アレルギーの研究

東です。

夏東普

 

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の多くは、まだその全貌が明らかにされてはおらず、日々、研究により新たな「事実」が発見されています。
アレルギー疾患とは、喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症、あるいはリウマチ、膠原病など、相当、多くの疾患としての種類が存在しています。
先日、このアレルギー疾患の対策について、法案が提出されました。

 
●アレルギー対策基本法案を提出―公明党
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100521-00000005-cbn-soci

 

公明党は5月21日、「アレルギー疾患対策基本法案」を参院に提出した。同法案は、居住地にかかわらず、患者が等しく医療を受けられるようにすることや、生活の質の維持・向上のための支援を受けられる体制を整備することが基本理念で、国と都道府県が「アレルギー疾患対策推進基本計画」を策定し、基本的施策を定めることによって、対策を総合的かつ計画的に推進するとしている。

法案では、国および地方公共団体が講じる基本的な施策として、医師、看護師など医療従事者の育成や医療機関の整備などによる「アレルギー疾患医療の均てん化の促進」、保健師や管理栄養士などの育成や、患者やその家族に対する相談体制の整備などによる「患者の生活の質の維持・向上」のほか、「重症化の予防の推進」「研究の推進」を挙げている。

基本計画の策定または変更に当たっては、内閣府に「アレルギー疾患対策推進協議会」を設置。首相が患者やその家族、医療従事者などから委員を任命し、意見を聞くとしている。
 
■地域レベルのアレルギー対策が不十分
 
厚生労働省はこれまで、「厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会」が2005年10月にまとめた報告書を基にアレルギー対策を進めてきた。報告書では、5年をめどに対策を見直すことになっている。

法案の策定に当たった同党アレルギー疾患対策プロジェクトチームの江田康幸座長は同日、法案提出後に厚労省内で記者会見し、「この5年間、対策はなかなか進まなかった。特に地域レベルでのアレルギー対策は不十分なままだ」との認識を強調。対策を見直す5年を迎えることをきっかけに提出したこの法案を基に、全国的に対策を進めたいとの考えを示した。

  
今回の法案が成立するのかどうかは不明ですが、こういったアレルギーに対する総合的な研究を法的に定めることは、喜ばしいところです。
願わくば、今回の法案の中にある「患者の生活の質の維持・向上」を目指すあまり、「研究の推進」が病気を治す研究ではなく、症状を緩和させる研究に終始することがないようにして欲しいところです。

現状、アトピー性皮膚炎における「治療の研究」とは、実際には「症状を緩和する研究」であって、「病気を治す研究」と事実上、なっていないことは周知の事実です。
ステロイド剤以外の薬剤の研究も、そのほとんどが免疫抑制効果による、症状緩和が目標であり、アトピー性皮膚炎の治癒は、あくまで自然治癒に頼るのが現状です。
ステロイド剤の長期連用が、IgEの受容体の一つであるガレクチンー3と関係して、直接、IgEそのものを増強させていることが分かったのは、さほど昔のことではありませんが、新たな研究により生み出されたものが抱える問題点は、実際に治療の現場で使用され続けてわかることも多いものです。

日本でも、プロトピック軟膏を使用し始めたころは、元から危険視されていた発ガンの問題は、「安全性」のみが強調され、ふたをされた状態だったのが、ここ2年ほどで、ようやくその実態が明らかにされ始めました。
残念ながら、厚生労働省がプロトピック軟膏を処方する際には患者側に発がんのリスクを伝えるように通達を出したことや、海外においてアトピー性皮膚炎患者でプロトピック軟膏を使用した患者の中に、ガンによる死亡例が報告され始めたことは、ニュースで流されましたが、それが患者側に伝わるような形で問題視されてはおらず、いまだに、そういった事実を知らずに使い続けている患者が多数おられる状況です。

こういったことも、事実上、アトピー性皮膚炎の治療と「称して」行われている以上、患者の安全な治療を受ける権利、ということを考えた中では、今回、法案で提出された「研究の推進」の中に含まれて欲しいところです。

患者側は、アトピー性皮膚炎を抑える治療よりも「治す」治療を望んでいます。
もちろん、QOL(生活の質)の向上に重点を置いている患者の方もおられるでしょう。
しかし、その対価(例えば「QOLの向上」など患者が望むことの対価)として、発がんなど、新たな病気を生みだされることを許容している患者は多くないはずです。
こういった法案が、治療を施す側の「利益」よりも、治療を受ける側の「利益」につながっていくことを望んでいます。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

隣国の韓国では、アトピー性皮膚炎は、ここ数年、大きな社会問題として取り上げられているそうだ。
アトピー性皮膚炎に関する法律も、いくつかあると聞いている。
国全体で、アトピー性皮膚炎に取り組んでいる状況らしいのだが、日本の場合、患者数の多さと比較しても、その治療に対する取り組みは、まだまだだと言わざるを得ない。
患者側の実態を把握せず、治療を行う側の意見を優先して、治療法が定まっているとしか思えない状況だ。
患者側が「望む」治療が施されるようになることを願っている。