まとまった睡眠をとりたい

大田です。

 

 

 

 

 

 
今日は、睡眠について、書きたいと思います。

アトピー方にとって、睡眠はとても重要な課題です。
実際、スムーズな睡眠がとれないという悩みは数多く寄せられます。

 
●Yさんからのお便り

Yです。
アクアゲインと濃縮温泉で自宅での湯治を行い4ヶ月が経ちました。
肌の状態は幾分回復していますが、どうしても睡眠が取れません。
ある程度ましな状態で眠れるときで3時間程度です。
そのうち再び痒くなったり、眠りが浅いせいか物音などですぐ目が覚めてしまいます。

以前相談した際に、夜中眠れなくても明け方からホルモンが分泌されて、次第に明け方からは眠れることが多いと、聞いたことがあり、確かに、午前中はある程度眠れていました。
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その後安定せず、睡眠のサイクルがぐるっと回ってきて、又朝おきるようになったりしましたが、いつの間にか再び崩れてしまうようです。

最近は、午後の2時前後には起きる様にしていますが、夕方まで寝ていることもあります。
午前中に寝てみたり、昼でも今は眠れるかもしれないから寝てみようとしていたり。
それとも、だらだらと休んでいるのはやめて眠れなければ早めに起きてしまった方がいいのでしょうか。
 起きてもさほどの運動さえしていないのですが、疲れても眠れると言う訳でもありません。
適切な睡眠の取りかたというのはあるのでしょうか?

 

●大田からの返事のメール

That Hamilton Woman Yさんこんにちは。
Yさんはこの4ヶ月の間に離脱症状をクリアしつつあって、最近肌の状態に回復のきざしが現れたようですね。
症状が辛い状態の時は夜間の痒みが特に強く、朝方まで眠れないといったことが起こります。
その様な時期でも、朝になると徐々に痒みが落ち着き始め、朝から昼にかけてはウトウトと眠れる様になるものです。
この事は、体内の副腎皮質ホルモンの分泌が、朝方から日中に多く分泌されるため、痒みを初めとする様々な刺激やストレスが軽減することによると思います。
このように強い症状のでている時期には、夜は眠りにくいものの、日中に、ある程度補える範囲の睡眠を確保できる状態にすることが大切でしょう。

さて、問題はここからです。
Yさんは、夜の時間帯に十分に睡眠をとって、朝から普通に生活を営めるようにしたいということですね。
そのためには、だらだらと休み続けていても、決して規則正しい寝起きのリズムを作ることはできないのは確かです。
ただし、強引に就寝時間と起床時間を決めて、そのリズムで生活しようとしても無理があり、再び睡眠のサイクルがずれてしまうことが予想されます。
運動して身体を疲れさせると眠れるかというと、それ程単純なものでもないようです。
日頃、皆さんから、『疲れているのに眠れない』というお悩みはよくお伺いします。
そこで、多少ずれた時間帯であっても、まずはある程度の睡眠時間を確保し、毎日のリズムがとれるようにしてみましょう。

ところで、運動した後に身体に疲れを感じるのは、乳酸という「疲労物質」が体内に溜まるからで、それが直接睡眠を促すというわけではないようです。
対して脳の働きに関与している神経伝達物質やホルモンが、活動後分解される時には、『睡眠物質』と呼ばれる物が脳内にたまってくるため、眠気を感じるといいます。
もちろん睡眠をとる事で解消し、脳は再び活発に活動できるようになります。

これら脳から分泌されるホルモンのひとつに、メラトニンとよばれるものがあり、脈拍、体温、血圧を調節して自然な眠りを誘う作用があります。
このメラトニンを分泌する松果体という部分は、松果体が網膜で受ける光の量を計り、その情報を元にメラトニンの分泌量を決定するとされています。

つまり、一定量の太陽の光を脳で感知する事が、良質の睡眠を得るための重要な要素になっていることがわかります。
またメラトニンは明るい光を感知してからおよそ15時間たってから分泌される性質があり、分泌されるのはほぼ夕方以降になります。
例えば、23時頃の就寝時間を目指すとして、その15時間前の午前8時頃にゆっくり散歩をするなどして、戸外の光を身体に受けるようにすると効果が得られる可能性が高いことになります。

再びYさんの状況から考えてみましょう。
まず、Yさんの就寝起床を、今の状態の中で無理なく行える時間帯の範囲で実践してみてください。
仮に明け方に眠りについて、正午に目覚めるパターンが取れるのでしたら、起きた時刻に戸外の光を受けてみる方法を試してみてはいかがでしょうか。
その結果、夜間の睡眠物質の産生につながってくると思います。
そして同様の方法で少しずつ睡眠時間を前倒しするようにしましょう。

Schizopolis download 最初は焦らずにじっくりと、ご自身の身体にリズムを馴染ませる意識で行ってみることです。
とにかく無理は禁物。体調をみながら徐々に行うようにしてみてください。

 

睡眠は体内の自律神経と、血圧・脈拍、体温などの相互の兼ね合いの中で、自然な眠りを誘うようになっていて、そのような身体の状況が整っていない場合は、いくら意識して寝ようとしても眠れないことが起きてしまうようです。

Tarzan and His Mate 例えば、夜間眠りの浅い状況が続く中で、目覚まし時計をセットして規則正しく寝起きしてみようとしても無理があり、身体に負担になってしまうことでしょう。

同様に「とにかく身体を動かして疲れれば眠れるようになるだろう」という考え方も、気持ちとしてはよく解ります。
しかし、そもそも身体が疲れることと、眠くなる事が微妙に異なる仕組みで生じているとすると、身体は疲れているのに何故か眠れないということに。

光療法という睡眠障害への治療方法があり、5,000ルクスから10,000ルクスの強めの光を、毎日、一定時間規則的に身体に照射する方法が実際に行われています。
アトピー性皮膚炎の方以外でも、概日(がいじつ)リズム睡眠障害といって日常的な出勤、登校などの社会生活に必要な通常の時刻に寝起きすることができない症状を持つ方々は多く、そのような方々の体内時計を正常化する目的の治療として行われています。

ちなみに室内の蛍光灯下の照度はおよそ500ルクス程度です。
戸外であれば、曇り空でも約10,000ルクスあり、雨天であっても5,000ルクスはあり、比較にならないほどの差があります。
このように必ずしも日光を浴びる必要はなく、曇り空程度でも十分なのです。
すがすがしい朝日を受けながらの散歩ができたら、十分な効果が得られることでしょう。

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睡眠のリズムをとるのに苦労されている方は、ぜひ試されてはいかがでしょうか?

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

これまで何度も書いてきたが、睡眠とアトピーは、相当に重要な関係がある。
これは、内分泌との関係、自律神経との関係など、直接、アトピー性皮膚炎という疾患そのものに関わっておるからじゃ。
とはいえ、アトピー性皮膚炎の方の場合、症状の度合いによっては、睡眠がとりづらい状況になることもある。
なかなか難しいことではあるのじゃが、いろいろと工夫してみることは大切じゃろう。
今日、大田君が書いたように、朝の光を浴びるというのは、多くの人から、良かったという話を聞く方法じゃ。
睡眠は、量(睡眠時間)と質(就寝と起床のリズム)が大切になることを覚えておいて欲しい。