腸内のカビの話

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
今日も、角田先生の著書「アレルギーっ子の生活百科(近代出版)」から、腸内のカビの話を紹介したいと思います。

  
●腸内のカビ・病原性細菌の話
「アレルギーっ子の生活百科(角田和彦著・近代出版)」より

  
植物たちはその根を大地にしっかりとくい込ませ、土の中にすむ細菌やカビなどの微生物たちと共生しています。土に含まれる栄養素の一部は微生物たちの働きでさまざまな物質に変えられて根から吸収され植物たちの栄養となります。陸上に生活し、土にとどまることなく動き回れる動物たちは、母なる海や川から離れ土から離れるときに、体内に海と土を取り込みました。海は細胞の内と外の体液に、土はお腹の中、腸内の細菌たちに変わりました。
今、子どもたちのお腹の中は、砂糖づけ、加工食品、合成洗剤、ヒトの消化機能にあわない食品(牛乳など)を過剰に食べることなどによって、腸内に住み着いている正常な細菌やカビのバランスがくずれています。異常に増えたカビや病原性の細菌は毒素をまきちらし、体に備わっている免疫力や抵抗力を落としてしまいます。その結果、病原体の感染やアレルギーを引き起こし、腸の粘膜の働きをマヒさせ、悪循環におちいります。とくに、腸管内にカンジダというカビ(酵母)の仲間が異常に増えて起こす病気をイーストコネクション、慢性カンジダ過敏症といいます。
正常な腸の中では食べ物は消化され小さなかたまりとなって吸収されます。この状態では体に吸収された食べ物は栄養となり、体の中でさまざまな臓器を作る材料となり、エネルギーのもとになります。
ところが、カンジダなどのカビや病原性細菌が異常に増えてしまうと、腸の粘膜は壊され、正常な働きができなくなってしまいます。カンジダは腸の壁にトンネルを掘り、腸粘膜は穴だらけになってしまいます。
壊れた腸の中では消化と吸収がうまくいかず、食べ物は消化されないまま腸粘膜を通り抜け、食物アレルギーを起こしてしまいます。

1994年5~8月に外来を受診したアトピー性皮膚炎患者さん108人の便を培養してみました。一般の市中病院では大便中のすべての菌を調べることは不可能です。そこで、カンジダ・アルビカンスなど酵母の仲間はカンジダ選択培地を使い、病原性大腸菌などは診断用免疫血清を使って検出しました。その結果、アトピー性皮膚炎の患者さんの8割以上からカンジダや腸管病原性細菌がみつかりました。じんましんの患者さんでもアナフィラキシーの患者さんでも同様にカンジダや腸管病原性細菌が検出され、腸内の状態が悪いことが推定できました。
最近の研究では、出産前2~4週間母親に乳酸菌製剤(整腸剤)を服用させ、出産後6か月間赤ちゃんに同剤を服用させると、服用させなかった例では2歳時までにアトピー性皮膚炎が68例中31例49%で発症し、服用させた64例では15例23%しか発症しなかったことが報告されています。正常な腸内細菌を持つことはアレルギー性疾患の発病を抑制している可能性があるわけです。

  

腸管内の免疫は、体全体の免疫活動の7割以上が行われていると言われています。
そのため、腸内の異常な状態は、体の免疫活動にも影響を与え、それがアレルギーなどの原因になっているといわれています。
乳酸菌関係では、諸外国などでも、アトピー性皮膚炎に関するエビデンスが存在する論文もあり、やはり腸内関係と免疫関係疾患の関わりは、大きいと考えられます。
もちろん、腸内関係の改善だけで、アトピー性皮膚炎が改善するとは限りませんが、腸内関係を改善するような食生活に気をつけることは、睡眠や運動、食材の選び方など、生活そのものの行動にも気をつけることに繋がりますので、決して悪いことではありません。

特に、小児関係においては、通常、便の9割を占めるはずのビフィズス菌が、アトピー性皮膚炎の方の場合は少なくなり、9割に近づくようにすると、アトピー性皮膚炎の症状も改善することがある、という国内のエビデンスもありますので、腸内環境には注目してみるのも良いでしょう。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

腸内環境は、多くの疾患に対して関わることから、サプリメントなどもいろいろ出ておるようじゃ。
じゃが、最適な「腸内環境」とは個々人により異なる。
なぜなら、元々の生活環境が異なるからの。
寒い地域、暑い地域でも、温度差や湿度差などで、環境内に存在する微生物そのものの分泌が違うからじゃ。
一つの方策としては良いのじゃが、必ず疾患を抱える人、全員に当てはまるわけではないことも知っておくべきじゃな。