アトピーと社会生活のリハビリ(下)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

アトピー性皮膚炎は、骨折した際の治療と似ている部分がある。

足を複雑骨折して入院した人が、ギブスが取れて、すぐに歩けるじゃろうか?
否、歩くためのリハビリを要するのが普通じゃ。
そのリハビリが辛い場合、おろそかになれば、歩けるようになるまでの時間は遠ざかることになる。
歩けるようになるために、リハビリを行うことが必要じゃ。
辛くなくなってからリハビリを行おう、というのは本末転倒じゃ。

アトピー性皮膚炎の場合も同じく、アトピー性皮膚炎を治していくための要素として、規則正しい日常生活、という点がある。
アトピー性皮膚炎が治ったら、規則正しい生活を行おう、というのではダメなのじゃ。
アトピー性皮膚炎を治すために、規則正しい生活を行わなければならんのじゃ。

もちろん、軽症のアトピー性皮膚炎の方は、治ってから生活の構築を考えるのでも十分かもしれん。
単純骨折で、比較的早く、ギブスが取れる場合と同じじゃ。

しかし、重症のアトピー性皮膚炎の方の場合は、社会生活を営むことこそが、アトピー性皮膚炎の治療になることも、覚えておいて欲しい。
当然、夜も眠れない状況下において、昼型の生活を構築することは困難だとは思う。
じゃが、治ってから昼型の生活を構築するよりも、治すために昼型の生活を構築しようという姿勢がないと、早期の回復が望みにくいのも確かなのじゃ。

これは、うつ病の場合も、似た部分はある。
ある程度まで回復した後は、緩やかにでも、社会生活復帰のリハビリを行う方が、その後の回復が早まることがあるそうじゃ。
アトピー性皮膚炎の場合も、症状がピークに悪い時は、治療に専念する必要はあるが、ある程度の段階からは、「社会生活のリハビリ」を行う方が、かえって症状が早く良くなることが多い。

ここで、昨日から言っておる社会復帰を支援するための必要性、という問題が出てくるのじゃ。

患者自身の社会生活支援、という目的だけではなく、アトピー性皮膚炎そのものの治療にもつなげていくための社会生活支援を、考えなければならない時代が来ていると思うんじゃ。

今の、アトピー性皮膚炎の治療体制を考えた場合、薬物治療に実質的に依存している状況は、楽観できるものではない。
10年後、それらの薬物治療に依存した患者の中から、一定割合で重症患者が「生まれる」危険性は、そんなに低いリスクとは言えないはずじゃ。

それらの患者に対する社会適応を、どのように促していくのか、できれば行政が今から本腰を入れて取り組んでくれれば、今、行われている治療そのものにも、大きな変化が見られるはずなのじゃが・・・

うつ病が認識されはじめた当初から、今のうつ病に対する治療体制が取られていたら、その予防に対する周知も、今以上にしっかり定着させることができておったはずじゃ。

10年後に行えわれるであろうアトピー性皮膚炎の患者のための「対策」を、今から行って欲しいものじゃ。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

あとぴナビでは、今、NPO法人を設立しようと準備中じゃ。
その目的の一つには、この「アトピー性皮膚炎患者の社会生活の支援」というのも含まれておる。
もちろん、行政にも協力を仰がなければ実現は難しいのはわかっておる。
じゃが、今後、深刻化していく恐れのあるアトピー性皮膚炎患者の実態を考えた場合、前向きに取り組んでいきたいものじゃ。