親を憎まず、アトピー克服させよう

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎の方は、その痒みと、炎症による皮膚のダメージが大きな悩みです。
中には、その苦しみを、両親に向けてしまうこともあるかもしれません。
今日は、ある方からいただいたお便りを紹介したいと思います。

 
●Eさんからのお便り

 
大田さん、お久しぶりです。

 

(中略)

 

何故私だけがアトピーになってしまったんだろう、家族の中で私ひとりだけがアトピーだ、クラスの友達の中にもアトピーはいない。だから私の辛さなんて誰もわかってくれない。
そしてアトピーの身体に産んだ親を憎んだ。
孤独感に押しつぶされていた。

そもそも病気って何だろう。
そんなもの世の中に存在しなくてもいいじゃないか。
誰にとっても病気は厄介者にすぎない。
生まれた時から先天性の疾患を持っておられる方もいる。
ある日突然難病であることが発見される人もいる。
そんなとき、本人は、そして家族はどんな思いでいるのだろう。

アトピーは命に差し障るほどのものではないにしても、この十字架の重みは私にとって他の重度の病気と何ら変わらぬもののように感じていた。
一生それを背負って生きていくことは苦痛以外の何物でもなかった。

ずっとこんな思いがつきまとっていた。
そして十数年が経過した。
成人になった今もアトピーはある。
でも、変わったことといえば、今は私を理解してくれる妻と子供がいる。
仕事もしている。
それなりに会社からも期待されているし、世の中に役立つことをしている。

気持ちがふっきれたのは妻との出会いでした。
「(肌のことなんて)全然気にしてないよ。あなたのやさしい心に魅かれているから」という妻のひとことに、どうやらいつの間にか人の痛みをわかるようになっていた自分がいることに気づかされました。
十代までは世の中をすべて敵に回すような鋭い牙をむき出しにした野獣でしたが、年齢とともに丸くなっていったようです。

アトピーにはなるべくしてなったのかもしれない。
産まれてこのかた、アトピーになったことで学ぶべき課題を与えられていたのではないか、それを人生の糧として生きていけば、いずれ素晴らしいものが得られるのではないか。
そのためにはまず世の中や相手そして自分を責めてばかりいても始まらない。
世の中を敵に回すのではなく味方につけるというか、周りのあらゆるものごとに思いやりを持つことではないかという考えにたどりつきました。
そして相手の身になって接しそれが直接自分に帰ってくる、そんな仕事に就きたいという思いから福祉の仕事に携わることにしました。
私にとって改心のための大きなきっかけでした。
自分の痛み(痒み)をもってして相手の気持ちを汲んでいく訓練がなされたのだと思います。
もちろん、今では親に対しても、私を産んでくれたことに感謝しています。

 

(以下、略)

 
Eさん、お便りの方、ありがとうございました。

アトピー性皮膚炎は、遺伝的要因が絡む疾患です。
でも、遺伝的要因が「アトピー性皮膚炎」発症の「全て」ではありません。
少なくとも、アトピー性皮膚炎を克服できている大勢の方がいるということは、「遺伝的要因」以外の要因が大きく関わっていることの証ではないでしょうか?
それは、生活内の要因であったり、環境要因であったり、さまざまではあるでしょう。
そして、それらの「発症」させる要因は、解消させることは十分可能だ、ということです。
もっとも、状態が悪ければ、自分の状態が悪い「原因」をどこかに求めたくなるのは分かります。
でも、自分の状態を良くできるのは「自分」でしかありません。
そういった意味においても、自分で「変えていく」、それも前向きな気持ちで行っていくことはとても大切です。

今、辛い状態にいる人も、決してその状態が「エンドレス」ではありませんので、前向きに取り組んでいただければと思います。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

周囲に「理解してくれる」人がいる、ということは、とても大切なことじゃの。
これは、何もアトピー性皮膚炎に限ったことではない。
人とは、基本的に「群れ」を形成して行動する動物といえる。
そういった点では、他人を支え、他人に支えられることで、今の自分が形成されていく、ということでもあるじゃろう。
辛い思いをすることは多いかもしれんが、他人に支えられること(周囲の理解)を実感できれば、また違った「景色」も見えてくるはずじゃ。