| 2008 年 11 月 16 日 博士 |
今日は、昨日の続きじゃ。
病院で「アトピー性皮膚炎は、火事と同じだから、まずは火事(炎症)を消すこと(ステロイド剤などで)が大切」というような説明を受けたことがある人は多いと思う。
果たしてこれは正しいのじゃろうか?
そこで、昨日のアナフィラキシーを例にとって、説明したい。
まず、炎症を火事に例えた場合、同じ炎症でも「燃えているものが違う」ということじゃ。
では、どのように違うのかと言うと、次のようなイメージで考えると分かりやすいじゃろう。
◆アナフィラキシーの場合
アナフィラキシーは、急性の炎症で、燃えているものは「ガソリン」と考えると良いじゃろう。
ガソリンは、火の勢いも強いので、消すのも大変、ということじゃ。
しかし、ガソリンが全部燃えてしまえば、その後は、燃えるものもなくなるので、何度も繰り返し火事になることはない。
原因となった「ガソリン」=「原因物質」を再び摂取すれば、「ガソリン」は火もつきやすい危険物質なので、再度、アナフィラキシー症状を引き起こすことはあるが、原因物質を摂取しなければ、再発の危険はないといえる。
◆蕁麻疹の場合
蕁麻疹は、同じ急性の炎症でも、燃えているものは「薪」と捉えると良い。
薪は、ガソリンほど火の勢いは強くないから、ショック症状のようなひどい症状に陥ることは少ない。
また、ガソリンと同じように、薪自体が燃えてなくなってしまえば、あとは「灰」が残るだけじゃから、再び燃え上がることもない。
◆アトピー性皮膚炎の場合
では、アトピー性皮膚炎は何にたとえられるかと言うと「炭」をイメージするとわかりやすいじゃろう。
炭は、火が高く燃え上がるわけではない。
つまりショック症状を引き起こすようなことはないといえるんじゃ。
しかし、炭に水をかけて消しても、炭自体は残っておる。
あるいは、完全に消火できずに火種が残ることもあるじゃろう。
燃やすための「火」、つまりアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすきっかけがあれば、いつでも炭は燃える、つまり炎症が再発することになるのじゃ。
このように、アナフィラキシーや蕁麻疹とアトピー性皮膚炎は、同じアレルギー疾患なのじゃが、その原因や病態は全く異なるといえるのじゃ。
毎日の生活の中で、いろいろな負荷がかかると、「炭」が作られる。
この「炭」は少しずつ積み重なっていく。
そして、何かのきっかけで火がつくと、炭が燃えることになる。
つまり「炎症」が現れるわけじゃ。
その燃えている炭(炎症)を、消化剤(ステロイド剤など)で消すとしよう。
しかし、ステロイド剤(消化剤)では、炎症(炭)を抑える(消火する)ことはできても、炭そのものをなくすことはできん。
炭に着火させている原因(発症要因)が残ったまま、炭の火を消しても、炭自体が残ってしまい、さらに着火させる原因も残っているのでは、再び炭が燃えることになる。
ステロイド剤で、いくら炎症だけ抑えても、炎症を引き起こしている原因そのものを解決しなければ意味がないというのは、このことなのじゃ。
さらに、繰り返し消化剤(ステロイド剤など)を使っているのでは、炭が燃えて影響を与えている場所(皮膚など)に、少しずつ消化剤の悪影響が蓄積することになる。
これが、ステロイド剤の副作用ということじゃ。
では、どうすれば良いのか?
答えは、「炭を除去」する行為が必要なのじゃ。
その行為とは、炭を作り出した要因、つまり身体のさまざまな機能の低下(内分泌や自律神経、そしてその影響を受ける免疫機能)を引き起こした原因、つまり、毎日の生活習慣や生活環境を良いものに変えていくことが必要、ということじゃ。
炭がわずかな段階であれば、炭も燃えきってしまえば灰になるのじゃから、ステロイド剤のような消化剤を使うことは有効じゃろうし、消火したあとで、再燃することもないじゃろう。
ステロイド剤などの薬剤で治った、という人はこのパターンと言えるじゃろう。
しかし、今、なかなか治らないアトピー性皮膚炎の人は、高く積み上げられた炭が燃えているのじゃ。
さらに、炭を作り出している原因(日常生活内の要因)を改善しなければ、どんどん炭は積み重なっていく。
このように、アトピー性皮膚炎に必要な消火活動とは、「消火剤」で火を消すことではなく、燃えている炭と、その下に埋もれてこれから燃えようとしている炭を除去することこそが、求められている消火活動といえよう。
おまけ★★★★博士のつぶやき
ちなみに、消化剤で火を消すことは、全く無意味ということではないので、誤解せんで欲しい。
炭も火力が強く炎が上がることもある。
その状況が強ければ、「炎」を消化剤(ステロイド剤など)で消す作業も必要なことがあるじゃろうし、風が強く吹いて(感染症のとき)火力を高めているときには、風を遮断すること(感染症の治療)も必要じゃ。
しかし、あくまで積み上がった炭は、火だけ消しても、いつでも着火するきっかけ(発症要因)があれば、再び燃え上がることになることを忘れないで欲しいと思う。





