温泉入浴とアトピー(2)

今日は、昨日の続きで「なぜ、温泉での入浴が必要なのか?」について見ていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
2.なぜ、温泉での入浴が必要なのか?(前編)

 

入浴とは、多くの人にとっては、ほぼ毎日の生活習慣の一つじゃと思うが、入浴を毎回、温泉で行える状況にある人は少ないじゃろう。
ほとんどの人は、入浴は水道水で行っておるはずじゃ。
じゃが、この入浴の環境は、アトピー性皮膚炎にとって、かなり大きな影響を与えるので注意が必要なんじゃ。

まず、水道水の場合の問題点の一つが「塩素」の問題じゃな。
塩素は、皮膚のタンパク質に影響を及ぼすことが、研究機関の結果で分かっておる。
つまり、水道水を皮膚に触れさせることで、皮膚のたんぱく質に対して影響を与える、つまりバリア機能に影響を及ぼす恐れがある、ということじゃ。
アトピー性皮膚炎の人が入浴を行う場合、代謝の面からある程度の入浴時間を確保する必要があるのじゃが(詳しくは後日)、水道水のお風呂で入浴時間が長くなればなるほど、皮膚のバリア機能はより低下しやすくなってしまう。

もう一つの問題点は、化学物質の問題じゃな。
水道水は汚染された河川の水などを飲用に適した形に「加工」した水じゃ。
その加工する過程、及び汚染された原水のために、どうしても体に対する悪影響を与える恐れがある化学物質が微量、含まれてしまうことになる。
トリハロメタンなどは良く聞く代表的なものの例じゃろう。
こういった化学物質は、微量ではあるが、体に対する影響は皆無ではなく、長時間の入浴を行うアトピー性皮膚炎の人の「湯治」で考えると、望ましい状況ではない、ということじゃ。

最後の問題が、酸化還元電位の問題じゃ。
水道水は、このように加工された水のため、酸化還元電位が高い傾向にある。
酸化還元電位が高い=皮膚を酸化させやすい要因が排除できない、ということでもあり、入浴後の皮膚を乾燥させやすい、ということじゃ。

こういった理由により、水道水は、そのままではアトピー性皮膚炎の人の「湯治」としては、向いておらんと言えよう。

そこで、水道水を「湯治」として利用するためには、浴水としての環境を変える必要がある。
塩素を取り除き、化学物質を取り除き、酸化還元電位を低くするなど、工夫を行わければ、アトピー性皮膚炎の人には適した「浴水」にはならん、ということじゃな。

では、逆に温泉はなぜアトピー性皮膚炎の人の「湯治」として良いのじゃろうか?

少し説明が長くなるので、残りは明日にしたい。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今の皮膚科医の中には、入浴はアトピー性皮膚炎に良くない、という人がいますが、その理由のほとんどが「入浴後の乾燥」の部分と言えます。
この入浴後の乾燥とは、入浴そのものが皮脂をある程度取り除いてしまう部分も関わっていますが、最も大きな要因は、今日、博士が述べた「浴水」の状況に左右されていると言えます。
今、ただ単に水道水で入浴療法を行い、あまり状況が良くない方の場合は、浴水を見直してみましょう。