掻かないことと痒みの関係

ブログの読者のみんなは、花見は行ったかの?
桜並木がきれいな季節になれば、気分もすっかり春になる。
服装も、いつまでも冬の服装では、汗ばみ方も違うので、季節に合わせて変えるように心がけて欲しいものじゃ。

 

 

 

 

 

 

さて、アトピー性皮膚炎の方の最も大きな悩みは、「痒み」にある。
先日、東くんがブログで書いておったが、皮膚は身体全体で一つの臓器じゃから、炎症や乾燥をきっかけに生じた痒みは、掻いている内に、どんどん強くなったり、その他の場所に広がったりする。
これは、多くの人が経験しとることじゃろう。

そして、掻いたことで、皮膚のバリア機能が崩れ、その部分が感染症に罹ることで、よけいに症状が連鎖的に悪化していくのじゃ。

ステロイド剤を中断した際に見られる「リバウンド」の症状は、ステロイド剤を処方する医師は、「それまで抑えていた痒み(炎症)を、ステロイド剤を使わないと抑えられなくなるため、症状がひどくなる。つまりアトピー性皮膚炎が悪化したということ」という説明をしておった。

これは、ある意味正しく、ある意味間違っておるといえよう。

まず、ステロイド剤を使わなくなったため、抑えていた炎症が抑えきれなくなり、炎症が悪化した状態になる、これは正しい部分じゃ。
しかし、炎症が悪化した状態=アトピー性皮膚炎が悪化した状態、ということではない。
もちろん、その要素を含んではおるのじゃが、イコールではないということじゃ。
さらに、ステロイド剤は、免疫抑制剤でもあるため、掻き壊した状態、つまりバリア機能を失った皮膚が感染症にかかると、感染症そのものは悪化させてしまうんじゃ。
これが、間違っておる部分じゃな。

今日、書きたいのはステロイド剤のことではないから、このリバウンドについて詳しくは、後日、書いてみたいと思うが、いずれにしろ、掻き壊したことが、アトピー性皮膚炎の症状は悪化させる可能性があることは確かじゃ。

(アトピー性皮膚炎の症状、つまり炎症の悪化=アトピー性皮膚炎という病気そのものの悪化でないことは理解して欲しい)

もし、アトピー性皮膚炎の人が、一切、掻かなくなったら、皮膚はどうなるのじゃろうか?
皮膚下における炎症は発生しても、皮膚そのものがダメージを受けるわけではないから、見た目は、普通と変わらない状態になるんじゃ。

以前、重症のアトピー性皮膚炎の人が、交通事故に遇ってしまい、一週間ほど意識を失った状態で、ICUで治療を受けたそうじゃ。
すると、特に皮膚の治療は行わなかったにも関わらず、重症化していたアトピー性皮膚炎の皮膚症状は、意識を取り戻したときには、消えていたそうじゃ。
皮膚を掻かなかったことが最も大きな原因ということじゃろう。
ただ、残念なことに、意識を取り戻したあとしばらくすると、元の皮膚症状に戻ってしまったそうじゃが、これも、意識を取り戻して、掻く、という行為を再び始めたことによるものじゃ。

ここまで書くと、じゃあ、アトピー性皮膚炎の人は、痒みを我慢した方が良いのでは、ということになるのじゃが、それは全く別の話じゃ。
痛みはある程度、我慢することは可能といわれておるが、痒みは軽い痒みでも我慢することは難しい皮膚感覚なのじゃ。
ステロイド剤を処方する医師が、掻かなければ皮膚のダメージはなくなるから、まず痒みをなくしましょう、といってステロイド剤で痒みを抑えても、意味がないことは、わかるじゃろう?

さっきの交通事故に遇った人の話も同じく、皮膚症状が良かったのは意識を失っていた段階だけで、元の状態に戻ってしまったわけじゃから、「掻かない」努力よりも、「痒みを作らない」ための生活環境や体作りの方が、大切、ということじゃ。

とはいえ、痒みの中には、乾燥からくるものがあったりするのじゃから、物理的な対処で可能な対策は、状況を見ながら行うことは大切じゃろうの。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

最後に書いた、物理的な対処は、皮膚の機能に問題がある場合に限り、根本的な面では有効と考えて欲しい。
もし、体の内部、つまり免疫機能に原因があって痒みが生じている場合は、その原因の解消を行う必要があるのは当然じゃからの。