2008 年 11 月 のアーカイブ

2008 年 11 月 30 日 博士

おとついの「脱保湿」のことで、ブログを見た人から「スキンケアを行い続けることは、肌が頼ってしまって、いつまでもスキンケアが必要になるのでは?」という質問をいただいた。

 

確かに、皮脂膜という天然のスキンケアは、自分の体の力じゃ。
したがって、それを外部に頼りきっているのでは、いつまでも自らの力が育たないのでは?と考える人もおるじゃろう。

じゃが、おとついのブログで書いたように、肌の状態が「保水する力」「保護する力」を、それぞれ空気の乾燥や掻き壊しなど、外的な要因で失っているときには、放置して自らの力が育つのを待っているのでは、外的な要因が強い場合には、肌の悪化する速度の方が早いといえる。

例えば、保水する力が弱まっている肌であれば、その保水する力をスキンケアで助けてあげることは、骨折して歩けない人の「松葉杖」のようなものと考えてもらっても良い。
つまり、肌が自らの力を取り戻すまでの間のリハビリを助けるために行う、ということじゃな。

内分泌機能に見られるネガティブフィードバック(ステロイド剤を長期連用すると、副腎皮質ホルモンを自ら作り出す力が抑えられる働き)とは異なり、外的な環境が整うことで、その後、スキンケアという「補助」がいらなくなる人は実際に多いんじゃ。

そしてもう一つ大事なことを書いておきたい。
それが「汗」じゃ。

皮脂膜は、汗と皮脂が乳化することで作られるのじゃが、自らスキンケアを行う機能を肌が回復させるためには、「しっかり汗をかく」ということが、実は大切なことなのじゃ。

実際に、入浴療法を行っているアトピー性皮膚炎の方の場合、回復のきっかけを実感できるのは「汗をしっかりかくようになったとき」と感じる人が多い。
これは、汗をかくことで、代謝機能が促進されることと同時に、肌の機能の回復にも役立っているからといえよう。

汗をしっかりかくことで、汗腺と同じ場所にある皮脂腺も刺激され、皮脂の分泌が促進される。
それが、肌の保護機能を高めることで、外的な要因からの防御を自ら行うことができるようになって、肌への刺激をより緩和させることにつながっておるのじゃろう。

これから寒い季節になると、空気が乾燥するのと同時に、汗もかきにくくなる。
そういった時期こそ、毎日の生活習慣といえる入浴を上手く利用して、「汗をしっかりかく」ということに気を配ってみて欲しいと思う。

なお、かいた汗は放置することで「痒み」を誘発することもあるから、適切な汗の対処は忘れずにの。

 
おまけ★★★★北のつぶやき

汗をかくって、アトピー性皮膚炎にとって本当に大切なことなんですよね。
アトピーと汗の関係は、医療ナビの中にも特集があるから、興味のある人は見てください!

 

◆アトピーと汗
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=3

2008 年 11 月 29 日 相談スタッフ:南さん

こんにちは。南です。


今日は、ある方から情報誌のあとぴナビの「アトピーインフォメーション」のコーナーへいただいたお便りをご紹介したいと思います。

 

 

◆Fさんからのお便り

あとぴナビ編集部の皆様、こんにちは。
はじめて投稿させていただきます。

(中略)

私自身はアトピーをほぼ克服することができたと自覚しています。

年齢よりも10歳以上若く見られるお肌を取り戻したことに喜びをかみしめて過しています。
そんな私の肌をみて、友達からどんな化粧品を使っているのかよく聞かれます。
今まで高価で肌に良いといわれた化粧品は全て試すものの肌にあわず、最終的にたどりついたのがあとぴナビ通販のスキンケア商品でした。
ひとつずつ恐る恐る使ってみると、どれも私の肌にスーッと馴染んでくれるのです。

それよりも何よりも、温泉湯治のお蔭であることを友達に伝えるのですが、ピンとこないらしく、スキンケア商品も化粧品ではないと言うと、怪訝そうな顔をするだけです。
それ以上説明するつもりはありませんが、みんなも自宅温泉湯治を通じて生活習慣を見直していけば、私のような肌を取り戻せるのにと思いながら、アトピーではない友達よりもつやのある自分の肌がいとおしくてならない日々でした。

こんな健康肌を取り戻すことのできた矢先です。
立て続けに家庭内に変化が起こりました。

母親が認知症になり、家でつきっきりで、介護をせざるを得なくなりました。
そして父親が肺がんで入院し、病院と家を行き来する生活となりました。

皮肉なものです。
気持ちの整理をするゆとりもなく、毎日精一杯対処するしかなくなりました。
でも、これまで私のアトピー治療に奔走し、苦労してくれた両親に対する恩返しをするときが到来したのだと思います。

努めて明るく過すようにしています。
家庭事情を知らない友人などからは「お肌もきれいになって、お幸せそうね」といわれている位です。

新たな試練です。
幸いなことに、試練が訪れても、お肌は不思議なくらい悪化することがありません。
これまでも、精神的なストレスが、お肌に影響を及ぼすことは、体感して学んできたことなのですが、今は、何事も前向きにとらえて突き進むしかないという気持ちが勝っているのかもしれません。

皆さんも、これからの人生でいろいろな試練が待ち受けていることと思います。
アトピー克服が人生の試練の全てととらえてしまっては、そこで終わってしまいます。
健康体を取り戻せば、次にやってくる試練も、不思議なくらい素直に受け入れることができます。
1日でも早く、アトピーを克服する気構えで毎日を大切に過しましょう。
お互い負けないように頑張りましょう。

 

Fさんの言葉のように、人生にはいろいろな試練があります。
しかし、一つの試練を乗り越えられた経験は、次の試練に対しても、その気構えは必ず役立つことでしょう。
これまで精神的なストレスが症状に影響を与えていたのに、今回は、特に症状が悪くなることがない、ということも、ストレスに前向きに立ち向かっているからに違いありません。
現在、アトピー性皮膚炎克服を試練とされている方も、必ず乗り越えられる日がきますので、頑張ってくださいね。

 
おまけ★★★★南のつぶやき

今回いただいた投稿は、情報誌あとぴナビのコーナーでは、文字数が多くて載せきれないため、私のブログで紹介させていただきました。
また、アトピー性皮膚炎の方に対する励ましのメッセージもいただいて、すごく嬉しいです。
Fさん、ありがとうございました!

2008 年 11 月 28 日 博士

今日は、読者からいただいたメールのご質問に答えたいと思う。

 

 

 

◆40歳・女性の方からのご質問

子どものころからのアトピーで、毎年、冬になると乾燥でひどくなります。今までは近所の皮膚科に通っていたのですが、最近、知人から紹介されて、病院を変えました。そこで、アトピーの人は、肌の保湿力を弱めるから、スキンケアは行わない方が良いと言われました。その方が、早く肌の状態が良くなる、ということなのです。これから、乾燥する季節を迎えますが、スキンケアはせずに我慢した方が良いのでしょうか?

しばらく前に、脱保湿という方法が話題になったことがある。
文字通り、保湿を行わない方法じゃ。

人間の皮膚は、皮脂膜で覆われることで、守られておる。
この皮脂膜は、汗腺から出る汗と、皮脂腺から出る皮脂が乳化することで作られる、いわゆる天然のスキンケアじゃ。
この皮脂膜を作り出す体の力は、外部からのスキンケアを行うことで、それに頼ってしまい、弱まるから良くない、ということから、スキンケアを行わずに自らの力を高めるようにするという「脱保湿」という方法が、使われていたのじゃ。

保湿する力を、自らの体に求めること自体は一理あるし、間違ってはおらん。
しかし、この脱保湿という方法は、「アトピー性皮膚炎」という病気そのものに効くわけではない。

まず、アトピー性皮膚炎にはいろいろなタイプがある。
乾燥するタイプ、ジュクジュクした炎症をもたらすタイプ、両方が入り混じっていたり、交互に繰り返したりと、その時々の環境や体調にも左右されることが多い。

また、痒みを知覚する神経繊維は、角質層の水分が失われることで、表皮内に侵入する。
皮膚の乾燥を放置することで、直接、皮膚が痒みの刺激を感じるようになることもあるのじゃ。
詳しくは、医療ナビのコーナーで特集記事があるのでそれを見て欲しい。

◆かゆみのメカニズムとアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=2

肌の乾燥も少なく、体の免疫系だけが、アトピー性皮膚炎の主な原因として関わっている人であれば、この「脱保湿」が有効な場合もあるじゃろう。
しかし、肌の水分不足が生じている人の場合、自らの体がしっかり、その状況を改善できるような保湿の力が育つのを待っている間に、乾燥からくる痒みの神経線維が伸びてくることで、皮膚自体が刺激に敏感になって、掻き壊しの状況は改善されにくいことになる。

さらに、スキンケアには、単に水分を保持する、という目的だけではなく、弱った肌のバリア機能を強化させる目的もあるのじゃ。

実は、体の免疫系が主なアトピー性皮膚炎の人でも、痒みが強く、掻き壊しがひどい場合には、肌のバリア機能も喪失している状況のため、そこから水分保持が出来なくなることもあるのじゃ。

したがって、掻き壊しが繰り返し続いている人はバリア機能を強化するためのスキンケアを、肌の乾燥が激しい人は肌の水分保持を行うためのスキンケアを行うことが必要になる。

もし、自ら保湿する力が育つまで待ってる間に、皮膚がダメージを受けて保湿する力、保護する力が弱まってしまえば本末転倒ともいえる。
特に、これから空気が乾燥する季節を迎えて、外的な要因が肌の状況を悪化させる可能性がある時期に、スキンケアを行わないということは、痒みがあっても肌のダメージがなく、さらに運よく自らの保湿する力が強くなるという状況を待つしかない。
じゃが、毎年、冬に乾燥しやすいということは、角質層のセラミド脂質が不足しているなど、肌の機能的な原因も関わっている可能性が高いから、そのセラミド脂質の不足状況も「待つ」だけで改善することは、ほぼ無理な話といえよう。

今は、脱保湿という方法が、あまり聞かれなくなったのも、その方法が有効になる対象の人が限られているためであって、「脱保湿」=「アトピー性皮膚炎の改善」とはならんのじゃ。

スキンケアとは、文字通り「ケア」であるのじゃから、必要に応じて適切なケアを肌に行うことは、痒みの神経繊維に関わる水分保持の部分、そして掻き壊しが見られる肌のバリア機能の維持・強化という面で大切なことといえるじゃろう。

ちなみにスキンケアは、上で書いたようにお肌の状態に合わせて必要なことではあるのじゃが、同時に、肌に非自己、すなわち見方によっては「異物」をつけることでもあるので、その内容には十分な注意は必要といえるじゃろう。
保護が必要な肌に水分保持を目的としたスキンケアを行っても浸みて痛むだけ、ということもあるし、逆に水分が必要な肌に保護を目的としたスキンケアを行っても水分が保持されるわけではない。
肌の状態に合わせたスキンケアの種類を選ぶことが大切、ということじゃな。
同時に、成分も十分、注意すべきじゃ。
合成の着色料や香料などは、見た目や臭いはいいかもしれんが、肌にとっては刺激の成分でしかないし、天然でも刺激の強い成分は良くないこともあるので、合わせて注意して欲しい。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

以前、小児科の先生を取材したときに、脱保湿のことが話題に出たのですが、その先生がおっしゃっておられたのは、
「スキンケアが肌に異物を与えるので良くないということであれば、もし徹底した脱保湿を行うのであれば、衣類さえ否定することになるよ」
ということでした。
また、「肌には適合と耐性という二つの力もあるわけだから、必要に応じた「ケア」は、そのケアに依存するというデメリットが仮にあるとしても、もっと大きなメリットがある」
ということもお話されていました。
少し極論の部分はあるのかもしれませんが、なるほど、という部分は多かったですね。

2008 年 11 月 27 日 相談スタッフ:南さん

こんにちは。南です。


今日は、先日相談に来られた女性の方のお話をしたいと思います。

 

 

Oさん(23歳)は、入浴療法でアトピー性皮膚炎が、かなり改善したたため、今年の春に仕事を始めました。
しかし、夏に調子を崩し、一旦休養をとりました。
その後、症状が安定したので、職場に復帰したのですが、すぐに悪化。
結局仕事はやめることになりました。
 
Oさんは、アトピーで仕事も続けることができず、「もうだめかもしれない」と、かなり悲観的になっていたそうです。

そんな時、昔、入浴療法を紹介してくれたAさんと会いました。
そしてAさんから、
「アトピーを理由にして何事も慎重になりすぎたり、逃げたりしないで、とにかく楽しいこと、やりたいことをやってみたら?
毎日を楽しみで組み立てると自然と体は元気になると思うよ」
と、元気付けられたそうです。

Oさんにとって、このAさんの言葉は、頭ではわかっていたけれども、なかなか一歩を踏み出せなかったことでもありました。
しかし、今、状態は辛いけど、何かをやってみようと思い立ち、母を連れて1時間ドライブして海を見に行ったそうです。

こうして、今までアトピーがあるから・・・と避けてきたことを実行して気付いたことは、やってみると気持ちがいいということでした。
 
そのことがきっかけで、辛いときは、新しいことややりたいことに挑戦しようという気持ちになったそうです。

そして、Oさんが、まず取り組んだのが「笑うこと」
鏡を見ると、アトピーの症状があるため億劫になっていて、気付くといつも無表情な自分がいて、いやで仕方がなかったそうです。
まずは表情を変えなければと思い、ある日、口角を上げ、歯を見せるように無理やり笑顔を作ってみることを続けてみました。
そうしたところ、たった一日だけれども、明らかに顔つきが変わったことに驚いたそうです。
長い間、笑うこともなく、顔の筋肉をほとんど使っていなかっことに気づきました。

それから毎日、笑顔を絶やさないように心掛けたそうです。
現在、3週間くらい続いているそうですが、顔つきが変わったことだけではなく、他にも変化がありました。

・しつこく出ていた首からのジュクジュクも治まった
・体は楽になった
・いろんなことに興味を持てるようになった
・友達からの誘いにも躊躇することがなくなった
・とにかく毎日がわくわくする
・治っていくかもしれないという希望が持てるようになった

など、自分に現れた変化を、本当に晴れやかに話されていました。
 
今まで、アトピーがあることで、自分で勝手に限界を作ってしまい、行動できなかったことも多かったのですが、これからはいろんなことをやっていきたいとのことでした。

ちょっとした気づきから、ちょっとした行動から、体は変化してくるものです。
皆さんも、自分ができるちょっとしたことを、始めてみませんか?

 
おまけ★★★★北のつぶやき

笑いとアトピー性皮膚炎の関係を取材させていただいたことがあるんですけど、実際、笑うことでアレルギー反応が減る、というエビデンスがあります。
興味のある方は、あとぴナビWebに特集記事が掲載されていますので、見てくださいね。

◆笑いと音楽、そしてKissがアトピーを救う
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=19

笑いだけではなく、Kissもアレルギー症状を良くするって、ハッピーな気持ちって大切なんですね!

2008 年 11 月 26 日 博士

前回までで、アトピーの発症要因、悪化要因について述べてきたのじゃが、これからは、アトピー克服の条件とは何か、について述べていきたいと思う。


その前に今日は、「病気と症状の違い」について書きたい。
アトピー克服の条件は、主に「生活」に関わることになるのじゃが、なぜ、そのような条件が必要なのかを理解するために、必要なことだからじゃ。

 

まず、「アトピー性皮膚炎という病気とは、どのような病気か?」と聞くと、ほとんどの人は「皮膚に痒みを生じる病気」と答える。
もちろん、これ自体は間違ってはおらん。
しかし、この答えは、同じように「風邪とはどのような病気か?」という問いに対して「熱が出て、鼻水や咳、倦怠感などを伴う病気」と答えるのと同じじゃ。

本来「風邪とはどのような病気か?」という問いに対しては「風邪のウィルスに感染した病気」という方が正しい捉え方じゃ。
熱や鼻水、咳などは、風邪によってもたらせられた体の「症状」を指しておる。

意外と、この病気と症状の違いを理解していない人は多い。

最初に書いた「皮膚に痒みが生じる」という部分は、アトピー性皮膚炎の「病気」を指しておるのではなく「症状」を指しているんじゃ。

なぜ、この「病気」と「症状」の違いが大切になってくるのかと言うと、アトピー克服の条件とは、文字通り「アトピー性皮膚炎を克服するための条件」なのじゃから、「症状」の対策を立てるのではなく、「病気」の対策を立てなければならないからじゃ。

もちろん、「症状」に対する対策を行う必要がない、ということではない。
しかし、「症状」の対策だけではダメだ、ということなんじゃ。

今の病院の治療はどうだろうか?
そう、薬剤で痒みを抑えることを主眼においた治療を行っておる。
これは、「症状」の対策にはなっても、アトピー性皮膚炎という「病気」の対策にはなっておらん。
本来なら、仮に薬剤で「症状」の対策を行うのであれば、同時に何らかの「病気」に対する対策も行わなければならんのじゃ。
「症状」の対策は行えても「病気」に対する対策が行えていないからこそ、病院の薬剤治療で難治化する患者が増えてきているといえよう。

風邪を引いて熱があるとき、解熱剤で熱を下げても、風邪が治るわけではない。
腰痛で痛みがあるとき、鎮痛剤で痛みをとっても腰痛そのものが治るわけではない。
同じように、アトピー性皮膚炎で痒みを薬剤で抑えても、アトピー性皮膚炎そのものは治っているわけではないということじゃ。

では、アトピー性皮膚炎とはどのような「病気」じゃろうか?

簡単に言うと「IgEが媒介する免疫疾患である」ということと「皮膚が乾燥しやすい状況にある皮膚疾患である」という二つの要因が混じり合った「病気」といえよう。

したがって、「アトピー克服の条件」とは、この二つの要因を取り除くための「条件」といえるのじゃ。

次回は、まず「IgEが媒介する免疫疾患」という要因を克服するために必要な条件から見ていきたいと思う。

 

おまけ★★★★博士のつぶやき

「IgEが媒介する免疫疾患」というと、アレルギーに詳しい人ならばⅠ型のアレルギーを思い浮かべるかもしれん。
じゃが、アトピー性皮膚炎の場合は、Ⅰ型のアレルギー(即時型反応)を示す人よりも、そうでない人の方が多い。
これは、IgEで免疫反応を起こす受容体には、大きく分けて3つの種類が関わっておるからじゃ。
少し前のブログでも簡単に書いたのじゃが、Ⅰ型のアレルギー反応は、その3つのIgEの受容体の反応の一つに過ぎず、アトピー性皮膚炎の場合、その他の2つの受容体の方が大きく関わっとる。
特に、IgE結合蛋白(Calection-3)という受容体は、IgEによる免疫反応がTリンパ球を介さずにIgEを産生するという特徴があり、これが、アトピー性皮膚炎の免疫炎症反応を絶えず起こさせておる悪循環の一つになっておる。
少し難しい話じゃから、いずれ詳しく述べてみたいと思う。

2008 年 11 月 25 日 記者:西

あとぴナビ記者の西だ。


先日、新潟大学の安保徹教授を取材させていただいた。
安保先生は、免疫の研究をされている世界的な医学者だが、今回は冷えと入浴についていろいろお聞きした。
その記事は来年、あとぴナビに掲載される予定なので、興味のある人はぜひ読んで欲しいと思う。

その取材が終わってから、雑談している中で、出た話を今日は書きたいと思う。

安保先生は、かなり以前の皮膚科学会のシンポジウムで、「ステロイド剤の副作用」について基調講演をされた。
当時、アトピー性皮膚炎治療にステロイド剤を使用することは、当たり前とされていた時期だったが、副作用の問題が少しずつ話題にもなっていた時期だった。
当時の皮膚科学会の会長からは、講演後、「大変、興味深い講演で、聴衆の先生方も普段、あまり気づいていないことだったので勉強になりました。ありがとうございました」とお礼を言われたそうだ。
ところが、当時、皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療に携わる教授たちが、ステロイド剤に対する患者の不安を一掃すべく「アトピー性皮膚炎治療のガイドライン」を作成しているところだったため、標準治療として掲げようとしていた「ステロイド剤の使用」に対して問題点を指摘されたその講演自体に対して反発をし、その後、有形無形の圧力が安保先生にあったそうだ。

実は、同じような経験はあとぴナビにもある。

数年前に、自宅温泉湯治を行う日本オムバスではイギリスのオックスフォード大学とアトピー性皮膚炎に関する共同研究を行っていた。
そして、偶然にも、ちょうど日本アレルギー学会のシンポジウムで、その研究を行っていたH教授がメインスピーカーとしてゲストで招かれた。
学会のレセプションが行われる前日には、九州HRCに宿泊され、日本オムバスとの共同研究の結果について、医学的な裏づけに基づいた発表を行うとの報告も受けていた。
そしてH教授は、実際に、学会の前日に行われたレセプションの場で、「明日の講演では、日本オムバスとのアトピー性皮膚炎に関する有意義な研究成果を発表しますので、お楽しみに」ということを話されたのだ。

ところが、ちょうどその頃は、日本皮膚科学会が、アトピー性皮膚炎に対するステロイド剤の治療を定着させようと躍起になっていた頃で、「アトピー性皮膚炎民間療法不適切委員会」なるものを金沢大学に設置、ステロイド剤の治療に対する警鐘を行う民間療法を一掃しようとしていたのだ。

そんな折に、アレルギーでは世界的な権威であるH教授が、日本アレルギー学会の講演で、アトピー性皮膚炎に対する民間療法との研究成果を発表されたのでは、民間療法のバッシングを行っていた皮膚科学会の立場がないということで、某教授の仲立ちにより、H教授にその共同研究の成果を発表しないように依頼をしたのだ。

実際、レセプションの場で、H教授が日本オムバスとの共同研究の成果を発表することを話された際には、一部の医師たち(教授?)が、騒然としたそうである。

もちろんH教授は、ゲストとして日本アレルギー学会に招かれいる立場だ。
しかも共同研究というアカデミックな内容の発表に対して、政治的な配慮から、発表しないよう要請されるということは、あってはならないことだ。
当然、H教授は、激怒された。
しかし、H教授を招聘された先生の「顔」もあったため、H教授は渋々、その要請を受け入れざるを得なくなった。

このようにまでして、ステロイド剤をアトピー性皮膚炎の標準治療として定着させようと、学会側が目論んできた結果はどうだろうか?

今では、ステロイド剤に副作用があること、長期連用により多大なリスクが生じることに異を唱える医師、教授は、ほとんどいなくなった。
もちろん、今でもガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の標準治療はステロイド剤で行うことと明記しているが、「ステロイド剤は副作用がない安全な薬だ」「リバウンドは、ステロイド剤の副作用ではなくアトピー性皮膚炎の悪化に過ぎない」という20年前の説明は、「専門の医師に治療を受ければ副作用の心配なく使える」と数年前にトーンダウン、今では、「ステロイド剤はリバウンドなどの副作用が現れることがある」ということを認めるようになった。

おそらく、ここ数年の間に、アトピー性皮膚炎のガイドラインは大きく改定されるだろう。
その中では、たぶんステロイド剤、プロトピック軟膏、ネオーラル(新たにアトピー性皮膚炎に対して適用を受けた免疫抑制剤)などの使用が明記されるのだろう。

では、さらに十年後のガイドラインはどうなっているのだろうか?

免疫抑制系の薬剤は、アトピー性皮膚炎を「治す」薬剤ではない。
何度もブログ内で書かれているように、アトピー性皮膚炎の症状を「抑える」薬剤なのだ。

いつも書いていることだが、患者は「アトピー性皮膚炎を治すこと」を望んでいることを、アトピー性皮膚炎治療に携わる医師、研究者は忘れないで欲しい。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

研究者の多くは「エビデンスがない方法は認められない」と話す。
エビデンスとは、科学的根拠に基づく実証のことを指しているのだが、実は、ステロイド剤がアトピー性皮膚炎を治す、というエビデンスもないのだ。
エビデンスを重視する医師たちが、エビデンスがない治療法を行っていることに疑問を抱くのは私だけだろうか・・・?

2008 年 11 月 24 日 編集スタッフ:北さん

編集の北です。

先日、「あとぴナビ」の編集会議に、九州HRC(九州ホスメックリカバリーセンター)で、利用される方に料理を提供している佐藤料理長がいらっしゃいました。
佐藤料理長は、元ボクシングの選手でとてもハンサム。
実は、ご自身もオムバスの自宅温泉湯治で、アトピーを克服した経験を持っていて、安全な料理に目覚めたそうです。
料理のことを語り始めたら、もう止まらない・・・そんな方です。

今回は、いくつかの薬草を持ってきて、編集スタッフにお話をしてくれました。

今、佐藤料理長が興味を持っているのは、薬草の力。
自然に自生する多くの野草には、体に有効な成分をもった植物がたくさんあるそうです。

試飲させていただいたのは「ヨモギのジュース」
ヨモギの葉を、細かくすりつぶしたものを、豊泉水に溶かして飲みます。
佐藤料理長は、今でもボクシングや筋トレを続けていますが、このジュースを飲み始めてから、疲労感がまったく残らなくなったそうです!

飲んでみると、ほのかに甘くて、爽やかなヨモギの香り。
とってもおいしい!
スタッフにも大好評。

もう一つ持ってこられたのが「アカソのふりかけ」
アカソは、赤麻と書くイラクサの仲間。
ほうれん草のビタミンC、ミネラルの約10倍含まれており、健胃、整腸の効果が期待できる薬草だそうです。
もちろん、安全な山間部で採取した、佐藤料理長の手作り。

試食してみると、ほのかに草の香りがするやさしい味わい。
市販されているふりかけとは全然違います。
どんな料理にも合いそう。
現在、九州HRCではさまざまな料理に活用し、薬膳料理としてお客様に提供しているそうです。

 

これは、実際に、九州HRCで出されているアカソをふりかけた「薬膳チャーハン」です!

 

 

暑さや寒さに負けずに、たくましく生きている野草だから、きっと自然のパワーに溢れているはず。
九州HRCに宿泊したら、ぜひ味わってみてくださいね!

 
おまけ★★★★北のつぶやき

あとぴナビの12月号には、九州HRCで湯治をしている方の姿や、周囲の名所、温泉湯治についてなどを綴った「ほすめ通信」が、新たに同封されます。
その中で、今回書いた佐藤料理長の「アカソのふりかけ」なども詳しく紹介していますので、12月号が手元に届いたら、ぜひ見てくださいね。
「ほすめ通信」は隔月で、情報誌あとぴナビに同封される予定です!

2008 年 11 月 23 日 相談スタッフ:南さん

こんにちは。南です。


今日は、最近、ある50代の女性(Aさん)からいただいた、最近のできごとを綴ったお手紙をご紹介したいと思います。

 

◆Aさんからのお手紙

最近、ご無沙汰しております。
紅葉の鮮やかな季節を迎えていますが、南さんもお元気ですか?

(中略)

さて、私は今、朝の散歩を日課にしています。
家から近所の神社まで行き、境内で軽いストレッチをおこなって、ゆっくりと帰路につきます。
そんな散歩コースにお気に入りのスポットがあります。
とある高校では、毎週2回、正門から左右の歩道を約30人位の生徒が、ひとりひとり10メートル間隔くらいで箒を持って清掃をしています。
駅に向う通勤、通学経路ですので、タバコの吸殻、菓子類の包装紙、そして街路樹の落ち葉などがいつのまにか歩道や路肩にたまっています。
それらを黙々と集めてきれいにしています。

私は隣接する小さな公園のベンチに腰掛けて、何気なく彼らの清掃活動を見物しています。
その高校は共学校なのですが、なぜか男子生徒ばかりでおこなっていて、女子生徒はひとりきりで‘ちりとり’を担当しています。
当番ではない生徒達が登校してくる中での早めの時間帯~1時間目始業前までの約30分間くらいでしょうか。
終了と共にすごすごと学校内へ姿を消していきます。

いまどきの男子生徒たちでかっこいい子もいます(イケメン探しも楽しみの一つです)。
一度も箒なんて持ったことのないような感じの子達ばかりで、ごみの集め方の要領の悪さ、同じところを何度もはいている進展の無さは、みているこちらとしても手を差しのべたくなる位です。

でも、その光景を見るのがたまらなく好きです。
心が洗われるというよりも、今、自分が取り組んでいる湯治と照らし合わせて、自分の身体も、あの僅かの時間の掃き掃除のごとく徐々にきれいになっていくようで、三文の徳をさせてもらったと嬉しくなります。
今日の湯治が、惰性ではなく新たな気持ちで取り組もうと奮い立たせてくれます。
彼らの掃除の要領の悪さも、スローな自分の回復と似ていて微笑んでしまいます。

こんなふうにこの光景を眺めることが出来るようになったのも温泉湯治のおかげかなと思います。
あせってもどうにもならない。
あたりちらしてもなんの解決にもならない。
自分のペースで自分の身体をこつこつと作り上げていこうと思えるようになったからでした。
さぼるとすぐに歩道にゴミがたまります。
私の湯治は週2回ではなく毎日ですが、夜更かし気味になったり甘いものを摂りすぎたりすると調子を落とすので、ゴミを落とさぬよう、ためないように気をつけています。そんなところも掃除と良く似ています。

では、近々、面談に伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

アトピー性皮膚炎を克服するためには、毎日の生活の中で積み重なった負荷を、減らして失くしていくことが必要ですが、Aさんのお手紙にあったように、負荷を「ゴミ」と考えると、ゴミ掃除と似ているかもしれません。
コツコツと少しずつ取って行けば、必ずゴミもいつかはなくなります。
少しずつゴミ拾いを行っても、すぐにはきれいにならないかもしれませんし、減っていることも気づきにくいかもしれません。
あるいは、生活の中で新たなゴミも少しずつ増えることもあるでしょう。
でも、少しずつでもゴミを拾っていけば、いつかはきれいになった「辺りの情景」に気づくことでしょう。

ちょっと、温かい気持ちになれたお手紙だったので、今日は紹介させていただきました。
Aさん、次回お会いできることを楽しみにしてますね。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎を克服していくための生活の改善は、その人なりペースというものがある。
前向きなときもあれば、落ち込むときもあるじゃろう。
じゃが、生活を改善するための「行動」を続けていれば、前進はしていくもんじゃ。
そのペースが少しずつでも、「千里の道も一里から」ということじゃな。

2008 年 11 月 22 日 博士

最近は、かなり冷え込んできておるの。


先週の半ば頃には、日本海側を中心に初雪も観測されたようじゃが、これから空気が乾燥する季節を迎えるに当たって、お肌のケアは、十分に注意したいところじゃ。

 

さて、今日は、ブログを見た読者の方からの質問にお答えしたいと思う。

◆31歳の女性の方からの質問

はじめてメールします。
私は現在、妊娠中で来月、出産予定なのですが、自分自身にアトピーがあり、子どもに遺伝しないか、かなり不安です。
今さらですが、何か気をつけた方が良いことがあれば教えてください。

アトピー性皮膚炎と遺伝の関係は、情報Webの医療ナビの中にも特集記事があるので、詳しくは、そちらを見て欲しいと思うが、簡単に言うと、「アトピー素因(アトピー性皮膚炎に関わる体質)は遺伝するが、アトピー性皮膚炎自体(病気)は遺伝しない」ということじゃ。

●遺伝子とアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=40

アトピー性皮膚炎とは、皮膚に症状が現れるが、皮膚そのものだけに原因があるわけではない。
むしろ皮膚に関わる要因があるとするならば、アトピー性皮膚炎の「病気としての原因」よりも、「症状を悪化させる原因」の方じゃろう。
詳しくは、これまでブログで書いた豆講座の方を読んで欲しいと思うが、アトピー性皮膚炎を引き起こしやすい体質は遺伝したとしても、アトピー性皮膚炎そのものは先天性の疾患ではなく、日常生活などの環境要因が深く関わる後天性の疾患とも言えるじゃろう。

したがって、産まれてきた子どもがアトピー性皮膚炎を発症するかどうかは、「産まれてきたあとの生活」に最も大きな影響を受けることになる。
もちろん、生活環境空間の化学物質が増加している今の環境下においては、まだ体の未熟な状態といえる生後間もなくの間は、何らかの皮膚症状を現すことは多いじゃろう。
じゃが、それらが即、アトピー性皮膚炎というわけでもなく、また、仮にアトピー性皮膚炎だったとしても、自分でアトピー性皮膚炎の症状を抑える力そのものは、子どもの体に備わっているわけじゃから、焦らずに「育てて」欲しいと思う。

自分自身がアトピー性皮膚炎ならば、いろいろと気になったり、心配になることはあると思うが、あまり、心配しすぎることの方が、母体のストレスになって良くないと思うぞ。

そして、今できることで、最も気をつけるとするならば、自分の健康状態を良くするように気をつけるのが一番じゃろう。
母親と赤ちゃんは、妊娠中は一心同体といえる。
しっかり睡眠を取って、栄養のバランスを考えた食事をして、母体に危険を及ぼさない範囲で日常生活行動もしっかり行うことが一番じゃ。
何か特別なことをする必要はない。
それよりも、リズムよい生活と、自身の「健康維持」を一番に考えた方が良いじゃろう。

なお、出産後のアドバイスを最後に一つだけ。
乳児のアトピー性皮膚炎の発症率は、秋~冬の初旬生まれの子どもに多いという傾向があるのじゃが、その一番の原因といわれておるのが、生まれた直後に空気が乾燥する冬の季節を迎えるため、肌のバリア機能が低下することじゃ。
そこで、12月に出産するのならば、5月頃までは、肌のケアに注意して欲しいと思う。
特に肌の状態が悪くなければ必要ないが、乾燥状態が見られるようならば、保水系のスキンケアを心がけると良いじゃろう。

ちょうど、今は秋から冬への季節の変わり目じゃが、体調には気をつけて、元気な赤ちゃんを産んで欲しいと思う。

 
おまけ★★★★ショウゴのつぶやき

最近、朝はすっかり冷え込んでるよね。
甥っ子の犬を、朝、散歩させると、「ああ、もうすぐ冬なんだ」という雰囲気があるよ。
ハムスターも最近は、布団代わりにゲージに入れている綿にくるまって寝ているね。

2008 年 11 月 21 日 ジョシュアくん・ジョセフィーヌ

プレゼント担当のジョシュアです!


今日は、昨日の東さんのブログにちなんで、ストレスに関わるアイテムを用意しました!
ブログを見ている人は、ぜひ応募してね!

 

★☆☆ プレゼント
サプリメント「アップC」を10名様

ビタミンCは、体内で副腎皮質ホルモンが作られる際にも使われる大切なビタミン。
特にアップCは、お肌のことを考えた配合で、着色料や保存料などは無添加です。

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★アップC
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プレゼントご希望の方は、次の必須事項を記入してメールで応募してください。

◆あて先
info@atopinavi.com

◆必要事項
メールの件名に「プレゼント応募」と記入して、本文には、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記して送信してください。

◆締め切り
11月27日(木)が締め切りだよ。翌日28日のメールは抽選対象外だから気をつけてね。

◆抽選&発表
12月3日に抽選して、12月8日頃に発送します!
当選者の発表は、12月4日のブログにて!

◆注意事項
メールはお一人様、一通のみとさせていただきます。
お名前、住所などの必須事項は忘れずに!

じゃあ、またね!

 
おまけ★★★★ジョシュアくんのつぶやき

前回の先着順のプレゼントは、夕方には締め切りとなってしまいましたけど、またいずれ、同じようなプレゼントを行いたいと思います!
次回をお楽しみに!