【Q&A】リバウンドって、なぜ起きるの?(1)

先日、読者の方から、リバウンドについての質問をメールでいただいた。

 

 

 

 

 

 

 

 
●Uさんからのご質問

 
いつも、ブログを拝見しています。
一つ、博士に質問があるのですが、10年ほどステロイド剤を使用していましたが、一向に症状は良くならず、少しずつ皮膚も固くなってきたため、脱ステロイドを行うことにしました。
約1カ月使用を中断したら、案の定、リバウンド症状が現れ、たまらず主治医に診せに行くと、ステロイド剤を勝手に中断したからアトピーが悪化した、と言われました。
でも、中断したからアトピーが悪化したのではなく、使い続けてきたからアトピーが悪化したのでは?と思えてなりません。
博士の意見を聞きたいです。

  

Uさん、こんにちは。
質問は「リバウンド症状は、アトピー性皮膚炎が悪化した状態なのかどうか?」ということで良いかの。

まず、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫抑制剤による治療を長期間続けて、その治療を中断した場合には、「リバウンド状態」がみられることが多い。
なぜ、リバウンド状態が起きるのかと言うと、大きく3つのことがあげられる。

 
1.アトピー性皮膚炎の症状が表面化

 
本来、ステロイド剤やプロトピック軟膏の「目的」とは、アトピー性皮膚炎という病気を治療していくことではない。
あくまで、アトピー性皮膚炎により生じた「痒み」という不快な症状を緩和させることが目的じゃ。
アトピー性皮膚炎の初期状態であれば、多くの場合、アトピー性皮膚炎を引き起こした体の異常状態も軽微じゃから、症状を抑えている間に、体の異常状態を「体自身で改善」することにより、短期間で治癒に至る。
この場合、患者自身は、使用した薬剤によりアトピー性皮膚炎が治癒した、と思うことになるようじゃが、実際には、薬剤がアトピー性皮膚炎を治したのではなく、自分の治癒力がアトピー性皮膚炎を引き起こした免疫機能の異常状態を改善させることで、治癒状態まで持っていくわけじゃ。
詳しくは、細かく述べると長くなるので、過去のブログを見てほしいのじゃが、ここで大切なのは、薬剤がもたらしてくれる効果とは、あくまで「炎症→痒み」という経路を一時的に遮断してくれる、ということじゃな。

ところが、薬剤の使用期間が長くなればなるほど、痒みを作り出している体の異常状態は進行していくことになり、体が作り出す痒みを、薬剤で抑えているだけの状況になっていることが考えられる。
つまり、自分の体で免疫機能の異常状態を改善できない状態が続いている、ということじゃな。
薬剤の問題点の一つは、こういった免疫機能の異常状態が続いていることを、痒みを抑えることで治っているのではないかと錯覚させてしまうことにあるのじゃが、こういったアトピー性皮膚炎が治っていない状況で、かつ常に痒みを薬剤で抑えていた状態の最中に、「抑えていた薬剤」を中断するとどうなるじゃろうか?
そう、当然、今まで痒み、炎症を薬剤に頼って抑えていたわけじゃから、薬剤を使わなくなれば、抑えていたものが表面にあらわれてくることになる。
つまり、「症状が悪化したように見える」わけじゃな。

よく医師は、ステロイド剤を中断したことで「アトピー性皮膚炎が悪化」したからリバウンド症状が現れる、だからステロイド剤をいきなり中断することは良くない、というのじゃが、本当は「アトピー性皮膚炎が悪化」したのではなく、ステロイド剤をやめた状態で現れた症状が、その人が持つ本来のアトピー性皮膚炎の状態だった、ということに過ぎないのじゃ。
つまり「アトピー性皮膚炎が悪化」したというよりも「アトピー性皮膚炎の症状が表面化」しただけ、ということじゃ。

分かりやすい例でいえば、インフルエンザにかかって高熱が出た場合、解熱剤を飲めば熱は一時的に下がる。
では、その時点で解熱剤の使用を中断した場合、どうなるか?
ふたたび熱が上がるじゃろう。
では、この熱が上がった状態を「インフルエンザが悪化した状態」と医者は言うじゃろうか?
否、単に熱を抑えなくなったので、上がっただけ、というじゃろう。

アトピー性皮膚炎の場合も、全く同じ、ということじゃな。
もちろん、アトピー性皮膚炎そのものを悪化させる要因が同時に進行しるようだと、薬剤を中断後、それが「上乗せされる」形で、症状が一段と強くなることもあるかもしれん。
じゃが、そういったアトピー性皮膚炎そのものを悪化させる要因を、ステロイド剤などで「排除」できるわけではないのじゃから、結果的には同じこと、ということじゃな。

明日は、「2.感染症が悪化」「3.アトピー性皮膚炎の悪化」について見ていきたい。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

ステロイド剤を中断後のリバウンド症状を、アトピー性皮膚炎の悪化だという意見は、ステロイド剤を積極使用する医師しか述べておらんようじゃ。
そういったリバウンド症状を治すために、再び「ステロイド剤」を使用することは、はたして正しいのじゃろうか?
ときどき、ステロイド剤を「麻薬」と表現する人もおるが、イメージとしては良くにておるかもしれんの。
麻薬の禁断症状を抑えるために、「麻薬」を使用したらどうなるのか?
ステロイド剤が果たす役割をもう一度、考えた上で、患者のために「何が必要なのか?」を考えてほしいところじゃの。