子どもの成長とアトピー

大田です。

 

 

 

 

 
親子でアトピー性皮膚炎を患っている場合、いろいろな行動に対して、どうしても制限がかかったり、あるいは外の目が気になったりすることは多いと思います。
もちろんこれは、アトピー性皮膚炎に対する社会的な理解が、まだ十分でないことも関係していますが、同時に、患者側が必要以上に気にしているケースも見受けます。

先日、アトピー性皮膚炎のため、親子で温泉湯治を行っているAさんと、お会いしてご相談をお受けする機会がありました。

娘さんよりも母親であるAさんの方が、アトピーの症状がきついため、なかなか一緒に外出したり遊んであげることが出来ないでいました。
いまだに娘さんを抱っこしたり、おんぶしたりすることが、炎症部位に触れることで、辛い状況だったそうです。
そして、この春、Aさんは、自分の身体を休めたり入浴の時間を確保することと、家の中でひとり遊びしかすることのない娘さんのストレス解消のために、娘さんを保育園に入園させることにしました。
娘さんも、まだ肘の内側や足などに症状が見られるため、朝のスキンケアにはたっぷり時間をかけて送り出しているそうです。

そして、通園が始まって約半月が経ちました。
果たして娘さんの反応はというと、Aさんの心配をよそに、毎日楽しくて仕方がないようです。
「なぜ迎えにくるの?もっと遅くに来てよ」
「なぜ土日は保育園に行ってはいけないの?」
と、Aさんに詰め寄ってくるほどだそうです。

Aさんは、
「ああ、満たしてあげられなかったものをようやく娘に与えることができたのかな」
と感じたそうです。
なぜなら、こんなに長い時間、家の外で遊ぶことを生まれてこのかた経験させていなかったからです。

「うちの娘って、こんなに社交性があったんですね」
「内弁慶だとばかり思っていました」
「こんな新たな発見がようやく出来たのも、今までずっと娘を外部との接触から遮断してしまっていたのが原因なんですね」
と、Aさんはおっしゃっていました。

Aさんは、これまで、良くなってからお友達と遊ばせようと考えていたそうですが、「そういう考えは、親の都合だったんですね」と考え方を改めたそうです。
娘さんが、ママよりお友達を優先する姿には、ちょっと寂しさも感じたそうですが、それ以上の安心感を得ることができたそうです。
「環境の変化から、娘さんが精神面でも強くなっていくこの姿が、回復の後押しとなってくれればと期待しています」とAさんは話されていました。

アトピー性皮膚炎のお子さんを持つ親御さんで、Aさんのように「良くなってから○○をさせたい」と考えている方は、結構おられると思います。

でも、他の親の目や、わが子の症状など気にせずにどんどん同世代のお子さんたちと触れ合う機会を作ってあげて下さい。
きっと嬉しい新たな発見があるはずです。
そして、それをどんどん褒めてあげましょう。
そのことを入浴しながらお話してあげると、湯治そのものも充実してくるはずです。

「楽しい」と子どもが思うことは、何よりの治癒力アップにつながります。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき


子どもは、同年代の子どもたちと接触することで、学ぶことはたくさんあるんじゃ。
そういった「学び」は、健やかな心身の成長には欠かせない要素でもある。
症状が良くない時には、どうしても、いろいろな行動に制限をかけてしまうこともあるかもしれんが、皮膚のケアに十分注意しながら、「普通の子ども」と同じ生活を送らせてあげることは、結果的に、アトピー性皮膚炎そのものに対しても、間違いなく良い影響を与えることじゃろう。