医療現場の憂い

月一、ブログを担当している西だ。

 

 

 

 

 

 
先日、あるアレルギー科の医師と話をしていて、医療現場の憂いとべきいうものを聞いた。

その医師は、アトピー性皮膚炎の患者を数多く診ておられるのだが、ステロイド剤に頼らない治療を行っているため、患者の方から受け取れる診療報酬が少なく、病院側からいろいろと言われているとのことだった。
また、アレルギーの検査も、血液検査では正しい数値が測れないからということで、皮膚のスクラッチテストしか行っていない。
スクラッチテストは、血液検査と比べると、保険点数も低く、看護婦の手間も多い。
しかし、皮膚の細胞と結合するIgEの数値は、血液検査は「過去の結果」しか見れないため、手間ひまかかっても、スクラッチテストを行っているのだが、その分、割に合わないということになっているようだ。

本来、患者側にとって、こういった「患者のことを考えた」治療を行っている医師や病院は貴重なはずである。
実際、その病院は、その医師のていねいな診療、治療のおかげで、患者数も多く、地域の評判も上がったそうだ。

しかし、患者数が多い=看護婦の負担も多い、ということで、本来の診療時間を大幅に超えた診療を続けることになり、結果的に病院スタッフもいい顔をしなくなる。
さらに、ステロイド剤も処方しないため、保険点数も低くなり、病院側の収入も減る。

こういった「矛盾」は、他の病院でも話を聞くことが多い。
ある国立病院の医師は、同じようにステロイド剤に頼らない治療を続けた結果、病院側から退職を迫られることになったという話も実際にある。

これは、今の保険制度上の問題もあるのだが、アトピー性皮膚炎を克服していくために必要な生活の改善を行うための「指導」を行うためには、一人あたりの患者から聞き取りの時間も必要で、その結果、患者あたりの「時間効率」は悪くなる。
さらに、薬も出さない、高い保険点数がつく検査も行わない、となると病院側も「経営」していかなければならない以上、いい顔をしなくなるのは仕方のないことかもしれない。

だが、病院側の経営が「健全」になる「治療」とは、必ずしも患者側にとって「利益」があるとは限らない。
実際、過去のステロイド剤が抱えた問題は、そのリスクを省みずに患者側に長期連用させた結果、生み出されたと言っても過言ではない。

治療を受ける側、治療を施す側、いずれもが「健全」になるような体制が望まれる。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

こういった現状は、何もアトピー性皮膚炎に限ったことではないじゃろう。
利益が出る経営を行っている病院側が悪いわけではないのじゃが、患者側の利益を損なってまで行うのでは、本末転倒とも言える。
もちろん、病院も「赤字」が続くのでは、成り立たなくはなる。
じゃが、ある病院では、勤務医の月当たりに獲得した保険点数をグラフ化して、企業の営業会議のような、「成績」を発表して、保険点数の獲得が低い医師に、注意を促している、という話も聞いたことがある。
行政側も、考えて欲しいところじゃ。

コメントをどうぞ