母乳とアレルゲン

東です。

 

 

 

 

 

 

 
今日は、アレルギーの免疫を母乳摂取で獲得できることを発見した記事を紹介したいと思います。

 
●アレルギー免疫、母乳摂取で獲得 県立大など共同研究
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100515/CK2010051502000010.html

 
母親の食事に含まれるタンパク質を、母乳を通して摂取すると、赤ちゃんの体内にこのタンパク質による食物アレルギーの免疫ができることを、県立大(彦根市)と京都女子大(京都市)の共同研究チームが突き止めた。チームは「母乳はアレルギー予防の天然ワクチン。母乳保育の重要性が再確認できた」と話している。

県立大の広瀬潤子助教(小児栄養学)、京都女子大の成田宏史教授(食品免疫学)と木津久美子研究員(同)らのチームが、3月末に東大の日本農芸化学会で発表、ユニークな研究に贈られるトピックス賞を受賞した。

チームは、マウスに卵や牛乳のタンパク質を摂取させ、それぞれの母乳を飲んだ別々の子マウスに卵アレルギーを誘発させたところ、卵タンパク質を摂取したマウスの母乳を飲んだ子マウスには、下痢などのアレルギー反応が見られなかった。

実験によって、チームは、個別のタンパク質が原因のアレルギー反応に対する免疫物質を、乳児が母乳から獲得できることが分かったと推定。「赤ちゃんの免疫系を成長させるために母親がいろいろな食品を食べることは重要だ」としている。

 
卵や牛乳などのアレルゲンが、母乳を通して、直接、乳幼児に行くことはないとされていますので、今回の研究結果は、母乳に含まれる、それらたんぱく質に対する抗体を摂取することが、何らかの有効性を発揮しているものと思われます。
最近では、人工栄養(ミルク)もかなり普及していますが、こういった免疫獲得、という観点からみると、やはり母乳には母乳のよさがあることがわかります。
平成4年度の厚生労働省(旧厚生省)の調査報告では、母乳で育てられた子供の方が、ミルクで育てられた子供よりもアトピー性皮膚炎の罹患率が高い、とするデータがあるようですが、それから15年以上経過していること、また、このデータに対する見方の反論(同じ子供を追跡調査した結果ではないことなど)もいろいろあるようです。
ぜひ、今後は母乳のみ、母乳とミルクの混合、ミルクのみの乳幼児に対する、これらアレルギーの有症率なども調査して欲しいものですね。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今回の結果がすなわち、「母親がまずいろんな食物を摂取する」「そして母乳で育てる」ことがアレルギー予防につながる、ということではありません。
実際、ブログ中に書いたように平成4年度の厚労省の調査結果では、逆の結果の報告もあるからです。
まず、母親が食物に対してアレルギーがあるのかどうか、またそれらの食物を摂取する頻度、そして食物の形状(生の場合と火を通した場合では、たんぱく質の分子の大きさが異なるため)など、複合して考えなければならないことは多いでしょう。
今回の発表だけでとどまるのではなく、ここから導き出される結論を実証するための研究が続くことを願っています。