リスクと効果を判断する必要

東です。

 

 

 

 

 

 

 
最近、新型インフルエンザのワクチンに対する疑問の記事が増えてきています。
アトピー性皮膚炎の治療に対する医療現場、患者側の現場と割と似ているように思いますので、紹介したいと思います。

 
●半数近く、子供に接種させぬ=3割がワクチン安全性不安-米新型インフル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091120-00000090-jij-int

 

【ワシントン時事】米国で新型インフルエンザのワクチンを子供に接種させるつもりはないと考える保護者が半数近くに上り、約3割がワクチンの安全性に不安を抱いていることが19日、ワシントン・ポスト紙とABCテレビの世論調査で分かった。
 疾病対策センター(CDC)は生後6カ月から24歳までを優先接種の対象とし、食品医薬品局(FDA)はワクチンの安全性を医師に通知しているが、接種への抵抗感が根強いことがうかがえる。
 調査は今月12~15日に約1000人の成人を対象に実施。「接種させるつもりはない」と答えた人は45%で、前回(10月)の調査より6ポイント上昇した。また、「ワクチンの安全性を信用できない」と回答した人は33%で、前回より3ポイント増えた。
 一方、子供に既にワクチンを接種させたと回答した人は14%で、「これから接種させる」としたのは39%だった。 

 
新型インフルエンザのワクチンについては、日本でも摂取を希望する人は10月中旬の段階で約52%で、半数近い人が希望していない現状があります。
その理由の一つは、「ワクチン」に対する認識もあるでしょう。
一般の人は、「ワクチン」を接種することで対象となる疾患に罹らないよう予防できる、というイメージを持っていますが、実際には、感染を防ぐ効果はなく、あるのは感染後の症状の悪化を防ぐ効果しかありません。
もちろん、感染=発病ではありませんので、厳密にいえば、発病する前に、ワクチンにより得られた抗体が十分に免疫力を高めることができれば、自覚症状がほとんどない状態にできる、つまり事実上、発病を免れられる、ということはあるでしょう。
しかし、感染そのものを防ぐことはワクチンはできません。

アトピー性皮膚炎の場合も同じく、ステロイド剤で「アトピー性皮膚炎が治る」というイメージを持った患者は多いのですが、ステロイド剤には、アトピー性皮膚炎により生じた「炎症→痒み」という反応を抑える効果はあっても、アトピー性皮膚炎を直接治す効果はありません。

 
●新型インフルワクチン、英国民の多くが接種拒否=調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091118-00000253-reu-int

 

[ロンドン 18日 ロイター] 英専門誌パルスが医師107人を対象に実施した新型インフルエンザ(H1N1型)に関する調査では、病院を訪れる人の過半数がワクチン接種を拒否していることが分かった。副作用への懸念や、毒性がさほど強くないと考えられているためだという。
 調査によると、英国民の間では新型インフルエンザワクチンの接種に対する抵抗感が広がっており、医師によるワクチン接種の勧めを受け入れた人は平均46%にとどまった。
 特に、妊娠中の女性にワクチン接種を説得するのが難しいという。ノッティンガムの医師Chris Udenze氏は「ワクチンを勧めた妊婦のうち、同意して接種したのは20人に1人程度だった」としている。

 

 

昨年の8月に厚生労働省は、プロトピック軟膏を処方する際に、発ガンのリスクがあることを患者に告げるよう指導していますが、今のところ、事実上、その指導が守られているようには思えません。
もし、その指導が守られていれば、上記の記事にように発ガンのリスクを考えた患者の「抵抗感」は広まり、処方に同意する患者は減ることになるでしょう。

 

●ワクチン17万本、使用中止に=新型インフルで副作用-カナダ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091123-00000012-jij-int

 【ニューヨーク時事】カナダの衛生当局は22日までに、英医薬品大手グラクソ・スミスクラインが製造した新型インフルエンザのワクチン17万回分の使用を中止することを決めた。CTVなどカナダの複数のメディアが伝えた。接種後に通常よりも高い比率で重いアレルギー反応が発生したためで、グラクソ側が、原因を調査するため暫定的に使用を控えるよう当局に要請した。
 報道によると、カナダ中部のマニトバ州で、グラクソ製の一定量のワクチンについて、通常1~2例にとどまる重い副作用が6例発生した。同州の衛生当局は、副作用の具体的な症状を明らかにしていないが、症状はいずれも短時間で治まり、すべての患者が既に回復したという。 

 
この場合、通常1~2例に発生する副作用が約3倍発生しただけで、使用が中断されました。
前述したプロトピック軟膏の発ガンのリスクの説明を処方する医師側が求められるようになったのも、国内で実際に発ガンが疑われる患者が発生したからですが、ここまで慎重な対応が求められないのは、患者のことを考えてのものなのでしょうか?
疑問が残ります。

 

●【日本の議論】あなたは打つ? 打たない? 新型インフルワクチン、副作用の懸念も

http://sankei.jp.msn.com/life/body/091018/bdy0910181801001-n5.htm
(産経新聞 2009年10月18日)

 
国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は「インフルエンザのワクチンは万能ではないし、わずかだが副作用もある。当然、打ちたくない人も出てくるだろう。専門家としてはチャンスがあるなら打った方がよいと勧めるが、強制するものでもない。リスクと効果を知った上で判断してほしい」と話している。

 
これは、まさしくアトピー性皮膚炎の治療の現場にも当てはまるでしょう。
患者もそして医師側も、使用する薬剤の「リスクと効果」を知った上で、判断することが求められているのではないでしょうか?

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今回、新型インフルエンザの記事をネットで検索していると、下記のような記事を見つけました。

 
●パレスチナ 封鎖のガザ 新型インフルエンザの感染者ゼロ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091121-00000034-maip-int
 

記事中にある

「厳しい通行制限がインフルエンザ襲来を阻んでいるとみられ、医療関係者は「封鎖がもたらした恩恵」と、皮肉をこめて分析している。
という部分は、感染の原因を遮断することで発病が防げるという当たり前のことを指しています。
アトピー性皮膚炎も、大元の原因を遮断できるような研究が進んで欲しいところです。