ステロイドでアトピーは治るのか?

大田です。

 

 

 

 

 

 

先日、ある会員の方からご相談をいただきました。

簡単に、その内容を紹介したいと思います。

 
●Aさんからのご相談

幼少の頃からアトピー性皮膚炎で、ずっと病院で薬物の治療を受けていました。
小さい頃、何の薬物を使っていたのかは、両親に聞いても分かりませんが、おそらくステロイド剤だったと思います。
それでも、中学、高校と、良くなったり悪くなったりの日々でした。
成人になって仕事を始めると、良い時期がほとんどなくなり、悪くなる一方でした。
二年ほど前から、近所にある国立大学の大学病院皮膚科で治療を受けていました。
主治医の先生は、「今はステロイド治療も確立され、これを塗ればアトピーは治る」と言われ続けていましたが、一向に症状が良くなる気配はなく、痒みで夜の睡眠もとれなくなって、仕事にも支障をきたし始めました。
ステロイド剤については、使い続けることでのマイナス点も、周囲からは話を聞いていましたが、大学病院の先生が言うことだから、と信じて治療を続けました。
でも、やはり二年間も同じ治療を続けて、少しずつ強い種類のステロイド剤に変わっていくことに不安を覚えたので、先日、他の皮膚科医に受診しました。

でも、結局、治療はステロイド剤でした。
ステロイド剤に対する不安を相談しましたが、医者はもちろん、薬剤の処方を受ける際に、薬剤師にも”こわい薬じゃない”という「説得」をされるばかりでした。

その説明も、納得いくものではなく、専門医が症状を見ながらコントロールして薬剤を使っていくことで、副作用を受けることはない、という説明は、2年間、その治療を受けた私には、とてもそうだとは思えませんでした。

もちろん、あまりに炎症が酷くなったりするようなら、酷いときに薬はやむを得ないと思いますが、ステロイド剤でアトピー性皮膚炎が治るとは、今はとても思えません。

最近まで、医者に言われたとおり、赤くなっている部分すべてにステロイドを塗ったのを、とても後悔しています。
せめて炎症のジクジク部分だけにしておけばよかったのに・・・と泣きそうです。

 
という内容のご相談でした。
Aさんの肌は、かなり厚くなってごわごわで、大きなひび割れも何か所もでき、さらに明らかに感染症と思われる部分も多くありました。

最も大きな問題点は、医師が「ステロイド剤でアトピーは治る」という説明を行っていることです。
もちろん、医師はそのように話しているつもりはなく、あくまでステロイド剤は症状を抑えることを目的とした薬剤である、という説明をしているのかもしれませんが、少なくとも、患者自身が「アトピーが治る」と思っていることが問題です。

ステロイド剤で「治る」のは、皮膚下で生じている「炎症」だけです。
その炎症から生み出されている痒みは、炎症が抑えられれば当然和らぎますが、炎症を引き起こしている「原因」は、ステロイド剤は治せません。
そして、その炎症を引き起こしている原因が「アトピー性皮膚炎」という病気なのです。

風邪を引いて熱が出たとします。
その熱を下げるために解熱剤を使うとしましょう。
当然、解熱剤を使えば熱は下がります。
では、熱が下がれば、風邪は治ったことになるのでしょうか?
もちろんそうではありません。
風邪そのものが治っていない以上、薬の効果がきれれば、再び熱は上がり始めます。

解熱剤は、風邪という「病気」によって引き起こされる熱という「症状」を「一時的に治す」ことはできても、風邪という病気そのものを治すことはできません。

アトピー性皮膚炎の場合も全く同じです。

ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎という「病気」によって引き起こされる、皮膚下における炎症(=痒み)という「症状」を「一時的に治す」ことはできても、アトピー性皮膚炎という病気そのものを治すことはできないのです。

症状を治すことが、結果的に病気そのものを治すことにつながることはありますが、症状を治す=病気を治す、ではありません。
その逆、つまり病気を治す=症状を治す、ということはあります。

風邪でいえば、熱を下げながら、体調管理を良くし、体の抵抗力を上げて、風邪を自らの免疫力で治していく、これが本当でしょう。
アトピー性皮膚炎の場合も、ステロイド剤で炎症、痒みを抑えながら、アトピー性皮膚炎、という病気そのものの治療を行っていかなければなりません。

ステロイド剤が、どのような働きで、体の「何を治せて、何は治せないのか」、医師が「正しく」説明してくれない以上、患者側が情報を求めなければならないのは、何か不自然さを感じ、残念です。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

現在の、皮膚科において行われる「症状」の治療が、誤った方法、ということではない。
じゃが、ステロイド剤は、痒みという症状は抑えても、逆に感染症を悪化させたり、内分泌に影響を与えたり、効果に見合ったリスクも有しておる。
アトピー性皮膚炎が増加している、特に長年、治らずに悩む人が増えているのが何故なのか、ステロイド剤治療で、そのような患者が増加するのが何故止められないのかを、医師側も考えて欲しいところじゃ。