食物アレルギーを食べて治す?(2)

東です。
今日は、昨日の続きです。

 

 

 

 

 

 

 
●食物アレルギー、食べて治す 牛乳や卵、専門医のもとで徐々に摂取
(2010年3月19日 「医療」より)

 
謎多く、療法手探り

この食事療法に取り組む医療機関はほかに横浜市の神奈川県立こども医療センターや岐阜大学病院、大阪府守口市の関西医大滝井病院、国立病院機構福岡病院など。手法は必ずしも同じではない。
こども医療センターでは相模原病院と違い、入院中にアレルギーを抑える薬を使わない。原因食物の増やし方もゆっくりで、入院は3週間程度と長い。治療対象も卵、牛乳に加え、ピーナツと小麦も扱う。センターの栗原和幸アレルギー科長は「将来は各病院の治療法を検討の上、標準的な療法の研究が進められるべきだろう」と話す。
また、同センターは、アナフィラキシーを起こさないような症状の軽い患者も対象にしている。重症患者よりもはるかにゆっくりペースで、医師の指導を受け自宅で原因食物をとる療法だ。計38人のうち16人が平均6.8カ月で治癒した。「本来、人体は食べたものにはアレルギーを起こさない。食べて治す、が広く応用される可能性は大きい」と栗原さん。
食べたものにはアレルギーが起こらない状態を経口免疫寛容と言い、ここ10年、治療で着目されている。
理化学研究所とアレルギー食事療法のメカニズム解明に取り組む独立行政法人産業技術総合研究所の辻典子主任研究員によると近年、経口免疫寛容では、制御性T細胞という炎症を抑えるリンパ球が重要なことが、マウスの実験で分かってきた。
腸粘膜で生まれる制御性T細胞は、アレルギーを起こしやすい免疫グロブリンE型(IgE)の生産を抑える効果が確認されている。例えば、卵に対応した制御性T細胞は、卵を攻撃するタイプのIgEの生産を抑え、卵アレルギーを防ぐ。
ただ、IgEが多くても食物アレルギーにならない人もいるし、食事療法で治癒した患者のIgEも余り減らない。原因食物を食べることで生まれる制御性T細胞が、IgEの活性自体を抑えるなど、未知の機構でアレルギーを抑えている可能性がある。
「制御性T細胞の働きを解明し、治療の向上につなげたい」と辻さんはいう。

  
今回の記事中に出てきた「制御性T細胞」とは、2/27~2/28のブログで書いた「制御性T細胞の話」のことです。
こういった新たな研究とのコラボレーションで、これまでとは違った治療法が模索されていくことは非常に良いことでしょう。
そして同時に、ここで書かれていた制御性T細胞は、免疫である以上、免疫抑制剤であるステロイド剤やプロトピック軟膏の影響を受けやすいことは、容易に推測できることですし、そういった研究も並行して行われることを期待したいところです。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

制御性T細胞について興味のある人は、下記のブログを読んでください。

●制御性T細胞の話(1)
http://blog.atopinavi.com/2010/02/27/

●制御性T細胞の話(2)
http://blog.atopinavi.com/2010/02/28/