおり、「効果」がある=「主作用と反作用(副作用)」が生じる、ということじゃな。
西洋医薬との違いは、西洋医薬よりも反作用(副作用)が弱いものが多い(中には西洋医薬と同等以上の副作用を持つものもある)ということじゃが、それは即ち、反作用が少ない=主作用も少ない、ということにつながるので、効果の方も弱くなりがち、ということじゃ。

もう一つの特徴は、西洋医薬は、病名、症状名に対して処方されるのに対し、漢方薬は「体の状態」に合わせて処方される、ということじゃ。
風邪を引けば、西洋医薬の場合、風邪のウィルスに対抗するための抗ウィルス剤、細菌であれば抗生物質、そして熱があれば解熱剤、鼻水には抗ヒスタミン剤、といった具合に、目的別に処方も決まっておる。
ところが、漢方薬の場合は、腹診など問診を経て、体の状態に合わせた処方をされるので、風邪だからこの漢方薬、ということはない。
時々、風邪には葛根湯、といった漢方処方をする病院もあるが、これは西洋医学的な漢方処方の部類に入り、本来の漢方薬の処方とは異なる。
極端にいえば、漢方薬の場合、風邪と不眠症で同じ種類の漢方薬が出ることもある、ということじゃ。
西洋医薬が「病気を診る」のに対し、漢方医薬が「人を診る」、といわれる所以じゃな。

そして、西洋医薬が大人と子どもと処方量が違うように、漢方の場合は、乳児用の処方が存在しておる。
ただ、問題があるとすれば、大人は体の機能がほぼ「成長」することはないのに対し(各機能は成熟し、あとは衰えるだけ)、子どもの場合は、「成長」の途中にある、ということじゃろう。

例えば、内分泌機能一つとっても、日々、さまざまな要因の元に、変化を続けておるし、免疫機能全体に大きな影響を与えておる腸管免疫もそうじゃ。
そういった意味において、乳幼児の漢方処方は一般的に、非常に難しいとは言われておる。

逆に言うと、乳幼児の個体差にも大きく影響を受けるため、つるつるさんの質問にあったような、どれくらいの量で「悪い影響」が現れるのかは、一概には言えん。
ただ、一応、昭和53年に厚生省(現・厚生労働省)が出した通達によると、甘草の一日最大投与量1g以上から、副作用の情報を書くように、とされておるようじゃ。

 

●「甘草の1日最大許容量について」
http://www.drugsinfo.jp/2008/07/14-213153

 
ただ、これは、あくまで西洋医薬的に漢方を処方した場合で、さらに、乳幼児を想定したものではなく、成人を対象とした場合と考えられる。
また、本来の漢方薬の場合、乳幼児のその時の体の状態に合わせて処方されると思うので、一概には言いづらい。
しかし、一般的に、薬剤の場合、体重に量が比例する傾向があるので、乳幼児の場合は、ここで記載されている量よりも少ないと考えられるじゃろう。
結論としては、

 
1.漢方薬も「薬」である以上、効果に見合った副作用が生じる可能性がある
2.漢方薬の本来の概念から考えると、その影響がみられる量は個体差が大きく、具体的な量、摂取期間については、一概には言えない
3.ただし、成人で一日の最大許容量が1gから影響が現れるとするなら、乳幼児の場合は、その数分の1で影響がみられる可能性がある
 

ということじゃろう。

 
診断される先生のお考えもあることじゃから、一概には言えないが、昨日のブログで書いたように効果がみられた=主作用が現れた=副作用の影響も受けている、となるため、効果の現れ方が穏やかなため、副作用の現れた方も同様に穏やかとされる漢方薬と言えど、状況を把握しながら、場合によっては、他の漢方専門医でセカンドオピニオン的に診ていただくこと(現在の主治医がセカンドオピニオンに同意いただけなかったとしても)も考えた方が良いかもしれんの。

少なくとも、甘草の影響が潜在していないか、血液検査等で調べていただくことぐらいはした方が良いじゃろう。

つるつるさんのお子様が、いち早く回復されることを祈っておる。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

漢方についても、あとぴナビでは過去に特集を行っております。
興味のある方は、一度、ご覧ください。

●漢方で見立てるアトピーの治し方
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=18