遺伝子組換えは、何を生じさせるのか?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
先日、遺伝子組み換えの記事をWebで読みました。

   

●遺伝子組換えで「美味しんぼ」に訂正要求 食品安全の啓発団体とバトル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100707-00000006-jct-ent

 
人気漫画「美味しんぼ」が遺伝子組換え作物などの不安をあおったとして、食品安全の啓発団体から訂正を求められる騒ぎがあった。「美味しんぼ」側は、科学的根拠があり、訂正しないとしており、議論は、平行線のままになっている。

訂正要求があったのは、週刊ビッグコミックスピリッツの2010年5月24日号に載った「続・食と環境問題その(8)」の回だ。

■唐木英明東大名誉教授らの啓発団体が要求

そこでは、遺伝子組換え作物や農薬が、何らかの形で人間にも影響すると紹介した。例えば、ジャガイモについては、英ロウエット研究所が1998年に動物実験を元に臓器への影響などを示したとした。害虫は殺す毒性を持つが、人には害がないとされるタイプでもだ。また、同様なタイプのトウモロコシは、間違って食用にされた結果、アメリカで44人が呼吸困難などのアレルギー症状を引き起こしたと紹介。日本にも飼料として輸入されており、人への影響の可能性も指摘している。

さらに、農薬の除草剤は、動物実験で互いにかみ合うほど攻撃性を与え、脳に影響があるかもしれないとした。いずれも、インタビューした識者の実名を挙げている。

一方で、立場が違う識者の意見も紹介。「多くの人が、遺伝子組換えのことを良く知らずに、怖がっている」という大学名誉教授の話も載せている。

これに対し、「食品安全情報ネットワーク」が、開設したばかりのホームページ上で、小学館のビッグコミックスピリッツ編集長に訂正要求などの文書を提出したことを明らかにした。この啓発団体は、内閣府食品安全委員としてBSE問題にも関わった唐木英明東大名誉教授が、代表者になっている。

それによると、遺伝子組換えジャガイモについては、毒性のある成分を意図的に組み込んだため、消化不良がそもそも想定されていたという。そのうえで、こうした商品はなく、臓器への影響などは一般的な結論にはならないとしている。

■「科学的根拠はあり、訂正しない」

トウモロコシについては、米食品医薬品局などが追跡調査をした結果、アレルギー症状の原因ではなかったと指摘した。また、除草剤の動物実験は、かなりの多量を用いたもので、内閣府食品安全委員会では、残留許容範囲の100分の1という厳格な安全基準を設けているとした。

そのうえで、「食品安全情報ネットワーク」は、漫画の紹介は、科学的な根拠がなく、遺伝子組換え作物などの危険への不安をいたずらにあおるものだと批判している。立場の違う識者も紹介したことについても、科学的決着がついていることで、両論併記というのはおかしいとした。意図的に経過を隠して引用したとし、「あるある大事典」のテレビ局不祥事と同様な問題だとすら言っている。

代表者の唐木英明東大名誉教授は、取材に応じ、2010年7月7日夕にこの問題でビッグコミックスピリッツ編集長と話し合ったことを明らかにした。

それによると、編集長側は、少数意見であっても科学的根拠があり、両論併記もしたとして、訂正はしないと話したという。

「先方は、科学ばかりでなく、遺伝子組換えはいやだという感情も大切だとの立場で、越えがたい意見の違いを理解しました。この溝を埋めるのは大変だと考えていますが、言論の自由があるので、出版差し止めまでは求めません。反対論があるのを知ってもらうのが大事ですので、目的はある程度達成したと考えています」

一方、ビッグコミックスピリッツ編集部では、取材に対し、科学的根拠がないとは考えていないとコメントした。話し合いの結果、「認識の相違があることを相互に確認し、今回、ご指摘を受けた作品については、特に訂正などはしないということで合意に達しました」という。

さらに、「不安を訴える人たちが実在することを、その逆の立場の人たちと共に『両論併記』の形で描いた」と主張。識者インタビューに基づいており、発言を捏造した「あるある大事典」と同様というのは、まったくの誤りだとした。この点は話し合いでも強く主張し、唐木名誉教授側も「行き過ぎた表現」であったことを認めたとしている。

 
この記事の中で出てくる「美味しんぼ」の「続・食と環境問題その(8)」の回は読んでいませんが、気になったのは、遺伝子組換え食品が安全だとする意見は、「何に対して安全なのか?」ということです。
短期的視野に立って見れば、確認できる影響がなかったとしても、長期的視野に立つと、何らかの影響がみられるようになった、ということは、歴史上、さまざまなことで立証されています。
環境で言えば、 沼や湾の開拓を繰り返し行ってきて初めて問題が確認が立証されたことがありますし、健康で言えば、予防接種によるB型肝炎の問題なども、長年実施したあとでようやく確認できた問題です。
これらの問題は、初期段階で、警告を訴える人がいなかったわけではないのです。

今回の、「遺伝子組換え食品」は、「食の確保」という点で考えれば、食料危機が叫ばれて久しい現状では、有効で必要な手段ではあるでしょう。
一方、「健康」という点からの安全性でいえば、少なくとも「安全であること」が立証されたわけではありません。
この立証は、数十年後に「明らか」になるのでしょうが、明らかになった段階で、もし多くの「影響」を受ける人たちが現れた場合、現在、そういった影響について否定している人たちは、どのように「責任」をとるのでしょうか?
「昔の時点では、安全でないことを立証する手段がなかった」というお決まりのような文句で逃げるのでしょうか?

これは、現在のアトピー性皮膚炎の治療に対しても、同様の傾向が見られます。
プロトピックやステロイド剤の安全性を、医師側は声高に言い、患者側は疑問視している現状で、将来、その影響が明らかになった場合、結果的に「責任」は誰かが取るのかもしれませんが、その影響を受けた「患者」さんは、影響から逃れることはできないのです。
特に、プロトピック軟膏は、発がんなどの問題が指摘されている部分もありますから、患者側は「自己防衛」の意識を忘れないようにした方が良いでしょう。

 

おまけ★★★★博士のつぶやき

遺伝子組み換えの中には、害虫予防などを組み込むものもあるようじゃ。
じゃが、虫に「害」になる成分を含んだ食品を長期に摂取した場合に、ヒトへの影響は皆無なのじゃろうか?
文中にあるように、「消化不良」になることもあるようじゃから、その影響の蓄積が、他の影響につながる可能性は否定できんじゃろう。
無論、「安定した食物の供給」という観点からいえば、食料危機が深刻な現状では、こういった考え方も必要な部分はあるじゃろうがの。