アトピーはなぜ増加したのか?(5)

今日は、今回のテーマの最後じゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
アトピーが増加した要因の一つといえる「生活環境」について述べたい。

ここでいう「生活環境」じゃが、これこそが、昔は少なかったアトピー性皮膚炎が増加してきた原因とも言えるかもしれん。

では、その「生活環境」の変化とは、何なのかというと「化学物質の増加」じゃ。

これらは「衣食住」という三つの生活環境全部で増加しておるといえる。

「住」でみると、室内環境の悪化じゃな。
家具や家電製品からは、化学物質が出続けるし、壁紙や合板からもホルムアルデヒドが検出される。
芳香剤、消臭剤、防虫剤なども、影響を与える要因じゃ。
もっと大きな観点からいえば、車の排気ガスや塵も、影響を与える化学物質といえる。

「食」は、もっとイメージしやすいじゃろう。
農薬や添加物、水道水中の塩素など、口に入るものの多くに化学物質が関わっておる。

「衣」も同じで、合成の洗剤を自動洗濯機で洗えば、すすぎを3倍に増やしても、300ppm前後の洗剤が衣類に残留することが分かっておる。
これらも化学物質となる。

このように、生活環境すべてにおいて、化学物質が増加したことが、体に対してさまざまな影響を与えることになったわけじゃ。
アトピー性皮膚炎が先進国と呼ばれる地域に多く、発展途上国と呼ばれる地域では比較的少ないのもわかるじゃろう。
公衆衛生が発達したせいで、幼少のころから有益な菌に暴露されないことも、人間の免疫機能のバランスを乱しておる。
抗菌と呼ばれる菌を排除する環境も、体内の免疫のバランスには悪影響を与える。
もちろん、それら公衆衛生の発達の恩恵は、感染症の減少という生命にかかわる点においては、大いなる貢献を果たしたことは事実じゃ。
じゃが、同時に弊害として「アレルギーの増加」を生んでおる。

他にも、化学物質は、体内でホルモン様作用をするものもあり、これらが内分泌機能に影響を与え、そしてその結果、免疫機能にも影響がみられることもある。

しかし、こういった化学物質とは、文明の発達とも密接に関わっており、現状において、体内に摂取される化学物質を軽減させることは、ほぼ不可能な状況といえよう。

人が一日に摂取する化学物質の総量を100とした場合、消化器から吸収されるのは20%に過ぎない。
残りの80%は、呼気から吸収されることが分かっておる。

目に見える化学物質の対策、として真っ先に思いつくのは、無添加、無農薬の生活じゃろう。
じゃが、残念ながら、それを完璧にしても、日本で暮らす以上、一日の化学物質の摂取量の2割しか対策できん。
もちろん、化学物質の種類を考えた場合、体への影響の大小はあるじゃろう。
じゃが、もし化学物質を限りなくゼロにするための生活を考えると、「文明」とは逆の方向に行かねばならんのじゃ。

呼気から吸収される点を考えれば、まず車の排気ガスを対策せねばならん。
さらに、家電製品も使ってはならんし、合板やビニールクロスなどを使った家具も家にはおけん。

悲しいことじゃが、今の私たちの生活環境は、アトピー性皮膚炎を増加させる生活環境にあるということじゃ。
少し極論じゃが、アトピー性皮膚炎は、文明の発達により作られた面がいなめんじゃろう。
じゃが、決して悲観する必要はない。
なぜならば、化学物質の摂取の軽減が難しければ、それをしっかり「排泄」すればよいわけじゃ。
それが「代謝」を上げるということじゃな。
これは、話し出すと、また長くなるので、いずれ書きたいと思う。

とにかく「アトピー性皮膚炎増加の背景」とは、今の私たちの生活習慣と生活環境にある、ということ、そしてそれらをできる限りよい状態に保つことが、アトピー性皮膚炎予防、あるいはすでにアトピー性皮膚炎にかかっているならば、治す要因であり悪化を防ぐ要因となる、ということじゃな。

アトピー性皮膚炎は治らない疾患では決してない。
じゃが、治すためには、治すための「行動」が必要な疾患でもあることを忘れないでほしい。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

お隣の韓国では、ここ数年、アトピー性皮膚炎が急増しているようですが、韓国は日本以上に車社会であることも大きく関わっていると思われます。
中国も、一説にはアトピー性皮膚炎患者が急増し、現在1000万人とも言われています。
ここ最近話題の電気自動車ですが、排気ガス、という点では、今までよりはクリーンになりますから、もしかすると電気自動車の普及が、アトピー性皮膚炎増加の歯止めに一役買うかもしれませんね。