制御性T細胞の話(1)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
先日、理化学研究所が、皮膚免疫炎症抑制のメカニズムを発見したというニュースがありました。
アトピー性皮膚炎にも関わってくる最新情報ですので、その論文を紹介したいと思います。
なお、長い文章ですので、2日間に分けて掲載します。

 

●理化学研究所、制御性T細胞による皮膚免疫炎症抑制のメカニズムを発見

http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=244553&lindID=4
 

皮膚アレルギーの火消しは、炎症患部から大量移動する制御性T細胞

~光で色が変わるカエデマウスを使って皮膚免疫炎症抑制の新メカニズムを発見~

◇ポイント◇ 
 皮膚免疫炎症の部位からリンパ系へ移動する免疫細胞を、カエデマウスで追跡 
 強い免疫抑制活性を持つ制御性T細胞の移動が皮膚炎症を終息へ導く 
 末梢組織とリンパ系の間を移動する免疫細胞の機構解明で、皮膚アレルギー疾患克服へ 

 
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、皮膚免疫炎症が終息するためには、炎症部位からリンパ系に移動する制御性T細胞(※1)が重要であることを発見しました。理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)自己免疫制御研究グループ(金川修身グループディレクター)の戸村道夫上級研究員と京都大学次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点 創薬研究グループの椛島健治リーダーらを中心とする国際共同研究(※2)の成果です。

皮膚アレルギー疾患の克服は社会的課題ですが、その発症・慢性化のメカニズムの全体像は不明のままです。私たちの体を病原菌から守っている免疫系は、皮膚などの末梢組織とリンパ節などを含むリンパ系の間で、多種の免疫細胞が移動してクロストーク(※3)することで成立しています。しかし、正常時や皮膚炎症時に、皮膚からリンパ系に移動する免疫細胞の種類や数、タイミング、役割は、今まで評価系が無く、不明のままでした。

研究グループは、紫色の光を照射すると緑から赤に変色する光変換蛍光タンパク質「カエデ」(※4)をマウスに導入して、「カエデマウス」と名付けた新しい評価系を確立してきました。今回、このカエデマウスを使って、正常時と皮膚炎症時に、皮膚からリンパ系に移動した免疫細胞を追跡した結果、強い免疫抑制活性を持つ活性化した制御性T細胞が皮膚炎症部位からリンパ節に短時間で大量に移動すること、さらに、この移動が皮膚炎症の終息に重要であることを発見しました。

この発見は、制御性T細胞の移動が、皮膚アレルギー疾患の慢性化や免疫応答の質(※5)を決める要因になるという新しい概念を示しています。今後、カエデマウスを利用した研究をさらに進めていくことで、皮膚免疫炎症の疾患、アレルギー疾患の克服に関する重要な知見だけでなく、免疫細胞が全身をどうやって巡りながら免疫系全体を成立させているのか、というメカニズムを解明することができると期待されます。

本研究成果は、米国の科学雑誌『The Journal of Clinical Investigation』(3月1日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(2月22日付け:日本時間2月23日)に掲載されます。

(以下、明日に続く)

 

なかなか難しい内容ですが、簡単言うと、皮膚の炎症が収束する際には、制御性T細胞が関わっていること、そして、その制御性T細胞が炎症を起こしている皮膚から、リンパ節に短時間で大量に移動することが見つかった、ということです。

明日は、今回の研究の方法や背景、そしてその研究の成果について抜粋したいと思います。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今回の論文は、理化学研究所のホームページで、図解、写真入りで詳しく説明がされています。
興味のある人は、全文をご覧ください。

http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/100223/detail.html