アトピーとIgEとステロイド剤

昨日のおまけで書いたのじゃが、今日は、IgEとステロイド剤の関係について説明したいと思う。

 

 

 

 

 

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少し難しいかもしれんが、重要な話じゃから、頑張って読んで欲しい。

まず、アトピー性皮膚炎に関与する「IgE」じゃが、このIgEは、複数の受容体を持っておることが判明しておる。
その一つが「FсεRⅠ(F1)」と呼ばれる高親和性受容体じゃ。
このF1と呼ばれる受容体は、肥満細胞などにあり、そこでⅠ型のアレルギー反応(即時型)を示すことが分かっておる。
そして、今までのアトピー性皮膚炎に関するIgEの説明は、このF1の受容体を介在した肥満細胞によるものが多かった。

だが、IgEには、この他にも受容体を持っており、その中で「Galectin-3(Gal-3)」(IgE結合タンパク)と呼ばれる受容体が、アトピー性皮膚炎に大きく関与していることが。最近では分かってきた。

このGal-3と呼ばれる受容体はB細胞に存在して、Gal-3を介して、IgEと結合する。
問題なのは、このGal-3を介して結合したIgEが、アレルゲンと反応した場合、さらにIgEを作ることが分かったのじゃ。

The Crimson Kimono film つまり、体内において、IgEを生み出す連鎖的な反応が、このGal-3によって生じておる、ということじゃ。

ところが、Gal-3と結合するのはB細胞すべてではない。

B細胞には、表面にIgEを持つ「sIgE+B細胞」と、表面にIgEを持たない「sIgE-B細胞」の二種類ある。
そして、アトピー性皮膚炎でない人の血液には、「sIgE-B細胞」が圧倒的に多く、アトピー性皮膚炎の人の血液には「sIgE+B細胞」が多く存在することが分かったのじゃ。

このsIgE+B細胞が、Gal-3を介してIgEと結合し、そこにアレルゲンがさらに結合することで、IgE産生を増強することがエビデンスで証明されておる。

では、ここで何が問題かというと、IgEのGal-3と呼ばれる受容体を増加させるのが「IL-4(インターロイキンー4)」にあるということじゃ。
これは、今年のアメリカンジャーナル(アメリカの病理学雑誌)のVol.174の922ページから10ページにわたり論文が発表されておるので、興味のある人は探して読んでみて欲しい(原文は英語のみ)。

そして、ステロイド剤は、免疫抑制効果を持っておるため、IL-4を増加させる。
その結果、IgEを増加させてしまうことになるんじゃ。
(詳しくは、Modern Physician Vol.17 No.2 の213ページから220ページ 「治療のアプローチ アトピー性皮膚炎でのステロイドの使い方」を参照)

今の医師がいうアトピー性皮膚炎におけるアレルギー反応による炎症は、最初に書いた「F1(高親和性受容体)」と肥満細胞、そしてアレルゲンとの結合によるヒスタミンによって引き起こされる、とされておる。
ところが、この即時型と呼ばれるⅠ型の反応は、本来、連鎖性はあまりなく(連続したアレルゲンの摂取がなければ、炎症は自然と治まる)、急性の症状を示すが、慢性的な反応は示さない。
蕁麻疹(じんましん)を想像してもらえば良い。
急性の症状は示すが、原因物質の摂取を避ければ、その後、自然と症状は落ち着いてくる。
ところが、アトピー性皮膚炎は、慢性的な炎症反応を示す病態じゃ。
ここの原因の一つが、Gal-3を介したIgEとsIgE+B細胞による連鎖的なIgEの反応にあった、ということじゃ。

分かりやすくポイントまとめると、

 

1.アレルゲンと結合するIgEは、F1(高親和性受容体)と呼ばれる受容体により、肥満細胞と結合して即時型の反応を示すだけではなく、Gal-3という受容体を介して、sIgE+B細胞との反応により、IgEを増強させていく性質がある
2.アトピー性皮膚炎の人は、血液中のB細胞が、sIgE-B細胞よりも、sIgE+B細胞が多く見られる。
3.健常人は、sIgE-B細胞が多い。
4.sIgE+B細胞は、sIgE-B細胞が変異して作られる。

5.sIgE-B細胞をsIgE+B細胞に変異させる原因の一つがステロイド剤の薬理作用に見られる

 

ということじゃな。
短期のステロイド剤使用は、あまり問題はないが、長期にわたる使用は、このsIgE+B細胞を体内に増加させてしまうことになるため、アトピー性皮膚炎の反応を連鎖的に悪くする=アトピー性皮膚炎そのものを悪化させてしまう、ということじゃ。

今日は、おおよその流れを書いたのじゃが、このことについて詳しくは、IgEの専門の先生に先日、取材させていただいたので、近いうちに、あとぴナビ本誌の特集で紹介したいと思う。

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明日も、今日のIgEに関連した話でRAST法の検査に関する話を書きたいと思う。
血液検査で、アレルゲンは分かるのか?
ぜひ読んで欲しいと思う。

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