副腎皮質ホルモンって何?

アトピー性皮膚炎の治療薬として使われるステロイド剤は、副腎皮質ホルモンを合成した薬剤なのじゃが、今日は、副腎皮質ホルモンについて、簡単に説明してみたいと思う。

まず、副腎皮質ホルモンとは、腎臓の上に乗っている「副腎」という臓器から放出されるホルモンのことなのじゃが、実は、副腎からは大きく三つのホルモンが出ておるのじゃ。

まずは、糖質代謝ホルモン。読んで字のごとく、糖質の代謝に関わるホルモンじゃな。
ホルモンには「生理作用」と「薬理作用」の二つの作用があるのじゃが、糖質の代謝とは生理作用に当たるのじゃ。
そして、この糖質代謝ホルモンの薬理作用に当たるのが、抗ストレス及び抗炎症作用じゃ。
一般的に、アトピー性皮膚炎の人が使う「ステロイド剤」とは、この糖質代謝ホルモン(コルチゾール)を合成的に作ったもので、この抗炎症作用を利用して、炎症を抑え、その結果、痒みが減っているのじゃな。

そして二つ目が、塩類代謝ホルモン。これも字のごとく、塩類の代謝に関わるホルモンじゃ。
この塩類代謝ホルモンにも、糖質代謝ホルモンほどではないが、抗炎症作用があるのじゃ。
よく化粧品などに使われるグリチルリチン酸(甘草)は、構造が、この塩類代謝ホルモンに似ており、そのため炎症を抑えることができるとされておる。
しかし、気をつけなければならないのは、このグリチルリチン酸も、長期連用による副作用が見られることがあるのじゃ。ステロイド剤ほどではないにしろ、痒みを抑える=炎症を抑える=免疫を抑制する、という図式で成り立っているのは、ステロイド剤と全く同じじゃから、注意が必要じゃ。
グリチルリチン酸については、日を改めて、詳しく説明したいと思う。

最後の三つ目が、性ホルモンじゃ。主に男性ホルモンだといわれておる。

ステロイド剤の副作用には、むくみや毛深くなる、などがあるのじゃが、これはステロイド剤の主成分である「糖質代謝ホルモン」直接影響と言うよりも、むくみは「塩類代謝ホルモン」、毛深くなるのは「性ホルモン」の影響によるのじゃ。
副腎皮質ホルモンが副腎から放出されるのは、下垂体から放出されたACTHという刺激ホルモンを受けてのことなのじゃが、このACTHは糖質代謝ホルモンだけ放出させるのではなく、三種類ともに放出させてしまうため起きる現象なのじゃ。

ホルモンとは、その分子の大きさにより、ステロイドホルモンとペプチドホルモンに分けられる。

よく筋肉増強剤で使われるホルモンもステロイドと言われるが、副腎皮質ホルモンのことではなく、分子の大きさで分けるとステロイド群に入るホルモンじゃからじゃ。

そして、ステロイドホルモンは、10億分の1gという極微量で作用をもたらすといわれておる。
ステロイド剤に含まれる副腎皮質ホルモンの量は主に0.05%~0.1%程度じゃが、5gのステロイド剤には0.1%とすると、5mgが含まれておることになる。
つまり、本来10億分の1gで作用するホルモンからすれば、5gのステロイド剤には、体内で作用する約500万倍の量が含まれておることになる。
もちろん、単純に計算できることではないが、いずれにしろ、それだけ強い薬剤だということじゃな。
当然、効果も強く、痒みも抑えることができるのじゃが、それに比例した副作用も抱えておることを忘れてはならんじゃろ。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

今日の博士の内容で、グリチルリチン酸という成分が出てきた。
実は、15年ほど前に、とある関西の保健婦の人が開発した(ピー音)というシャンプーがアトピーに効くということで流行ったことがある。
高濃度の甘草(グリチルリチン酸)を含んでいたたため、抗炎症効果が見られたのだが、長期間使用した人がその使用を中断すると、数人に一人ぐらいの割合で、ステロイド剤の長期使用者に見られるリバウンドに酷似した症状が現れた。
患者は、グリチルリチン酸も広義で見ると副腎皮質ホルモンの仲間であることを知らない人が多い。
メリットがある、ということは、相応のマイナス点も考えた方が良いだろう。