アトピーはなぜ増加したのか?(4)

今日は、昨日の続きで自律神経を見ていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

自律神経とは、活動を亢進させる交感神経と、抑制させる副交感神経のバランスで成り立っている。
一昨日に述べたように、自律神経とは、心臓を動かしたりするような意識しなくても自動的に働く不随意神経と呼ばれるものじゃ。
例えば、運動をすると全身への酸素の供給量を増やすために、血管が収縮し、血圧を上げる。これは、交感神経の働きじゃ。
そして運動が終わると、収縮した血管が元に戻ろうと拡張して血圧を下げる。これが副交感神経の働きじゃ。

このように、人間の体は、亢進と抑制を自律神経が自動的にバランスを保って、生命を維持しておる。
睡眠中に呼吸が止まらないのも、自律神経が働いてこそ、じゃ。

交感神経が常に優位の状況を意図的に作れば、この自律神経のバランスが崩れ、からだのさまざまなところに影響が出てくる。
例えば、仕事上でストレスを受け続けて胃潰瘍になった、という話を聞いたことがあると思うが、これもストレスを受けることで交感神経が優位になる状態が続き、胃酸が過剰に出続けることが関わっておるとされておる。
また、睡眠状態とは副交感神経が優位になる状態じゃが、ストレスが多く交感神経優位の状態が続けば、睡眠がとれなくなり、うつ状態を引き起こす原因になることもある。

逆に、副交感神経優位の状態が続くこともよくない。
人間の免疫は、顆粒球とリンパ球の二つの免疫に大別されるが、副交感神経優位の状態が続くとリンパ球の免疫が刺激を受け、その結果、アレルギーを悪化させる要因の一つになるとも言われておる。

昨日、述べた内分泌と同じように、自律神経の働きも、毎日の生活習慣に密着に関わっておる。

睡眠もしかり、運動もしかり、食事やストレスといった、毎日の生活行動の全てが、自律神経に影響を与える要因じゃ。
もちろん、人間には「恒常性」という、異常が生じた際に、その異常状態から元に戻ろうとする働きを持っておるから、たいがいの「影響」が、即、深刻な影響につながるわけではない。
じゃが、その影響が反復継続された際には、やがて体が受け止められなくなり、交感神経と副交感神経のバランスを乱し、自律神経そのものが異常状態に陥ることになる。

自律神経が異常状態に陥れば、それは、自律神経により強い影響を受けている免疫機能にも影響がみられることになる。
内分泌機能と同じく、生活面での影響が、それも反復継続された影響が蓄積することでアトピー性皮膚炎を発症させる、あるいは悪化させる要因へとなっていくわけじゃ。

夜型の社会環境、ストレスの多い社会生活、バランスの悪い食事、そして運動不足、これらはすべて自律神経を乱す影響となる要因じゃ。

このように自律神経と内分泌機能に影響を与える生活要因がアトピー性皮膚炎を、少しずつ増加させてきた要因といえるのじゃが、こういった「生活」内の要因の他にもう一つ大きな要因がある。
それが「生活環境」という要因じゃ。

明日は、この「生活環境」について述べたい。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今回の、アトピーはなぜ増加したのか?は、明日が最後となる。
あとぴナビでは、毎日の生活習慣を改善させることが、アトピー性皮膚炎克服に向けた大きなカギとなることをこれまで何度も述べてきたし、その関連の特集も取材を行ってきた。
それらは、毎日の継続した生活習慣を良いものに変化させられるかどうかが、免疫機能に関わっておるからじゃ。
仕事、勉強、さまざまな「理由」から、生活習慣の改善が難しい場合もあるかもしれん。
じゃが、人が望み求めるものが、必ずしも「人の体」が望み求めているとは限らないことを承知しておくべきじゃ。
大学に合格したいから夜遅くまで勉強することは、人が望み求めるものじゃが、体が望み求めるのは、体を健康に維持させるために早く寝てもらうことにあるわけじゃからの。