【Q&A】秋冬の目の周りの症状悪化は?

今日は、22日のブログのコメントにお寄せいただいたご質問にお答えしたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
●Iさんからのご質問

年末年始の過ごし方、大変参考になりました。
睡眠、食事等気をつけようと思いました。

私は秋冬になると、結膜炎や瞼の痒みに悩まされます。
ひどい時は瞼を引っ掻いてしまい、出血してしまいます。
体のバランスが崩れてしまっているのでしょうか・・・

 
Iさん、こんにちは。
さて、いただいたご質問じゃが、どうやら目の周りの症状が中心のようじゃの。
この場合、もっとも注意すべきところは「アレルゲン」じゃと思う。

春のスギ花粉は、世間一般でも有名じゃが、実は、季節特有のアレルゲンは、年柄年中、何かしらがあるんじゃ。
もちろん、それら季節特有のアレルゲンに全て反応する、という人は少なく、特定のアレルゲンに反応することがほとんどなのじゃが、結膜の炎症(痒みは炎症の結果生まれるもの)は、感染症でない限り、空気中に浮遊する何らかのアレルゲンが関わっている可能性が高い。

秋のアレルゲンで代表的なのは「ブタクサ」じゃろうが、その他にも浮遊するアレルゲンは多い。
あまり知られていないようじゃが、ダニがもっとも増えるのは、秋から初冬にかけてじゃ。
これら、「有名」なアレルゲンであれば、RAST(特異的IgEを検査する方法)検査でも、十分に判断は可能じゃが、珍しいアレルゲンに反応しているのであれば、検査の抗体すら用意がないこともあり、判明が困難な場合もある。
また、検査を行う場合は、必ず皮膚のプリックテストで行うようにしたいものじゃ。
以前のブログでも書いたが、血液検査によるRAST検査は、正確なスコアが出にくい。
IgEが肥満細胞と結合して、ヒスタミンを放出、そのヒスタミンが皮膚下において炎症を起こし、その炎症が痒みにつながる、というのが主なアトピー性皮膚炎の痒みの仕組みじゃが、血液検査を行った場合、この肥満細胞と結合したIgEを測定することが出来ん(肥満細胞は血中の細胞ではないため)。
つまり、血液検査で、特異的なアレルゲンに反応するIgEのスコアが低くとも、実は、皮膚下において肥満細胞とすでに結合していたので、血液中にはあふれていなかった、ということもあり得るというわけじゃ。
もちろん、血液検査は無意味、ということではないのじゃが、信頼性が高くないことは知っておいた方が良いじゃろう。
また、病院がアレルゲンを検査する場合、皮膚によるアレルゲンの検査は、手間がかかる割に、保険点数が低い、とうい現状があり、病院側が敬遠していることも多い。
検査を行う際には、事前にその病院で皮膚のプリックテストを行ってくれるかどうか、電話で確認した方が良いじゃろう。

もう一つ、原因として考えられるのは、瞼の皮膚の「乾燥」じゃな。
角質層が乾燥すると、痒みを知覚する痒みの神経線維が角質層内まで伸びてくることが分かっておる。
そこで、掻いてしまうと、炎症が生じ、そこからさらに痒みが生まれ、悪循環が形成されることになる。
特に目の周囲を掻くと、雑菌が目の中に侵入、感染症の結膜炎を引き起こして、さらに連鎖的に痒みが生まれることもあるじゃろう。

主な二つの原因は上記の二つが考えられる。
そこで対策じゃが、次のことに気をつけてみて欲しい。

まずアレルゲンの対策じゃが、皮膚のプリックテストでアレルゲンが特定できれば、その対策を行うのが最も良いが、検査が難しい場合には、まず、花粉症用のゴーグルをしばらく使用してみてはどうかの?

アレルゲンがIgEと結合した場合、肥満細胞だけが結合するわけではない。
血液中のB細胞と結合すると、本来T細胞の指令を受けてB細胞がIgEを放出するはずが、sIgE+B細胞とアレルゲンの結合で、直接、B細胞がIgEを放出してしまうことがわかっておる。
簡単に言うと、アレルゲンがIgEを連鎖的に増強させてしまうことがある、ということじゃ。
そういった観点から見ても、まずは、アレルゲンと物理的に接触を防御することは一つの方法じゃ。
さらに、ゴーグルをすることで症状が落ち着くようであれば、秋~冬に関連する何らかの大気中のアレルゲンが深く関わっている可能性が高くなり、原因の特定にもつながりやすいじゃろう。

そして、瞼の乾燥に対しては、とにかくスキンケアと湿度対策、そして防寒対策が良いじゃろう。
今の季節、環境的な要因からみても、湿度、気温の関係で露出部位の肌は乾燥しやすくなっておる。
しっかりスキンケアを行うことも大切じゃな。

まずは、この二つの対策をとりながら、当然、生活面での何かしら改善が必要な部分があれば、それはそれで行って欲しいと思う。
今の時期を考えると、とにかく気をつけて欲しいのは、睡眠と代謝(運動や入浴)じゃ。
なかなか、悪化要因が多い時期でもあるが、しっかり対策を行えば、十分に状況の改善も難しくはない。
頑張ってほしいと思う。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

一つだけ、言い忘れておったが、今の状況で、瞼の周囲に対するステロイド剤の長期連用は、要注意じゃと思って欲しい。
特に目の周囲を擦って、目の中に入ると、炎症部位自体は抑えることができるが、眼圧を上げることで、緑内障など、眼障害のリスクが生じることになる。
十分注意して欲しい。