【Q&A】アトピーの炎症は火事?

先日、メールで質問をいただいのたで、今日は、その質問にお答えしたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

●Tさんからのご質問

博士、こんにちは。
ブログを楽しみに読ませていただいています。
今日は、質問があります。
僕は幼少の頃からアトピーだったのですが、2年ほど前に、20年近く使っていたステロイドを止めることにしました。
その後、症状は一進一退で、季節の変わり目になると悪くなることを繰り返していました。
今回も秋になってアトピーの症状がひどくなったので、感染症が心配になり、病院に行ったところ、ステロイド剤の治療を勧められました。
その先生曰く、アトピー性皮膚炎の症状がひどいときは、火事が起きているのと同じだから、まずは家事を鎮火させる、つまり炎症を引かせることが大切だから、ということでした。
ただ、僕としては、今まで20年ほど行ってダメだった治療に戻ることは、どうしても抵抗があります。
博士にお聞きしたいのですが、アトピー性皮膚炎で炎症がひどい時は、ステロイド剤でその炎症を一時的にでも抑えることは必要なのでしょうか?
教えてください。

 
Tさん、こんにちは。
質問は、「アトピー性皮膚炎が悪化した状態ではステロイド剤で炎症を抑えるべきなのか?」ということで良いかの?

まず、アトピー性皮膚炎で皮膚科を受診すると、「アトピー性皮膚炎は皮膚に生じた炎症が痒みをもたらしている。その状態は家が火事になった状態と同じだから、まずは火事を消すことが必要」という説明は良く受けるようじゃ。
じゃが、本当にアトピー性皮膚炎の炎症は、すぐさま消化活動が必要な「火事」なのじゃろうか?

昨年、この火事についてブログを書いたことがあるので、まずはそれを読んで欲しい。

●アトピーに必要な消化活動とは?(2008年11月16日)
http://blog.atopinavi.com/2008/11/16/

このとき書いたように、問題は「火元」が何であるか、ということじゃ。

アトピー性皮膚炎を生じさせるアレルギー活動の原因は「皮膚」にあるわけではない。
上記のブログでは、アトピー性皮膚炎の炎症は「炭」に例えたわけじゃが、この「炭」が問題なんじゃ。

Buster film

いくらステロイド剤やプロトピック軟膏を使って、「火」を消しても、火元である「炭」がなくなるわけではない。

したがって、着火(発症要因、悪化要因)するきっかけがあれば、いつでも「火」は再燃することになるんじゃ。

Tさんが感じているように、20年近く、火元である「炭」はそのままにして、「火」だけを消し続けた結果は、そもそもの原因の解決にはなっておらん。
しかも、ステロイド剤という「消火剤」は、強力な反面、身体や皮膚(家)に少しずつ悪影響を与えることになる。

Land of the Lost film

象皮症といわれるような皮膚が固く厚くなったりする症状や、逆に皮膚が薄くなってしまう症状など、さまざま影響を家(皮膚)に与える。
また感染症にも罹りやすくなるし、内服や注射などに移行すれば、体内への影響も避けられんようになる。

アトピー性皮膚炎を生じさせている原因である「炭」の量が僅かであれば、ステロイド剤などの消化活動を行うことも意義はあるじゃろう。
じゃが、長年、アトピー性皮膚炎の状態が続いているのであれば、火元となる「炭」の量も、自然になくなる量ではないと考えられる。
したがって、今、ステロイド剤の治療を行っても、単発の使用で済むことはまず考えられん。
気がつくと、年単位で使用していた、というとの危険性の方が高いじゃろう。

A Merry Little Christmas trailer An Innocent Man hd

もちろん、火の勢いが相当に強い場合、その火を一時的に「消す」治療に意味がないとはいわん。
じゃが、本来は火を消しながら同時に、火元の「炭」を除去する作業も必要なんじゃ。
Saturday Night Live: The Best of Adam Sandler dvd
逆に考えれば、「炭」を除去することができれば、着火するものがなくなるわけじゃから、火も燃え上がらんようになる。

人間の体は、ある程度、この火を消すための力も本来備わっておる。
しかし、火元である「炭」が高く積み上がった状態では、その「火を消す力」が弱まっているため、火が燃え上がりやすくなっておるんじゃ。
この「火を消す力が弱まっている状況」が免疫機能の異常、そして「炭」を高く積み上がらせたのは代謝不足、睡眠不足、栄養のバランス不足、摂取する化学物質の増加などに端を発した生活および生活環境の負荷からくる「自律神経機能」「内分泌機能」の乱れによると言える。

今、Tさんが考えなければならないのは、燃え上がった火を消す作業もさることながら、その火元といえる「炭」をどのように除去していくのか、ということなんじゃ。
もう一つ言えるのは、今、火が燃え上がった状態だとしても、それは「風が吹いて火を燃え上がらせている可能性(感染症など他の要因)」も考えた方が良い。

Communion movie

もし、そうならば、使おうとしている消火剤(ステロイド剤)は、感染症に対しては悪化させてしまう要素を秘めておる分、そのリスクも相応にあるということになる。

皮膚の症状が悪い場合の対処として、消化剤を使用すること自体は、決して間違っている方法とは言えんが、消化剤で消せるのは「火」のみであって、「火元(炭)」を除去できるものではないことを十分承知しておいた方が良いじゃろう。

結論としては、火をどうしても消さざるを得ない状況にある場合(精神的なダメージが強い場合、結婚式など一時的に炎症を抑えたいイベントがある場合など)を除いては、火を消す治療がアトピー性皮膚炎を治す治療にはなっておらんのじゃから、まずは「炭」を除去できるような治療を目指した方が良いということじゃ。

Tさんも今は辛い時期だとは思うが、体は自らが、火を消そうとする力もしっかりもっておる。
その力を育てながら、「炭」を除去するような生活の構築(睡眠、食事、運動、ストレスの解消など)をしっかり行うようにして欲しいと思う。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

アトピー性皮膚炎の症状を、いったん、薬剤で抑えてしまうと、どうしても「治った」と勘違いしやすい。
例えば、代謝不足が原因でアトピー性皮膚炎が現われている場合、運動や入浴などでしっかり代謝をあげ、そのために必要な睡眠や食事に気をつけることが大切なのだが、そのことに目を向けるきっかけを失うことにもなる。
アレルギーとは本来、体の異常状態の初期症状で現れる症状であることを忘れてはならないだろう。