アトピーとスキンケア(1)

こんにちは。南です。

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎のことでご相談いただく中で、多いのが「スキンケア」の仕方です。
アトピー性皮膚炎の症状は、乾燥、炎症、赤み、痒み、感染症など多岐にわたります。
また、同じ方の症状も、日によって異なることも少なくありません。
そして、薬剤を使用中の方は、その影響も複合して絡み合ってきます。

そのため、ご自身にあったスキンケアの仕方は、その人ごとに異なってくるのですが、大体のスキンケアの考え方、というのは存在ます。
今日から、数回に分けて、アトピー性皮膚炎のスキンケアの考え方について、述べてみたいと思います。

今日は、まず最初に、アトピー性皮膚炎の方の、肌の特徴について見ていきましょう。

 

①アトピー肌の特徴

アトピー性皮膚炎の症状は、「炎症」「乾燥」という状態があって、そこから「痒み」という自覚症状が生じてくる疾患です。
アトピー性皮膚炎=「皮膚が痒い病気」と思っている方が多いようですが、実際には、「痒み」とは最終的な結果であって、痒みの原因自体は、皮膚に生じた「炎症」と「乾燥」により生まれてくるのです。

この痒みにより、掻き壊しが見られ、皮膚にダメージを負ってくるわけですが、アトピー肌の特徴を考えてみると、大きな二つの状況が見られます。

まず一つ目は「バリア機能が低下している」状況です。
バリア機能が低下した最も大きな原因は、掻き壊しによるものですが、このバリア機能が低下した状態では、角質層自体がダメージを受けているため、アレルゲンなど異物の皮膚下への侵入を容易にしてしまい、そのため、免疫反応による炎症を生じやすくなります。
免疫反応による炎症は、当然のことながら痒みにつながりますので、その痒みがさらに掻き壊しを生む・・・という悪循環の連鎖が生まれます。
さらに、バリア機能が低下した状態では、皮膚自体が本来持っている「抵抗力」も低くなっています。
もし、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤を使用中の方であれば、その傾向はさらに強まります。
そのため、掻き壊した部位を中心に、日和見菌(ヘルペス、ブドウ球菌、白癬菌など)による感染症を併発させやすくなります。
この感染症については、特に、これからの梅雨から夏の時期にかけては注意が必要でしょう。

このように、まず、「バリア機能が低下している」状況から生まれるのが「炎症」です。

次に、もう一つよくみられるのが、「皮膚の水分保持が不足している」という状況で、これが「乾燥」です。

角質層は、適度な水分を保持することで、皮膚機能そのものを維持するのですが、この角質層内における水分保持能力が低下すると、皮膚が乾燥、外部からの刺激に弱くなったり、前述したバリア機能の低下した状態につながってくることもあります。
特に、角質層内の乾燥で問題なのが「痒みの神経繊維」の問題です。

ヒトは、痒みを知覚する神経を持っていますが、通常は、角質層の下にある真皮までしかその神経は伸びていません。
しかし、角質層内の水分が少なくなる=乾燥した状態になると、この痒みを近くする神経線維が角質層内に侵入してくることが分かっています。
角質層内に痒みを知覚する神経線維が伸びてくれば、皮膚表面のちょっとした刺激を、痒みと知覚しやすくなりますし、さらにその痒みが、炎症を生むことで連鎖的な「炎症」→「痒み」のループを生むことにつながってきます。

このように、バリア機能が低下している=炎症、皮膚の水分保持が不足している=乾燥、といった二つの状況が絡み合って、アトピー性皮膚炎の症状(炎症、痒み)を形成している、ということです。

では、こういったアトピー性皮膚炎の方に特徴のある肌の状況を改善してくために、スキンケアはどのように必要なのでしょうか?
明日は、「アトピー肌を守るスキンケア」について考えてみましょう。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今日の南さんのブログで出てきた「乾燥による痒みの神経線維の問題」は、あとぴナビで取材し、特集を掲載しています。
興味のある人はご覧ください。

●かゆみのメカニズムとアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=chishiki&c2=2&c3=1