母乳?ミルク?どちらが良い?

先週の東君のブログで、母乳の話題が取り上げられておったが、アトピー性皮膚炎に対する母乳の情報は、かなり入り乱れているのが現状じゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

厚生労働省(旧厚生省)が平成4年度に行った調査においては、母乳育児の子どものアトピー性皮膚炎発症率が、そうでない子どもと比較して有意差が見られた、という報告もある。
平成12年~14年にかけて行われた厚生労働省の調査でも、同様の報告がなされておる。
こちらの方は、厚労省のホームページにアップされておるので、興味のある人は見てみるとよいじゃろう。

 

●アトピー性皮膚炎(小児) 疫学調査の結果にもとづく、わが国での発症・悪化因子の検討
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-04.pdf

 
そして、昨日のブログにあった記事のように、逆の結果が推測できる(アトピー患者への臨床データではないため、あくまで推測として)記事もある。
では、母乳とミルク、どちらで育てる方がアトピー性皮膚炎に対してよいのじゃろうか?
結論を出すことは、多くのエビデンスが必要になるため無理じゃが、母乳が良いとする意見、ミルクが良いとする意見、それらを見ながら、考えてみたいと思う。

まず、上記の二つの厚労省の結果をみると、そこには見えづらい要素があることが分かる。
前者の調査は、健診の際(乳児健診、1歳6カ月健診、3歳健診、合計14,000名)の調査によるものじゃ。
後者の調査は、北海道、千葉、大阪、福岡の4地区における1歳6カ月健診、3歳健診(合計3,829名)の調査によるものじゃ。

いろいろなデータが含まれておるのじゃが、このデータで不明なのは、母乳と人工乳の摂取状況までの分析がなされておらんことじゃ。
後者では、母乳の開始時期におけるデータは取ってはおるが、その後、母乳だけで育児を行ったのか、ミルクを併用したのか、あるいは完全にミルクに切り替えたのかまでは出ておらん。
前者では、追跡調査を行ったわけではなく、その時点における全体の調査のため、同様に混合の状況や切り替えの状況と、アトピー性皮膚炎の症状の関連までは調べられておらん。
じゃが、確実なのは、その調査した時点における調査した項目内においては、母乳育児の方が、人工乳育児よりもアトピー性皮膚炎の発症率、あるいは有症率が、その後の経過においた状況を含めて高かった、そして、母乳の開始時期が生後間もなければ間もないほど、発症率の有意差があるということじゃろう。

じゃが、世界中の小児医学の基本は、「母乳」であることは確かじゃ。
人工乳は、あくまで代用であって、基本は母乳で摂取することが望ましいとされておる。

また、母乳を与えている母親が、授乳を受けている子どものアレルゲン物質の摂取についても、欧州では摂取による影響はなし、そして米国では影響はあるという結果がみられるようじゃ。

このように、果たしてアレルギーを持つ子どもに対する授乳は、母乳と人工乳とどちらが良いのかを判断するのは非常に難しいのじゃが、個々の状況に応じて柔軟に判断するのも一つの方法じゃろう。

子どもの体内環境は日々、「成長」しておる。
その成長過程の中で、未熟な段階では影響が見られたものが、成長したことで影響を受けなくなった、ということはあるじゃろう。
消化吸収機能しかり、免疫機能しかり、じゃ。

判断を行う上での、一番の基本となるのは、むろん子どもの状態であることは確かじゃろう。
したがって、母乳がだめ、ミルクがだめ、ではなく、状況に応じた判断が最も好ましいのかもしれん。
特に母乳が良くないとする論文の多くは、「ダイオキシン」が関わっていることが多いようじゃ。

いずれにせよ、母乳の方が良いという意見もある以上、その「母乳を与えた方が良い状態」あるいは、「ミルクの方が良い状態」を見極めれることが大切だということだと思う。

難しい問題ではあるのじゃが、母乳の問題に直面している人は、いろいろと情報を集めた上で検討した方が良いじゃろう。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

母乳とアトピーの関係、そして問題は、食物アレルギーに関しては少なくとも、かなり大きな関わりを持っているように考えています。
そこであとぴナビでは、今後、この母乳の問題に関しては、専門医や研究に携わっている人を取材して、特集を組みたいと思います。