離乳食の開始と食物アレルギー(2)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
今日は、昨日の続きで、消化・吸収機能の成長度合いと離乳食の開始時期が、どのようにアレルギーに関わっているのかを考えていきたいと思います。

まず、人が、食べ物を消化・吸収するための手順としては、

1.歯で噛んで細かくする
2.唾液を交ぜて柔らかくする
3.胃酸で溶かす
4.腸管内の微生物が、さらに細かく分解
5.腸管壁から栄養素として吸収

などが挙げられます。

この内、2と3の機能は生まれながらに持っている機能です。
特に3に関しては、乳幼児の方が胃酸が強く、成人~老人になるにつれ、胃酸は中性に近づくことが分かっていますので、乳幼児の方が強い機能だと言えるでしょう。
しかし、1と4の機能は、成長とともに育っていく機能です。

例えば、赤ちゃんの歯は、前歯→奥歯→犬歯という順番で生えてきますが、この歯が生える順番も実は意味があると言われています。

前歯は、野菜などを細かくするのに役立ち、奥歯は穀物をすりつぶす歯です。
そして犬歯は肉類などを、引きちぎるためにするどくなっています。

離乳食を考えても分かる通り、最初からいきなり肉類を与えることは通常行いません。
最初は野菜から始めて、その後慣れてきたら穀物類、そして最後が肉類へと発展させていきます。

つまり、実は歯が生え始めてきた時が、一つの離乳食を開始するために体の準備ができた、というサインということです。

しかし、歯の生え始めは、本当に個人差が大きいものです。
まだ、歯が生えていない段階で、離乳食を開始することは、体が消化・吸収するための準備が整っていない場合には、最後の「腸管壁から吸収」される際に、どうしても高分子状態で吸収されることになり、これが、腸管壁の隙間を大きくし、その後、高分子たんぱくの状態での吸収を容易にさせてしまうことで、体内の免疫が、その高分子状態のたんぱく質を異物と認識しやすくなり、アレルゲンへとつながっていくと言われています。

もちろん、成長には個人差がある以上、逆に栄養状態を早く固形のものへと変える必要がある赤ちゃんもいますし、離乳食自体は、そういった消化・吸収機能が未熟な赤ちゃんを助けるべく、ペースト状にして与えるわけです。

しかし、一般的には、成長の度合いに合わせた離乳食を考えた場合、早く始める必要がある赤ちゃんよりも、遅めに始めた方が良い赤ちゃんの方が多く、このことが、アトピー性皮膚炎増加の要因の一つとして考えられることは確かでしょう。

今回の新聞記事にあった「離乳食の早期の開始」というのも、実は、保健婦などの指導により早まってきたこともあり、どちらかというと行政側が行ってきたことです。
できれば、「考えられる」ということだけで済まさずに、もっと綿密な調査を行い、離乳食の開始時期、ということだけでも、これから生まれてくる多くの赤ちゃんが「間違わないよう」な指導を行って欲しいところです。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

赤ちゃんの、消化吸収機能では、歯の他にも、腸管内における常在菌の分布(フローラの形成)という問題も関わっておる。
これが、乳酸菌などの問題につながってくるわけじゃな。
腸管免疫は、体内で行われておる免疫活動の7割を占めておるわけじゃから、その成長が不十分な状態での離乳食の開始は、腸管壁に対する悪影響だけではなく、体内の免疫活動そのものにも影響を与えてしまう可能性がある。
そういった面からも、離乳食の開始時期は、「成長に合わせて行う」ということを意識した方が良いじゃろう。
無論、ここで言う「成長に合わせて」というのは、月齢を指しているのではないからの。
あくまで、「体の機能に合わせて」ということが大切であることを忘れないで欲しい。