昨日までで、脱保湿の役割と問題点について書いてきた。
今日は、脱保湿を行う場合には、どのようなことに注意すれば良いのかについて述べたいと思う。
3.脱保湿の注意点
昨日、書いたように、アトピー性皮膚炎の痒みの原因を考えた場合に、皮膚の機能的な要因が関わる痒みには、脱保湿が逆効果になることもある。
したがって、脱保湿を行う場合には、次の条件を満たしていることが望ましいと言えよう。
・汗をしっかりかける状況にあること
外部からのスキンケアが皮膚のスキンケア能力を阻害していると考えた場合、自らスキンケアを行う力の基本となるのは「汗」じゃ。
汗腺から出る汗と、汗腺の中にある皮脂腺から出る皮脂が混じり合うことで(乳化)、天然のNMF(保湿因子)である皮脂膜が作られる。
つまり、汗をかける状況になければ、いくら脱保湿を行っても、自らの力でスキンケアを行うことは難しいということじゃ。
したがって、第一の条件として、汗がしっかりかける状況にあることが大切であると言えよう。
なお、汗がどのように大切かはあとぴナビ情報Webの記事を参照してほしい。
●アトピーと汗
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=3
・皮膚の乾燥が著しくないこと
昨日のブログで書いたように、皮膚の乾燥状況、つまり角質層の水分保持能力が低下した状態では、痒みを、角質層内に伸びた神経線維が直接知覚してしまう状況にある。
そういった状況下において脱保湿を継続して行うことは、
乾燥
↓
痒みを知覚
↓
掻いてしまう
↓
掻くことで炎症が生じる
↓
炎症が新たな痒みを生む
↓
さらに掻いてしまう
↓
皮膚のバリア機能が低下する
↓
皮膚の乾燥状況が悪化する
↓
(最初に戻る)
という悪循環を生むことになる。
この乾燥からくる痒みについては、最初の「乾燥」という部分を防ぐだけで、あとの連鎖的な悪循環を元から断てることになる。
「皮脂を作り出す力」とは、体内の働きとしては各酵素の働きと同じで、内分泌における「ネガティブ・フィードバック(依存することで機能が低下する)」のような依存性はあまり強くはないとされておる。
外部からの力に頼っても、自らの力がいつまでも極端に低下した状態にはなりづらい、ということじゃ。
つまり、強い乾燥状況が見られる状況下においては、その後に起きるであろう悪循環は放置しない方が良い、ということが言えるじゃろう。
したがって、第二の条件としては、皮膚の機能的な要因(乾燥からくる痒み)が関わっていないことが大切じゃと言える。
脱ステロイドを行った直後で、滲出液が見られ、肌全体がジュクジュクした状態にあるときには、感染症の部分を除けば、スキンケアを行っても行わなくても、あまり大差はない。
したがって、この状況下において「脱保湿」を行えば、リバウンド状況が落ち着いてくると同時に、肌の状況も改善してくるので、「脱保湿」が有効だったと感じることがあるかもしれん。
しかし、いったん体液の滲出が落ち着くと、多くの場合、肌は乾燥し始める。
中には、赤白く粉を吹いたように毛羽立った肌の状況になることもある。
こういった乾燥が見られはじめたときに、適切なスキンケアを行わないと、今度は「肌の機能的な要因」が関わる痒みの原因を生じかねない。
スキンケアも脱保湿も、TPOが大切、ということじゃ。
汗をしっかりかける状況にあって、さらにアトピー性皮膚炎の原因が免疫的な要因が主な場合(皮膚の機能的な要因が関わっていない場合)には、脱保湿を行っても、大きなリスクを抱える危険性は少ない。
しかし、それらの要因が備わっていない状況で、脱保湿を行うことは、乾燥から招く痒みの悪循環の輪に陥るリスクを抱えていることを承知しておいた方が良いじゃろう。
おまけ★★★★博士のつぶやき
質問いただいた学生さんは、脱保湿に興味を持っておられると思うのじゃが、おそらく脱保湿のメリットは、医師などから十分説明を受けておると思うので、今回は、デメリットの情報を中心に書いてみた。
脱保湿そのものの考え方が、決して間違っているということではないが、多くのアトピー性皮膚炎は、乾燥による皮膚の機能的な要因が多かれ少なかれ関わりやすくなっているので、十分な注意を持って行って欲しいと思う。










本当にありがとうございます!とても助かります。浅知恵で脱保湿をするところでした。博士の助言を参考に今後頑張っていきたいです!
「脱保湿」について色々調べましたが、こちらではすごく丁寧に説明されていたので、少し質問させてください。
「乾燥による肌の機能的要因」というところがなかなか理解できなかったんですが、肉類を食べないといった食事や十分な睡眠などの管理ができてることが前提で、肌が‘痒くなければ’「脱保湿」をしても意味があるということでしょうか??
以下個人的な状況についてですが、現在受験を前に 1ヶ月半前から額、頬にアトピーが出てき、薄く赤くなったり褐色になったりするところがあり、ザラザラが治まりません。(数年前 大学受験を機に1年間アトピーが出たことがありましたが その時とは少し状態が違うようです。
脂がでやすくニキビケアのためここ2年以上ガッツリ手厚い保湿をしてきたからなのも一因なのかなと思っています。今は保湿しなければ余分に脂がでるどころかカサカサします。
このような状況でも 痒みが全くなければ 脱保湿も有用なのでしょうか?
ここ数日は 脱保湿・とくにガサガサアトピーがでているとこは保湿を1日ごとにしています。
長くなってしまい申し訳ありませんが どうかご指導お願いします。
「質問です」さん、こんにちは。
ご質問いただいた件については、明日(7/5)、スタッフの方が、ブログにて回答させていただきます。
よろしくお願いいたします。