ステロイド治療は正しいのか?(前)

今日は、情報誌あとぴナビの昨年10月号で行った「読者アンケート」の中からいただいた意見を元にブログを書いてみたいと思う。

 

 

 

 

 
◆いただいたご意見(要約)

あとぴナビは、ステロイド剤を否定しているばかりのように感じます。
しかし、今の現代医学はステロイド剤を否定していません。
何か矛盾しているような気がするのですが・・・

 
その通り。
今のアトピー性皮膚炎に対する医者の治療(現代医学といってもよいじゃろう)は、ステロイド剤やプロトピック軟膏などの、抗炎症剤による治療が中心となっておる。
実際、日本皮膚科学会がアトピー性皮膚炎の治療の指針として示している「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」にも、ステロイド剤やプロトピック軟膏などの薬剤治療を中心とする旨の内容が書かれておる。

では、なぜあとぴナビでは、ステロイド剤の治療に対して「警鐘」をならしているのか?

それは、ステロイド剤の治療が果たす役割と目的、そして体への影響について、患者側が知りたい情報を、治療する側が積極的に伝えていないからなんじゃ。

今の現代医学はステロイド剤の治療を勧めておる。
したがって、医者で治療を受ける以上、黙っていてもほとんどの場合でステロイド剤に対しては「肯定」の情報しか患者には与えられん。
つまり、ステロイド剤はアトピー性皮膚炎の治療に必要な薬剤であること、副作用は専門医の指導の元、使用することで避けれることの説明については受けることができる。
じゃが、それは「ステロイド剤」の治療を行うことの正当性を患者側に認識させるために行われる場合がほとんどじゃ。

その説明を受けた患者は、たいがい、次のような認識でいる。

 

1.アトピー性皮膚炎はステロイド剤で治療することが大切
2.副作用を受けずに、使用することが可能

 

医者が行う前向きな説明の度が過ぎていた場合には、次のような認識を受けることもあるじゃろう。

 

1.ステロイド剤はアトピー性皮膚炎を直接治す薬である
2.使用方法を間違えない限り、副作用はない

 

ブログの読者の方は、これらの説明のどこが間違っているか、分かるかの?
ちなみに、上下二つの認識の説明が両方とも「誤った認識」なんじゃ。
長くなるので、答えは明日じゃ。
皆も一日、よく考えてみて欲しい。

 

おまけ★★★★西のつぶやき

医師は、患者のことを考えて医療を施している。
一部の心無い医師を除いて、ほとんどの医師がそう思ってるのは確かだろう。
しかし、医師が「医業」として続けていくためには、収支を合わさなければならない。
そして、今の医療システムでは、「医療保険」が通常の疾患では関わってくるが、基本的に「医療保険」の対象は「薬剤」だ。
アトピー性皮膚炎に対しても同じで、「薬剤」を処方しない限り、一人の患者から得られる医師の報酬は少なくなる。
無論、最近では薬の処方は病院ではなく、近所の薬局が行う分業になってはいるが、処方箋を書くだけで点数が入るし、診療の際に行う投薬や(薬を塗る行為も含む)注射、検査などは、直接、病院の収益に関わることになる。
最近、アトピー性皮膚炎の治療を行う医師に話を聞くと、「生活面のアドバイスはしっかり行いたいし、管理もしたい。でも、アドバイスは時間がかかる割りに点数にならない」という意見を良く聞く。
アトピー性皮膚炎という病気の本質を研究し、その対策を行うための特別班のようなものが、医療を管轄する行政機関に欲しいと思う。