IgEの第三の受容体とアトピー(3)

今日は、今回の論文の結果について抜粋したい。

 

 

 

 

 

 
結果の部分だけでも、相当に長いので2回に分けたいと思う。

 

●3回目

ガレクチン-3はアトピー性皮膚炎のマウスモデルにおいてアレルギー性炎症反応の発現に非常に重要である

Jun Saegusa、Daniel K. Hsu、Huan-YuanChen、Lan Yu、Agnes Fermin、Maxwell A.Fung、Fu-Tong Liu

カリフォルニア大学デービス校 皮膚科(サクラメント、カリフォルニア)

 
<結果>

ヒトおよびマウス皮膚におけるガレクチン-3の発現はADでアップレギュレートされている

我々は、ヒトの正常皮膚ではガレクチン-3は大部分が表皮に存在し、細胞質および細胞核に点在していることを観察した28(明褐色に染色。図1, Aa)。対照的に、AD患者の病変部真皮ではガレクチン-3の発現はアップレギュレートされている。また、浸潤したリンパ組織球系細胞に存在し、細胞の一部はリンパ球の特徴的形態を示している(矢印。図1, Ab)。CD4+T細胞は、連続切片の皮膚領域においてガレクチン-3+リンパ球様細胞の近傍に存在した(図1, Ac)。これはガレクチン-3がCD4+T細胞に発現することを示唆する。CD4+T細胞におけるガレクチン-3の局在を証明するため、二重免疫組織化学染色を行った。AD患者の非病変部皮膚ではガレクチン-3非発現CD4+(赤)T細胞の点在が認められた(矢印。図1, Ba)。病変部皮膚では多くの細胞でCD4+(赤)およびガレクチン-3(暗褐色)が染色された。これらの細胞では赤褐色の着色は蛋白の着色を示す(矢印。図1, Bb)。CD4+T細胞におけるガレクチン-3の発現はこの蛋白が活性化CD4+リンパ球に発現していることを示した報告と矛盾しない。29  2~3のCD4+細胞が皮膚疾患をもたないヒトの生検で観察された。AD患者の非病変部でもこれらの細胞にはガレクチン-3の発現は認められなかった(非表示)。
急性ADのマウスモデルでは、経皮的OVA感作BALB/c系統マウスは有意な表皮肥厚、著明な炎症細胞の浸潤を誘発した(図1C)。免疫組織化学的分析によると、PBS感作マウスから採取した皮膚の真皮内に2~3の細胞のみがガレクチン-3を発現していることが示された。(図1Ca)。しかしながら、OVA感作した皮膚部位ではガレクチン-3+(褐色、矢印)を示す染色細胞数の有意な増加が認められた(図1Cb)。ガレクチン-3の発現増加は二重免疫組織化学染色でも認められた(図1D)。ガレクチン-3(赤)、CD4+(緑)の両方が陽性染色された細胞は少なくとも一部黄色に現れた(矢印。図1D)。2~3のCD4+細胞はマウス皮膚のPBS処理した領域で観察され、これらの細胞にはガレクチン-3の発現は認められなかった(非表示)。

gal3-/-マウスでは経皮的感作後に軽度の表皮肥厚(棘細胞症)が認められる

さらにアレルギー炎症を起こした皮膚におけるガレクチン-3の役割を調べるため、gal3-/-マウスとgal3+/+マウスを比較した。経皮的OVA感作はgal3-/-マウスとgal3+/+マウスの両者で有意な表皮肥厚をもたらした。しかし、肥厚の程度はgal3+/+マウスに比べてgal3-/-マウスで有意に低かった(図2A)。

gal3-/-マウスではOVA感作した皮膚部位に好酸球と単核細胞の浸潤が認められる

好酸球の皮膚への浸潤はADの重要な特徴である。好酸球はPBS感作皮膚部位にわずかに検出可能であるが、gal3+/+マウスでは経皮的OVA感作後には劇的に増加した。対照的に、同様に処理したgal3-/-マウスの皮膚部位では好酸球数は有意に低下した(図2B)。さらにgal3-/-マウスでは皮膚単核細胞数の低下が認められた(図2C)。gal3-/-マウスとgal3+/+マウスにおける循環血中の好酸球数と単核細胞数に統計学的有意差はなかった(データ非表示)。

 
簡単に説明すると、

アトピー性皮膚炎の場合、ガレクチン―3(IgEの受容体の一つ)が増加しており、皮膚も肥厚しやすい傾向がみられるということじゃな。
肥厚なども、掻くことに対する皮膚の防衛反応的な要因といわれておったが、IgEとも関係を持っている可能性がある、ということじゃろう。

結果の続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎の場合、血液検査で好酸球が増加することは昔から知られていたが、これも、IgEの受容体であるガレクチン―3が関わっていたことが分かります。
アトピー性皮膚炎を考えていく場合、IgEを単体で考えるのではなく、IgEが結合する細胞と、その細胞の働きにも注目が必要だということでしょう。