経由ではなく「直接」で

大田です。

 

 

 

 

 
前回のブログで、「親離れ、子離れ」について書きましたが、いろいろメールをもらいました。
その中に「子どものアトピーは、親が面倒を見るしかないから、親がいちいち口出すのは当然じゃないのか?」というものがありました。

そう、子どものアトピー性皮膚炎の治療に親が口を出すのは当たり前ですし、それ自体が悪いことではありません。
ただ、アトピー性皮膚炎を治していくのは、誰なのか、ということに家族が気付いて欲しいということです。

昔、小学校2年生のアトピーのお子さんを持つ母親から相談の電話がありました。
電話口のそばに本人がいて、こちらからの質問に対して母親を経由して答えが返ってきます。
「どこが一番痒いのですか?」
同じ内容が、電話の向こうで繰り返されます。
「ひざの裏」
という本人の答えに、お母様がまた復唱します。
やりとりはすべて筒抜けで聞こえているのですが・・・

そして、状態のご相談から気持ちなどの部分にお話は進みます。
「じゃあ、A君と直接お話ししてみましょう」
というふうに誘ってみましたが、恥ずかしいとかでなかなか本人は受話器を持ってはくれません。
このまどろっこしい相談方法は、かれこれ1年ほど続きました。

先週、そのA君から、私に直接電話がありました。

あっ!
正直、A君から電話があるとは思っていなかったので、とても嬉しく思いました。
そしてまずは、かけてきてくれた勇気を褒めてあげました。
すると、A君が電話をかけてきた目的を話してくれたのです。

「今日、お風呂入りたくないんですけど…」

そう、自分の気持ちを自分の言葉で伝えることが大切です。
この気持ちを大切にしてあげたいと思います。
自ら相談するということは、治りたい、良くなりたいの気持ちがようやく大きく膨らんできたのですから。

ちなみに、A君がお風呂に入りたくない理由は、どうやら母親がお風呂になかなか入らないでいると厳しく怒ることが、原因のようでした。

それがストレスになっていたことを、私に訴えたかったのです。

もちろん、電話口の横では母親が聞いている状況下での話ですし、A君は、母親の悪口を言っているのではありません。
でも、この内容は、母親との電話だけでは、私に伝えられることは難しかったでしょう。

最初に書いたように、アトピー性皮膚炎を治していくのは誰なのか?
そう、それは「本人」なのです。
母親ではないのです。

とかく大人の方であっても、親を経由して質問をなさる場合があります。
商品のご注文すら、親任せにされる方もいます。
それだけで決して自分で治そうとする自覚が足りないとは判断できませんが、「経由」ではなく「直接」であるほうが、気持もひきしまり、「克服」という姿勢にブレを生じることは少なくなるはずです。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき


小学生の低学年が、自ら意思表示すること、というのはなかなか難しいことじゃろう。
しかし、自ら意思表示できたとき、自分でできていなかったことに気づくきっかけになることもあるんじゃ。
親が子どもの全てがわかってる、と思い、それを口に出せば、子どもは、親は何にも分かっていない、と思うこともあるじゃろう。
親にできること、子どもにできること、それぞれが果たせる行動は違うのじゃから、最もよい行動を選んで欲しいの。