シラミに耐性?

東です。

 

 

 

 

 

 

 
今日は、直接アトピー性皮膚炎とは関係ありませんが、考えさせられるニュースを見つけたので、紹介したいと思います。

 
●アタマジラミ再び増加 目の細かい専用くしが効果的
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/infectious/?1269996468

 

人の頭髪に寄生するアタマジラミが最近、再び増えている。特に小学校低学年以下の子供と家族は要注意で、専門家は「家庭はもちろん、保育園や学校の対応が大切」とアドバイス。成虫や幼虫には駆除剤のシャンプーが使われるほか、目の細かい専用のくしなら卵も含めて効果があることが、民間機関の実験で示された。(草下健夫)

 

◆誤解が流行に

 

「アタマジラミでの受診が非常に増えている。例えば保育園で流行(はや)り、兄弟に移って家族や小学校に広がったりしている。幼児は頭をくっつけて遊ぶので、集団発生につながっているようだ」。高野医科クリニック(東京都葛飾区)の畑三恵子院長(皮膚科)は現状をこう分析する。

流行を防ぐには、保育園や幼稚園、学校の対応が肝心だ。1人にシラミがいたら、早急に保護者に「感染者が出たので、家庭で子供の頭を見てください。異変があれば、すぐ皮膚科へ」とのプリントを配り、注意を促すことが望まれる。

畑院長は「意識の高い先生は全員の頭をチェックして皮膚科受診を勧めており、治りが早い。逆に先生によっては不潔が原因だと勘違いし、告知が遅れて広がってしまう」と指摘する。

感染しても通園通学してよいが、「帽子やマフラーの貸し借り、友達の家での宿泊、頭を着けるような遊びは控えさせる。プールの水からシラミが移ることもあり、プールは禁止」。

シラミと似ていても、ヘアーキャストというフケの一種が髪に付いていることもあり、まずは皮膚科で確認すべきだという。1人が感染したら、家族全員の受診が必要。卵の殻があったら治療を終えてよいという見解もあるが、治っていないことがあるという。

治療には駆除剤「スミスリン」のシャンプーやパウダーが成虫や幼虫には有効で、使い方も簡単で広く使われている。ただ、シラミの卵には効果がないのに加え、最近では、駆除剤が効かない「スミスリン抵抗性アタマジラミ」も増えていると指摘されている。

くしで髪をとかし、物理的に駆除する方法もある。効果を高めるため、一般的なくしの場合は目にガーゼをはさみ込んで髪をとかすとよい。「駆除剤に加え、目の細かいくしも併用できれば効果的」と畑院長。

 

◆「卵にも有効」

 

民間調査機関「エフシージー総合研究所」(品川区)がネット通販などで売られているアタマジラミ駆除用のくし2種類を実験し、昨年12月に結果をまとめた。人の頭髪のカツラにのりを吹きつけ、シラミの卵に見立てた砂を接着。くしのうち、「Lice Meister」で100%、「Nit Free」も99・06%除去できたという。

同研究所は「これらの駆除用のくしの目は0・1~0・2ミリ、アタマジラミの卵は0・5ミリ程度で、卵も駆除できる」としている。

 

アトピー性皮膚炎とは、その病態を考えた場合、免疫系のバランス異常から生じる免疫グロブリンE抗体(IgE)が関わる皮膚疾患です。
この免疫系のバランスとは、感染症に関わるTh1(ヘルパーT細胞Ⅰ型)と、アレルギーに関わるTh2(ヘルパーT細胞Ⅱ型)のバランスと言われています。
十年以上前に、アトピー性皮膚炎の治療として、寄生虫を体内に入れる、という方法が考えられたことがありました。
これは、IgEがアレルギー以外に、寄生虫に対応する免疫だと考えられていたからです。
しかし、実際にこの治療が普遍化することはありませんでした。
寄生虫による体への影響もさることながら、IgEそのものの働きも、アレルギーと寄生虫に対するものがイコールではないからだと言われています。
今回のシラミの件も、公衆衛生が整備された日本において、増加していることを知っている人は少なかったでしょう。
少し話は変わりますが、最近、結核が増加の傾向にあることが分かっています。
こういった、「過去の病気」と思われていたシラミや結核が、依然、増加している傾向の中には、やはり生活環境の大きな変化、それも悪い方への変化が何かしら影響しているのかもしれません。

記事中にある、シラミの治療として使用されている駆除剤に、耐性を持つシラミが現れ始めているのも、こういった生活環境の変化の、ほんの一部の現れのように感じます。

地球上で共存する「生命体」は、人間や動物、植物など、「目に見えるもの」ばかりではありません。
もちろん、今の生活環境が「悪い」わけではありませんが、生命体の連鎖の中で、どこかを崩していくことは、どこかに歪をもたらしていることも忘れてはならないのではないでしょうか?

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今回の記事で心配なのは、人間に影響を与える生物が、人間が環境に影響を与えたために、変化していることじゃ。
その変化は、短い期間でみれば、その影響ははっきりとは見えてはこないものじゃが、世代を超える年代を経てみると、結果的に、何か大きな影響をもたらしておった、ということは十分にあり得ることじゃ。
最近は、菌やウィルスの薬剤に対する耐性も、深刻な問題の一つじゃ。
こういった「抑える」方法が良いのか、あるいは「共存を図る」方法が良いのか、難しい部分はあるじゃろうが、次の世代に大きな負債を背負わせないことも、考えていく必要はあるじゃろう。