アトピーに関するネガティブデータ

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

今月は、すでに一度、ブログを書いているが、先日、某先生を取材させていただいて、ある情報をいただいたので、もう一度、ブログを書きたいと思う。

昨日のあとぴナビのメルマガにも、簡単に掲載したのだが、今月のアメリカのある科学雑誌に、アトピー性皮膚炎の新薬として使用されているプロトピック軟膏の発ガンに関する大規模なエビデンスが掲載されたのだ。

詳しくは、現在、専門家に翻訳を依頼しているので、後日、掲載したいと思うが、要約だけを簡単に述べると、次のことが掲載されている。

 

1.プロトピック軟膏を使用した群(9,645名)、Pimecrolimusという免疫抑制剤を使用した群(16,824名)、いずれも使用していない群(534,299名)で発ガンの状況を調査した

2.T-cell Lymphoma(悪性リンパ腫)の発現に関して、明らかな有意差が見られた

 

という内容だった。
これまで、日本におけるプロトピックの発ガンの問題は、医学界においては、下記のような状況だった。

 

1.発売当初は、安全な薬剤といわれていた
2.その後、発ガンの実例が報告されたが、明らかな因果関係が認められないとされた
3.2008年8月に、厚生労働省が国内での発ガン例を確認したため、処方を行う際には、患者にリスクがあることを伝えるよう通達を出すが、事実上、守られていない

 

特に、3番目の通達については、その後も実際に処方を受けた患者に聞き取り調査を行ったところ、全く守られていないばかりか、危険性を患者が医師に尋ねたところ、発ガンに関しては自然発生と大差なく安全な薬剤だから大丈夫、という説明を受けているいるほどだった。

しかし、今月発表されたアメリカの科学雑誌での論文は、このような現状に対して、くさびを打ち込む内容だと言える。
今回の調査は、プロトピック軟膏の使用患者と、プロトピック軟膏より弱い免疫抑制剤の使用患者、そして、免疫抑制剤を使用していない患者を、それぞれ群に分けて調査したものだ。
さらに、その人数も、プロトピック軟膏の使用者だけで10,000例近い患者数を調べており、その中で、悪性リンパ腫において、発ガンの明らかな有意差が見られたことは、もはや「自然発生」というレベルの話ではない。

この論文は、今月出たばかりの論文だが、「興味深い」のは、果たして日本国内において、このような患者側にとっての「メリットデータ」、そして医療側にとっての「デメリットデータ」が、しっかり報道されるかどうかだろう。
少なくとも、昨年、発ガンのリスクを患者に警告するよう通達を出した厚生労働省は、アメリカの有名な科学雑誌に発表された、この論文の存在は知っているはずだ。
患者側にとって、警告を強めることになるこのデータを黙殺するのか、あるいは公表、衆知させるのか・・・・今しばらく状況の推移を見守りたい。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今回、騒動になっているインフルエンザについては、多くのデータが早い段階で公表されているようじゃ。
その中には、ワクチンなどのネガティブデータも含まれておるのじゃが、患者側の「知る」という権利を考えた場合、素早く情報が表に出ること自体は、良いことだと思う。
もちろん、情報の中には、正しいもの、誤ったもの、怪しいもの、いろいろあるのは確かじゃろう。
じゃが、患者側がリスクを負いかねない情報は、その真偽に関する情報はともかく、そういった情報が存在することだけは、少なくとも患者側に早めに伝達されることを望みたいものじゃ。