アトピーと温泉の研究

東です。

 

 

 

 

 

 

 
少し前の記事ですが、温泉の効果に関するメルマガがありました。
今日は、それを紹介したいと思います。

  
●温泉の効果 IGF-1(インスリン様成長因子)を促進
(2006年11月15日号 No.441)

  

最近の研究で、酸性温泉水は皮膚の知覚神経を刺激して、皮膚のIGF-1産生を促進することが、明らかにされています。また、皮膚の知覚神経刺激は、求心性に上行し、延髄の迷走神経背側運動核を経由して遠心性に刺激する可能性も示唆されています。

さらに、迷走神経刺激により胃の知覚神経が活性化され、胃組織中のIGF-1産生が亢進、ストレス性胃粘膜病変形成が抑制されました。

迷走神経は各種臓器にも分布しており、温泉浴により種々の臓器でIGF-1産生が上昇する可能性が考えられています。
IGF-1(インスリン様成長因子)は、アポトーシスを抑制し、細胞の分化増殖作用を持つ重要な成長因子の1つで、骨密度上昇、筋肉細胞の増殖、蛋白同化、糖代謝改善、降圧、炎症抑制、認知機能改善、育毛、免疫機能活性化などの作用を示すことが知られています。

本年、秋田市で開かれた第59回日本温泉化学大会で、名古屋市立大学大学院生体防御学分野の岡嶋研二教授らのグループが、動物実験とヒト血中IGF-1値の測定から、温泉入浴により多くの臓器でIGF-1値が上昇する可能性があると報告しました。

これまでに、同グループは知覚刺激により組織IGF-1の産生が亢進することを解明しています。知覚神経刺激は温熱や酸性環境で増強することから、酸性の温泉入浴により全身の皮膚に分布する知覚神経が刺激されIGF-1が亢進し、結果として高血圧や糖尿病、消化性潰瘍、関節リウマチなどに改善効果が期待できます。

このような機序が、今まで知られている温泉の効果発現に大きく関与している可能性が示されました。

 
(中略)

  

*アトピー性皮膚炎に対する効果

アトピー性皮膚炎患者に対する温泉・水治療の効果について、263例を軽症、中等症、重症の3群に分けて検討した結果、軽快例は軽症群で80%、中等症群で76%、重症群では59%

治療期間は軽症例で2~3ヶ月、中等症で3~6ヶ月、重症例では半年~2年でした。(岩手県河南病院の研究報告)

{参考文献}メディカル・トリビューン 2006.10.12

  

日本では、古来より「湯治」という習慣が根付いていましたので、入浴や飲泉を行うことでの効果は、多くの人が「良いイメージ」を持っているでしょう。
そして、今では、そういったイメージだけではなく、科学的な裏づけも多く報告されるようになりました。
特に、アトピー性皮膚炎の場合、自律神経と内分泌の乱れは大きく関わっており、それらに影響を与えることのできる温泉だからこそ、免疫系の異常状態を正すことに役立っているのでしょう。

また、近いうちに温泉の研究などの文献も、いくつか紹介したいと思います。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

温泉には、水道水の入浴では得られない効果がある。
それが、含有化学成分の作用が相乗効果を与える「非特異的変調作用」と言われるもので、体が何らかの刺激を受けた際に、その刺激から体を元の状態に戻そうと、各機能が活発に動き始める、というものじゃ。
いずれにせよ、温泉で受けた刺激により、体自らの「自然治癒力」によって、元の状態(健康体)へと導かれることを考えると、やはり、大切なことは、そういった「自然治癒力」が最大限に働けるような生活環境が必須だということじゃな。
睡眠や運動、食事と言った毎日の生活習慣はおろそかにならぬよう気をつけたいものじゃ。