2018年4月23日

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
Gさんの質問の中で、「アトピーが悪化しているだけだから、強いステロイドに替えましょう、と言われましたが、それで良いのでしょうか?」という部分を考えてみよう。

まず、Gさんの場合、「アトピー性皮膚炎が悪化している」と医師がいったようじゃが、その「悪化している原因」はどこにあるのじゃろうか?
大切なのは、その「原因」に部分にある。

例えば、昨日述べたように、もしGさんが角質層の水分不足の状態があって、それがバリア機能の低下からアトピー性皮膚炎を悪化させていた場合、ステロイド剤で角質層の水分不足は解消できんから、汗をしっかりかいたり、何か他の偶発的な要因が加わらない限り、その部分か生じている悪化要因がなくなることはない。
もちろん、いったんバリア機能が低下、そこから生じた複合的な要因により痒みが現れ、掻き壊した場合には、掻き壊しによる炎症からくる二次的な痒みに対して、ステロイド剤は有効と言える。
ステロイド剤の働きは免疫抑制による、炎症を抑制する働き=痒みを抑える働き、ということじゃからな。
じゃが、元の原因にアプローチがしっかりできていなければ、その原因か悪化要因が生みだされている限り、「痒みがない状態」を作ることは難しい。

このように、ステロイド剤が「治せる」アトピー性皮膚炎の範囲には「制限」があるわけじゃから、その制限の範囲内に、悪化要因が含まれておる場合には、有効な治療法と言えるじゃろう。じゃが、ステロイド剤が治せる範囲に、アトピー性皮膚炎の悪化要因があった場合、その悪化要因をしっかり対処しない限り、ステロイド剤による痒みの抑制効果が弱まるたびに「痒み」が表面化して、掻き壊しが続く、つまり一進一退の状態が続くことになるじゃろう。

また、ステロイド剤の長期連用は、有効に使える「メリットゾーン」を超えてしまって、「デメリットゾーン」に入っている可能性も考えられる。
ステロイド剤そのものは、免疫抑制によるバリア機能の低下と、ステロイド剤が薬物=化学物質、ということなるから、直接的に体内のIgEを増強させることで、プラスと同時にマイナスの影響を与えることもある。
そうした、マイナスの影響がみられる状態=デメリットゾーン、ということになるわけじゃが、Gさんがメリットゾーンの中に留まっている場合には、まだステロイド剤の炎症を抑えることで、掻き壊しを減らし、バリア機能の低下を防ぐ、といった有効部分が働く下地はあるかもしれん。じゃが、デメリットゾーンの中にいる場合には、ステロイド剤による痒みを抑える、というベネフィットの部分よりも、アトピー性皮膚炎を悪化させる、というリスクの部分が増えていると、ステロイド剤そのものが「悪化要因」としての役割が強くなってしまう恐れがある。

ステロイド剤が治せるのは、「アトピー性皮膚炎」という病気ではなく、アトピー性皮膚炎という病気により体が作り出した「痒み」という症状の部分じゃ。
風邪をひいて熱が出た場合、解熱剤は熱という症状を抑えることはできても、「風邪」という病気の本体を直接治すことはできんのと同じじゃ。

その辺りをしっかり認識するようにしたいものじゃの。

                         
おまけ★★★★博士のつぶやき

 

自分が、メリットゾーンにいるのかデメリットゾーンにいるのかの見極めはなかなか難しい。いろいろな側面での要因が絡んでくるからの。
一つの報告性を考えてみると、皮膚の細菌叢が乱れた状態にある方は、ステロイド剤の免疫抑制機能が、リスクになる恐れがあり、デメリットゾーンの中に入り込んでいるかもしれん。もし、皮膚の細菌叢が健全な状態を保っておれば、ステロイド剤のベネフィットを活かすことも可能じゃろう。
使う、使わない、という部分は一義的に決め付けるのではなく、自分の状態に合わせて判断することが大切、ということじゃな。

2018年4月22日

今日は、Q&Aじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

Q.病院からもらった保湿剤(ワセリン)を使っていますが、肌の赤みがなかなか引きません。医師からは、アトピーが悪化しているだけだから、強いステロイドに替えましょう、と言われましたが、それで良いのでしょうか?

(Gさん、岐阜県、48歳、女性の方)

                                   

Gさん、こんにちは。
質問いただいた内容からみると、まず皮膚のケアが十分にできていない状況が見て取れる。
病院で処方される保湿剤は、保険適用がされる範疇のものになり、ワセリンなど石油から精製された鉱物系の油脂が多い。
鉱物系油脂の特徴としては、強い「保湿力」がある。
これは、皮膚の「保湿」というより「カバー力」と考えた方が良いのじゃが、ここで一つ、アトピー性皮膚炎の方のケアでみてみると、大きな誤りがあると言った方が良いじゃろう。

アトピー性皮膚炎の原因は、多岐にわたるとされておるが、最近、増加してきておるアトピー性皮膚炎の原因は、アレルギーではなく皮膚のバリア機能にある、といわれておる。
そして、この「皮膚のバリア機能」に大きく関わっているのが、角質層内の「水分」じゃ。
一言で言うならば、角質層内の水分が不足したことで、痒みを知覚する神経線維が角質層内に侵入、外部からの刺激を痒みと知覚しやすくなると同時に、掻き壊しによる健全だった角質層の異常状態が、外部から異物を真皮内に侵入させやすくなることで、炎症反応が生じやすくなった、ということじゃ。
他にも、バリア機能が低下することで、皮膚の細菌叢が乱れ、黄色ブドウ球菌やボービス菌が増えることで、それらが出すデルタ毒素などが、体内のIgEを増やすことでアレルギー的な要因を増強しておる、というこも関係しておる。

いずれにしても、アトピー性皮膚炎の原因の一つは、「角質層の水分不足」=角質層の乾燥、にあるといっても過言ではないわけじゃ。
そしてGさんの質問に戻ってみるが、Gさんの場合、保湿剤としてワセリンを使用しておる。
じゃが、ワセリンは鉱物系の油で、水分を全く含んでおらん。
いわゆる、乾燥した砂場にブルーシートをかぶせただけの状況を作っておる、ということじゃ。
砂場自身に水分がなければ、いくら外を覆っても、砂場が自然と潤うことは難しい。
角質層も同じじゃな。
確かにワセリンには、強いカバー力はあるが、水分が含まれておらんから、乾燥した角質層は、ワセリンの下でいつまでも乾燥状態が改善されない、ということが起こっておる。
もちろん、厳密にいえば、全く「無駄」ということではなく、汗などによる水分補給がゼロではない。じゃが、先ほどの例でいえば、からからに乾いた砂場を、ブルーシートでいくら覆っても、しっとり湿った状態にならないのと同じで、角質層に「必要な水分量」をワセリンが確保してくれることはない。

したがって、まずGさんは、「保水」のケアを最初に行う必要がある、ということじゃな。
しっかり、そしてたっぷりと水分を角質層に与えてから、その水分を逃さないようにカバーすることは意味がある。
ステロイド剤などの軟膏タイプの薬剤の多くは、ベースがワセリンじゃ。つまり、そうした薬剤は、皮膚の「カバー」を行うケアには役立つが、水分を補給する役割は担っていない。
軟膏タイプのお薬を使用する場合には、まず最初に、水分系アイテム(ローションやジェルなど)で、たっぷり保水を行ってからお薬を使用すると、乾燥から生じている二次的な悪化要因も防げる、というこにとになる。

もう一つの問題は、強い薬剤に替える必要があるのか、ということじゃが、少々、長くなったので続きは明日にしたい。

                         
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方の「誤ったスキンケア」の中で多いのが、角質層に水分を「十分」に与えずに、油分のケアだけ行っている、というパターンです。
多少の水分を与えたとしても、本来、角質層における水分保持機能が低下していることが多いアトピー性皮膚炎の方の場合、とても「間に合った量」に足りていない、というケースもあります。
多めの水分をまずしっかり与えてあげることを考えるようにしましょう。

2018年4月21日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                
アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる要因の中には、化学物質が挙げられています。
これは、化学物質が体内のインターロイキン4を増強することで、アレルギー的な要因を強めてしまうことが関係しているようですが、今日は、室内の化学物質で摂取しやすいタバコの話題を紹介しましょう。
          
         
●タバコで起きる頭痛はニコチンによる血管収縮作用が原因。シックハウス症候群と同じ症状も
http://healthpress.jp/2018/04/post-3563.html
         
いよいよ4月になり、新大学生や新入社員になる人もいらっしゃると思います。そんな新しい気持ちで挑む勉強や仕事の環境に、タバコの煙があると困りますよね。
さすがに最近は「室内では禁煙」の環境もかなり増えているようですが、大学や職場の喫煙スペースは、それほど減っていない印象を受けます。また東京オリンピック準備の一つとして、飲食店内でのタバコの規制問題が議論されています。そこで今回は、タバコと頭痛についてお話したいと思います。
         
▼ニコチンによる血管の収縮と拡張
        
タバコの煙は片頭痛や群発頭痛の誘発因子の一つとして知られています。タバコを吸わない人は、タバコの煙に対して敏感な方が多く、より頭痛を誘発するようです。
ご存知のようにタバコの煙には、たくさんの化学物質が含まれています。この物質がタバコ特有の「臭い」の元となり、その物質が反応して頭痛を誘発すると考えられています。
医学的な分類である「国際頭痛分類」では、タバコによる頭痛は「物質による頭痛」に分類されます。タバコの有害な化学物質は、皆さんが知っているニコチンやタールだけでなく、硫化水素、アンモニアをなど数百種類から数千種類もあります。その中でも含有量の多いニコチンが、頭痛に関連しているとの報告があります(注1)。
ニコチンは血管収縮作用があり、片頭痛の誘発因子の物質として知られています。ニコチンには交感神経を興奮させるアドレナリンと関連があるとされており、この作用が神経を興奮させて血管を収縮させると考えられています。
よって、タバコを喫煙すると、一過性に血中のニコチン濃度が上昇し、血管が収縮します。しかしタバコがなくなると、今後はニコチン濃度が急速に下がり、血管が拡張します。この繰り返しが片頭痛や群発頭痛を誘発する因子となる可能性が考えられています。
          
▼タバコの化学物質でシックハウス症候群と同様の症状も
            
次に考えられるのが、無数の化学物質とのアレルギー反応による頭痛の誘発の可能性です。頭痛を誘発する化学物質として有名なのがシックハウス症候群です。
シックハウス症候群とは、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する揮発性化学物質、石油ストーブ、ガスストーブ、タバコの煙などのなどによる室内空気汚染による健康影響が指摘されている疾患です。その症状は、目がチカチカする、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹などがある。人に与える影響は個人差が大きく、同じ部屋にいるのに、まったく影響を受けない人もいれば、敏感に反応する人もいます。
2000年前後から社会問題になったこの疾患は、新築の家などにホルムアルデヒドをはじめとする揮発性有機化合物が充満し、住みだした時から体の変調や頭痛を来すというものです。しかし、現在は法整備が進み、かなり改善されています。
しかし、タバコの煙が室内に充満することで、同様のことが起こる可能性があります。さらに大気汚染やPM2.5の増加による頭痛の報告もあります(注2)。ですから、自分の知らないうちに、タバコだけでなく他の化学物質に曝露して頭痛を来している可能性があることにも注意してください。
以上、タバコの煙に含まれる化学物質によって頭痛が誘発されることについて、ご理解いただけたと思います。現在、欧州や北米では、飲食店内でタバコを吸える国は少数なことから、日本の飲食店でも喫煙は制限されそうです。喫煙習慣がある人には、少し住みにくい世の中になっていますが、社会全体でルールを守って、頭痛を起こす方に配慮していただけると幸いです。
          
              
喫煙によるアトピー性皮膚炎の症状悪化の事例は、多く報告されています。
記事の後半にあるようにタバコに含まれる化学物質は、アレルギー症状を誘発しやすいことが関係しているのと、同時に、タバコの煙自体は、PM2.5と同じですから、含まれる化学物質が、低下したバリア機能を通過して、直接的な影響ももたらしている可能性があります。
あとぴナビの会員の方で、ストレスを感じるとタバコを吸ってしまう、という方がときどきいますが、血管を収縮することは「冷えの状態」を生んでいるのと同じですし、アトピー性皮膚炎そのものの悪化要因となっているケースも考えられますので、注意しましょう。
         
            
おまけ★★★★大田のつぶやき

会員の方の話を聞いていると、悪いと分かっていてもついつい・・・という方が多いようですが、症状の悪化要因になっている場合には、止める理由がどこにあるのかはしっかり自覚しなければならないかもしれません。
甘いものでも似たような話を聞くことがありますが、自分の症状は、自分で「管理」できる部分があることは注意するようにしましょう。

2018年4月20日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                
今日は、Webで見つけた興味深い記事を紹介するね。
            
          
●「安全なアルコール摂取量」実は安全でないかも、国際研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3171046
        
安全なアルコール摂取量として推奨されている基準は多くの先進国で高すぎ、命を守るためには摂取量の限度をもっと下げる必要があると示唆する研究結果が13日、発表された。
英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によると、1週間当たり100グラムを超えるアルコールを定期的に摂取している人では、男女ともに平均余命が短くなる傾向がみられたという。これはワインではグラス5~6杯、ビールでも中ジョッキ5~6杯分に相当する。
「イタリア、ポルトガル、スペインではアルコール摂取量の上限が100グラムを50%超過している。米国では男性の摂取上限が(100グラムの)ほぼ2倍だ」と研究者らは指摘している。
国際研究チームは、高所得国19か国で行われた研究83件のデータを基に、定期的に飲酒している30歳~100歳の男女、約60万人について分析した。対象者は調査参加への同意後少なくとも1年にわたり観察対象となり、年齢や性別、社会経済的地位、糖尿病歴、喫煙の有無など健康に関する情報も考慮された。
対象者のうち4万310人が死亡。研究チームはこれを対象者が各自で記録した飲酒量と比較した。
分析結果によると、1週間に純アルコール100~200グラム相当の酒を飲んでいた人の平均余命は、飲酒量が100グラム相当を下回っていた人よりも約6か月短かった。また、1週間当たり200~350グラムのアルコールを摂取していた人の平均余命は1~2年短く、350グラム以上になると最大5年も短かったという。
論文を共同執筆した米デューク大学(Duke University)のダン・ブレーザー(Dan Blazer)氏は、「これまで安全だと考えられていたアルコール摂取量が、実は平均余命の短縮とさまざまな健康状態の悪化につながっていることを示す研究だ」と述べている。
        
             
アルコールを分解する酵素は、西洋人と日本人では異なると言われているようだから、記事に書かれている「量」については、あまり参考にならないかもしれないけど、ポイントは、

論文を共同執筆した米デューク大学(Duke University)のダン・ブレーザー(Dan Blazer)氏は、「これまで安全だと考えられていたアルコール摂取量が、実は平均余命の短縮とさまざまな健康状態の悪化につながっていることを示す研究だ」と述べている。

という部分だと思うんだ。
これまで「常識」と思っていた情報が、後の研究で覆されることは時々あるけれど、こと健康に関する部分は、そういった情報を慎重に吟味した方が良いのかもしれないね。

                    
おまけ★★★★西のつぶやき

最近は、Webでフェイクニュースが問題になっていることもあるようだが、発信者が医師であっても、その情報が「真実」であるかどうかは、後の情報で裏付けするしか確認する方法はない。
もちろん、多くの情報は、エビデンスに基づいており、そのエビデンスが不十分でない限り、限りなく真実に近い情報であることは確かだが、その時点で実施したエビデンスが、後のエビデンスで覆されることがあることは気を付ける必要があるだろう。

2018年4月19日

東です。

 

 

 

 

 

 

                      
アトピー性皮膚炎が発症する原因の一つに黄色ブドウ球菌などが関係していることは知られていますが、関係する記事を見つけたので紹介しましょう。
        
        
●加齢臭の原因菌とは一体?
        
病気でも感染症でもない加齢臭には原因菌が存在する!と、あるところで聞いて最初は?と思ったのですが、それは皮膚の常在菌が臭いの原因になるというお話でした。
人体に住み着いてる常在菌の数は、なんと100兆個にものぼるそうです。そんなにたくさんの菌が自分の体に住み着いていると思うと気持ちのよいものではありません。
しかし、毛嫌いするわけにはいかない人間にとって有益な菌も存在します。菌のイメージどおり悪さをする菌も存在します。腸内環境でよくいわれる善玉菌と悪玉菌と考えると分かりやすいと思います。悪玉菌ではニキビの原因になるアクネ菌が悪い意味で有名ですね。
まず、皮膚の善玉菌って何なのかというと表皮ブドウ球菌です。この菌は肌を弱酸性に保つ役割を持っています。アルカリ性の何が悪いのさ!と思うかもしれませんが、「お肌には弱酸性」という言葉をよく耳にするように弱酸性がよい理由がちゃんとあります。
表皮ブドウ球菌が肌を弱酸性に保つことで、体の外からの悪い菌を寄せ付けない働きをします。いわばお肌のバリア機能です。もし、この機能が低下、もしくはなくなってしまえば、色々な病気に侵されることになります。
もうひとつ、肌の潤いを保つ役割です。これは化粧品などの宣伝で散々いわれています。表皮ブドウ球菌は皮脂を食料にして脂肪酸を作るのですが、臭いの原因になる脂肪酸ではなく皮膚の表面を守る脂肪酸となり有益なものです。
次に臭いの原因菌である悪玉菌ですが、皮膚の常在菌で最も代表的なのは黄色ブドウ球菌です。食中毒の原因になる菌として知られるように、人間にとってよい働きはしない悪者です。アトピーや伝染性膿痂疹(とびひ)の原因にもなります。
黄色ブドウ球菌も脂肪酸を作りますが、ご想像どおり悪臭の原因になる脂肪酸を作り加齢臭を含んだ臭いにおいの原因になってしまいます。この臭いの原因菌は垢や角質を食料としてアルカリ性を好みますから、肌を弱酸性の状態に保つ必要があります。
        
▼臭いの原因菌を減らすには
        
人間の肌にとってよい働きをする善玉菌を増やすことにより臭いの原因菌を減少させることができます。これは数のバランスの問題で善玉菌と悪玉菌の数で優劣で決まります。少しでも悪玉菌の数が増えたらあっという間に悪玉菌が増え優勢になってしまいます。
肌の状態をよくするだけでなく、加齢臭などの臭いを予防するためには、善玉菌を増やすというより減らさないようにする必要があります。善玉菌は少なくなったとしても一生懸命増える努力をします。極端になくならなければ、半日から1日をかけ元の状態まで増殖します。
まず、加齢臭の臭いを落としたいからといって、力を込めて体を洗うのは厳禁です。力を込めて洗うと臭いがしなくなるような気がしますが、善玉菌も洗い落としてしまうため臭いの原因菌を増やすことになり逆効果です。
今のようにお風呂に入らなかった時代の方が、皮膚の常在菌のバランスはとれていたという説もあるように、行き過ぎた清潔志向は皮膚常在菌のバランスを崩します。バランスが崩れると臭いの原因菌を増やしたり、皮膚の乾燥を引き起こしたり、ひいてはシワの原因になってしまいます。
善玉菌が嫌う環境は他にも肌の乾燥状態、ストレス、睡眠不足、運動不足などがあります。こうして見ると加齢臭の原因と共通することがたくさんあります。
          
         
記事は、加齢臭について書かれたものですが、アトピー性皮膚炎の方のバリア機能にも共通した部分があります。
特に最後に書かれている
           
善玉菌が嫌う環境は他にも肌の乾燥状態、ストレス、睡眠不足、運動不足などがあります。こうして見ると加齢臭の原因と共通することがたくさんあります。
            
生活環境内の要因が、皮膚の菌叢に関係しているのは注意が必要でしょう。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の細菌叢が乱れることが大きな一因です。
毎日の生活環境は、その人が自覚して改善するしかありませんが、お肌の「善玉菌」にとって住みやすい環境づくりを考えてあげることはとても大切だと言えるでしょう。

                   
おまけ★★★★大田のつぶやき

腸内も皮膚も、常在菌が健全なフローラ(菌叢)を形成することが、「健康の秘訣」とも言えるのではないでしょうか?
ここ数十年で、さまざまな「生活習慣病」が認識されるようになりました。
基本的な「生活習慣」が健康のベースであることは忘れてはならないでしょう。

2018年4月18日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

                 
Webで情報を探すことが多くなったけど、フェイクニュースなんかも話題になっているように、その情報の真偽を確認することって、大切だけど難しくなっていているよね。
アトピーの人も、Webで情報を探す機会は多いと思うから、今日は気になった記事を一つ紹介するね。

                          
●妊娠中に触れるネット情報 産科医の86%「信憑性が低い情報が多い」 正確な情報をアプリで配信
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-lif1804100010.html

スマートフォンのアプリを使い、妊娠や出産、育児の正確な情報を配信する試みが注目されている。スマホの普及に伴い、多くの妊婦が医学的根拠に乏しいインターネット情報を信じてしまうリスクに直面するようになった。医師が監修した情報だけを選別して伝えることで、妊婦らの情報収集の不安解消が期待されている。(玉崎栄次)

▼「妊娠中、何を食べてはいけないのか」

「妊娠中、何を食べていいのか、いけないのか調べたが、ネットにはさまざまな記事があり、どれが正しいのか分からなくなった」
昨年8月に男児を出産した会社員の女性(36)=神奈川県藤沢市=は、妊娠中の情報収集で困惑したことを振り返る。
妊産婦にとって情報をめぐる不安は少なくない。出産や育児の雑誌を発行する「リクルートマーケティングパートナーズ」(東京都中央区)が昨年12月、日本産科婦人科学会の協力を得て実施したアンケート(産科医128人、妊産婦600人対象)では、産科医の89・1%、妊産婦の70・5%が「妊娠中に手にする情報に課題がある」と回答した。
理由として、ともに約半数(産科医47・4%、妊産婦53・9%)が「情報過多」を挙げている。

▼「古い情報が多い」

この調査では、産科医と妊産婦の間で、情報の信憑(しんぴょう)性の認識に大きな差があることも分かった。
「インフルエンザの予防接種は妊娠したら打てないと思っている人が多い。しかし、妊婦が感染すると重症化の可能性があるので、妊婦が最優先なのは産科医には常識だ」
日本産科婦人科学会幹事長の阪埜浩司医師はこのような事例を挙げる。
ネット情報など妊娠中に触れる知識について、産科医の86・8%が「信憑性が低い情報が多い」と判断するのに対し、妊産婦はわずか33・3%。「古い情報が多い」と感じている妊産婦も12・1%にとどまり、産科医(28・1%)の半数以下しかいなかった。
リクルート発行の「ゼクシィBaby 妊婦のための本」の尾花晶編集長は、妊産婦がネット記事などを読む際、注意すべき点を次のように指摘する。
「誰がいつ書いたのか、監修者はいるのかなどを確認することが重要。妊産婦本人による体験談も多いが、体は人それぞれなので、医師らが監修した記事を参考にしてほしい」

とはいえ、医学的知識に乏しい一般人にとって信頼できる情報かどうか見極めるのは難しく、不安が残る。そこで注目されているのが、医師が監修した信頼できる情報だけを配信してくれるスマホの無料アプリの活用だ。
例えば、リクルートマーケティングパートナーズは4月から妊娠・出産アプリ「Baby+」のサービスを本格的に開始。妊娠中の食生活や肌のケアなどについて、医師の顔写真付きの記事を配信するほか、胎動数カウンターやアルバムなどの機能も充実している。
昨年7月には、月間600万人が利用するネットサイト「mamanoko(ままのこ)」を運営する「クルー」(東京都品川区)が妊娠育児情報アプリ「ままのて」の配信を始めた。利用開始時の登録情報を基に子供の月齢に応じた記事を個別配信しており、担当者の小林恵理さんは「最適な時期にふさわしい情報を得られ、利用者が情報を取捨選択する悩みや負担を解消できる」と話す。
地方自治体での活用も進んでいる。千葉県船橋市は3月に妊産婦支援アプリ「ふなっこアプリ」を配信。予防接種や乳幼児検診を通知するなど子育て世帯の負担解消に役立てている。
         
         
記事の中で注意したいのは、「そこで注目されているのが、医師が監修した信頼できる情報だけを配信してくれるスマホの無料アプリの活用だ。」部分かな。●●大学とか、D●Naが運営しているウェル●などのサイトは、医師が監修していた(とされる)記事に問題が分かっているからね。
情報の発信元が「自分にとって信頼できるサイト」なのかは、しっかり意識したいよね。

                          
おまけ★★★★東のつぶやき

「医師が発信している情報だから正しい」というのは、その時点の評価であって、後世に多くのエビデンスを重ねることで、当時の専門家の情報が誤っていた、ということは歴史上、多数存在しています。
そういった点からも「医師の情報だから」と鵜呑みにすることは、「医師の利益に誘導されている」ことにつながることもあり得ますので、気をつける必要があるかもしれませんね。

2018年4月17日

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、Webで見つけた記事を紹介いたします。
            
          
●子どもの花粉症5~9歳で増加 目鼻にワセリン対策
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180410-42748796-nkdualz-life
            
「鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版」によると、5~9歳のアレルギー性鼻炎の有病率は、スギ花粉症13.7%、スギ以外の花粉症8.3%、通年性アレルギー性鼻炎22.5%と、ほぼ半数の子どもがアレルギー性鼻炎に悩まされています。
花粉症は大人だけでなく、子どもにも増えている、もはや国民病。なかには乳幼児期から症状が出る子もいますが、5~9歳の小学校入学前後から発症する子どもが増えるのが特徴です。
とはいえ、発熱のように登園・登校できなくなるわけではないため、つい軽く考えて、忙しい共働き家庭では受診を先延ばしにしがちではないでしょうか。しかし、目や鼻のつらい症状で睡眠が妨げられてしまうと、子どもの成長にも悪影響を与えてしまいます。
頭に入れておきたい花粉症の基本知識や対策、最新治療法について、多摩ガーデンクリニック院長の杉原桂医師にお話を伺いました。また記事の後半では、「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」代表の阿真京子さんと復職を控えたワーママ達の集まりに参加し、そこで聞いてきた不安の声と、実際に花粉症の子どもを持つ先輩デュアラーのアドバイスを紹介します。
          
花粉症はアレルギー反応の一つ。0~1歳で発症する子もいますが、小学校入学前後くらいから発症する子どもが増えるのが特徴のようです。まずは、多摩ガーデンクリニック院長の杉原桂医師による解説をお届けします。
            
●花粉症はこうやって起こる!
       
昔に比べて、子どもの花粉症は増えている印象があります。両親が花粉症だったり、すでに他のアレルギー疾患を抱えていたりする子どもは発症する確率が高くなります。
人体には外から侵入してくる異物に対して、それを排除する「免疫」という仕組みがあります。花粉という異物(アレルゲン)が体内に侵入すると、「IgE抗体」という抗体を作ります。この抗体を作りやすい体質が、いわゆる「アレルギー体質」です。
この「IgE抗体」が一定量に達し、再び花粉が体内に入ると、花粉を敵と見なして、鼻や目の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。その結果、肥満細胞からヒスタミンが分泌されて、花粉症の症状を引き起こします。
くしゃみで「花粉を吹き飛ばす」、鼻水や涙で「花粉を洗い流す」、鼻づまりで「中に花粉が入れないように防御する」。花粉をできる限り体外に放り出そうとする反応が、花粉症の症状です。
          
●スギ花粉だけじゃない。一年を通していろんな花粉が飛んでいる
         
花粉症といえば春のスギ花粉が有名です。スギは植林されているので花粉の飛散量も多く、悩まされる人は多いですが、実は一年を通していろんな花粉が飛んでいます。花粉症は一年中起こり得ます。症状があれば受診するようにしてください。
         
●花粉症と風邪の症状は似ている。気になる症状があればまずは受診を
      
上記のような症状があり、高熱やリンパの腫れが無い場合は花粉症が疑われます。ただし、花粉症で微熱が出ることもあります。
子どもは花粉症の症状があっても具体的に伝えることができないので、親が気づいてあげることが大切です。
診断の基本は問診です。「いつごろ症状が出始めたか」「どんなときに症状が現れるか」「ペットの有無」などを問診して、原因を推測します。なかには、花粉症だと思っていたお子さんが、室内のダニ対策を行ったら症状が改善された例もあり、花粉が原因とは限らない場合もあります。
曖昧な場合は、血液検査やパッチテストを行い、花粉の「IgE抗体」の値から診断をつけます。
             
(以下、省略)
        
        
あとぴナビの会員の方をアンケート調査すると、アトピー性皮膚炎の方でもっとも併発しているアレルギー疾患が花粉症でした。
スギ花粉は、そろそろピークを過ぎますが、花粉症の原因となる花粉は他にもありますので注意は引き続き必要でしょう。
最近は、皮膚のバリア機能の低下を原因として、食物アレルギーや花粉症が引き起こされる事例が報告されていますが、「アレルギーが先」なのか「アトピー性皮膚炎が先」なのか、これからはより注意深く見守っていく必要があるでしょう。

                       
おまけ★★★★大田のつぶやき

アレルギーが昨今、増加しているのは確かなようです。
以前、専門の医師にお聞きした話ですが、ヒトの遺伝子は世代を超えて変化する可能性があるものであって、数十年で一気に大勢が変化するものではなく、最近のアレルギーの増加は、多数が関係していることからも、遺伝的要因が原因ではなく、環境的要因が原因の可能性が高い、とのことでした。
私たちが便利に暮らしている今の社会生活内に問題があるならば、健康を見据えた上での改善は、必須なのかもしれません。

2018年4月16日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、京都大学が発表した、温泉とストレスに関する研究記事を紹介するね。
         
       
●サル、温泉でストレス解消 京大 ふんのホルモン分析
(朝日新聞  2018.4.4)
       
人と同様に、ニホンザルも温泉でストレスを解消している――。
そんな研究結果を京都大のグループがまとめた。ニホンザルのふんに含まれる物質を分析することで、入浴によるストレス軽減効果を科学的に確認できたという。
国際学術誌に3日、論文を発表した。
京大霊長類研究所のラファエラ・サユリ・タケシタ研究員(霊長類学)らは2014年、雪の中で温泉につかる「スノーモンキー」として有名な長野県・地獄谷野猿公苑のニホンザルを調査した。5~24歳の12匹を対象に、それぞれの個体の入浴状況を調査。これと平行して、サルのふんも採取し、ストレスの目安となるホルモン「グルココルチコイド」の濃度を分析した。
その結果、温泉に入浴した週は、入浴しない週よりもこのホルモンの濃度が平均で約2割低く、ストレスが軽減されていることが分った。ストレスの低下が確認できたのは寒い冬の季節で、暖かい時期にはこうした「入浴効果」はみられなかった。
       
▼序列高いほど長風呂だが…
          
個体ごとの違いを分析したところ、群れの中の序列が高いサルほど入浴時間は長いものの、ストレスのレベルは高い傾向にあった。序列が高いと他のサルとのけんかなどの争いに巻き込まれやすいといい、せっかく温泉に入ってもその効果が打ち消されてしまうらしい。
         
            
温泉入浴が「心地よく」感じる方は多いと思うけど、サルを対象にした実験だと、ストレスの軽減が確認できたようだね。
興味深いのは、

・日常生活内のストレスが大きいと軽減される効果は打ち消されてしまう

という点かな。
プラスを得ようとしても、その前に大きなマイナスがあれば、そのプラスは打ち消されてしまう、ということだと思うんだ。
同じような事例は、実際の治療でも多いと思うから気を付けた方が良いかもね。

                        
おまけ★★★★大田のつぶやき

実際に、あとぴナビの会員の方からのご相談を見ていても、生活内での大きなトラブルを常に抱えている方は、症状の経過が乏しいことがあります。同時に、入浴を行うことで症状が大きく改善する方は、こうした生活内のトラブルが少ないようです。
ストレスにつながるトラブルの軽減は、元のトラブルの解消が必要なこともあり、なかなか難しい部分は多いかと思いますが、入浴を実践する中では、こうしたストレスの関係なども意識してみると良いかもしれません。

2018年4月15日

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、今回のテーマの最後です。
最近、皮膚科医が推奨することが多い、プロアクティブ療法について考えてみましょう。
          
            
●ステロイド治療の「メリットゾーン」と「デメリットゾーン」
今、あなたはどっちに立っている?
(2018年4・5月号特集より)
            
▼プロアクティブ療法は、再発を防ぐ最適な方法なのか?
          
最近、皮膚科医の間で主流となりつつある「予防法」にプロアクティブ療法があります。
アトピー性皮膚炎の症状が出ているときに治療として用いられる外用療法は「リアクティブ療法」といいます。それに対して、症状が出る前から予防的に外用療法を行う治療法を「プロアクティブ療法」と言います。
簡単に言えば、現在進行形のステロイド剤治療は「リアクティブ療法」、寛解状態(症状が落ち着いた状態)でもステロイド剤の治療法を続けることを「プロアクティブ療法」と呼んでいるわけです。
確かに、痒みによる「掻き壊し」は、皮膚のバリア機能を低下させる大きな要因です。そして皮膚のバリア機能が低下すれば、細菌叢を乱し、アレルギー的な要因を増加(IgE抗体の増加)、アトピー性皮膚炎を悪化させる要因につながりますので、この「掻き壊し」を事前に防ぐために、痒みにつながる炎症を事前に抑える、という方法自体は理にかなっている部分はあるかもしれません。
ただし、そこにはある前提条件があります。
その前提条件とは、「ステロイド剤は長期連用してもマイナスの影響を与えない」というものです。果たして、ステロイド剤は、医師がいうほど、長期連用によるマイナスの作用(副作用ではなく、アトピー性皮膚炎に対して悪化要因となりうる部分として)を受けずに済むのでしょうか?
ここに大きな落とし穴が潜んでいるといっても良いでしょう(P・10~16参照)。
      
基本的に、初発のアトピー性皮膚炎は「軽症」であることがほとんどです。アトピー性皮膚炎患者(罹患した経験者を含む)は、日本では800万人程度と推計されていて、その中で、反復継続した治療を必要とする中程度以上の患者は1割程度と考えられているようです。
つまり、そのほとんどは、ステロイド剤の治療で「完治」した状態まで持っていけます。メリットゾーン内で済んでいる、と言えるでしょう。
問題は、中程度以上の1割の患者の方です。すでにメリットゾーンを越えてしまっていることが多く、アトピー性皮膚炎の原因も悪化要因も、アレルギーだけではなく皮膚の機能的な部分が主に関わっている状況です。したがって、皮膚のバリア機能を「落とす」要因はいずれもアトピー性皮膚炎の症状の悪化につながりやすいと言えるでしょう。
こうした方にプロアクティブ療法を行うことは、確かに、「掻き壊し」というバリア機能を落とす要因は防ぐことができます。ただ、実際には、皮膚機能と免疫機能の状況は、プロアクティブ療法を行っているつもりが、リアクティブ療法の延長線上に過ぎなかった、というケースが多いのも事実です。
九州大学がプロアクティブ療法について説明しているホームページを見ると「プロアクティブ治療中にも再発はあります」と書かれていますが、全てではないにしろ、その再発した患者の状況を細かく調べれば、実は、症状が再燃しやすい状態でも寛解状態と判断していたケースが見えてくるでしょう。
具体的にいえば、皮膚の細菌叢を調べてみれば、続けていたステロイド剤の治療がプロアクティブ療法だったのか、リアクティブ療法だったのかが分かるはずです。
もし、黄色ブドウ球菌やコリネバクテリウムボービス菌などの異常な細菌叢が見られていた場合には、体内のIgEはデルタ毒素などで増強されやすい環境が続いていたわけで、「炎症予備軍が待機」していた状況と言えます。
この何かをきっかけに炎症が再燃しやすい状況にあった場合、これを寛解状況というのは少々、無理があるように思います。骨折で言えば、折れた骨はくっついたが、動くとまだ痛みはある、その痛みは鎮痛剤で抑えている、といった状況です。ちょっとしたバランスの崩れから、折れた部位に体重をかけたりすれば、再び、悪化する恐れもあります。風邪で言えば、解熱鎮痛剤を飲んでいれば、熱は下がった「楽になった」状況です。楽になったからといって、仕事に復帰したり、ハードな運動などを行えば、解熱鎮痛剤の効果が切れれば、再び高熱が出る恐れがあるでしょう。こうした状態は寛解状態ではなく「治りかけ」の状況に過ぎません。
治りかけ=再発しやすい状況、と言えますから、そうした状況で行われる治療法は、リアクティブ療法の側面が強いでしょう。
ここに、ステロイド剤を使用する際の「デメリットゾーン」が関係してくると、今度は、プロアクティブ療法として使い続けるステロイド剤が、アトピー性皮膚炎を悪化させる、あるいは再発の引き金となる恐れがある、ということです。
おそらく、こうしたアトピー性皮膚炎の悪化や再発に対して、医師は、単にアトピー性皮膚炎の炎症が悪化しただけであって、ステロイド剤は関係ないと説明するでしょう。しかし、デメリットゾーンにおけるアトピー性皮膚炎の悪化を生む「原因」を考えれば、そのアトピー性皮膚炎の悪化にステロイド剤が関係していた可能性は否定できないはずです。
ましてや、本当にアトピー性皮膚炎が寛解した状態にある人に、ステロイド剤の使用を続けることは、健常な人に塗布した場合であっても、それが蓄積した影響が認められているわけですから、免疫抑制効果による細菌叢の乱れを招いて、「新たなアトピー性皮膚炎発症の引き金」になる恐れも考えられます。
今後、プロアクティブ療法の問題点が指摘されるとするなら、おそらく、年単位の長期間が経った後のことでしょう。なぜなら、短期でプロアクティブ療法を終えられた方は、当たり前ですが、そうした問題点を抱えることはないからです。実際、ここ数年の間で、プロアクティブ療法を続けてきた方からの症状悪化のご相談も増えてきています。
その多くは、通常のステロイド剤治療、つまり「リアクティブ療法」と同じ状態を示しています(リバウンド症状など)。長期にわたりプロアクティブ療法を「続けてよい根拠」は、実は、まだ確立したものではないこと、また医師が治療を行う際に、「プロアクティブ療法」と「リアクティブ療法」の明確な境界線も定まっていないことを忘れてはならないでしょう。
             
          
このプロアクティブ療法は、かなり微妙な問題を抱えている、と言えるでしょう。
今は、リアクティブ療法からプロアクティブ療法、という使い分けを医師は行っています。
簡単に言えば、リアクティブ療法は炎症が起きている間は、しっかり使い続けましょう、そしてプロアクティブ療法は、炎症が落ち着いてしまえば、少しずつ間隔を空けていきましょう、という方法です。
ただ、この方法は、言葉を変えているだけであって、昔のステロイド剤の「使い方」となんら変わりはありません。炎症が落ち着いてくれば、少しずつ間隔を空けながら、もし再燃すれば、再びしっかり使う、こんな使い方は、昔のアトピー性皮膚炎で病院に罹っていた人なら、多くの人が医師から言われていたことでしょう。
単に、リアクティブ療法の中身を「リアクティブ」と「プロアクティブ」に分けて表現しただけに過ぎず、昔でいうところの「リアクティブ療法」がその全体像と言えます。
自分がステロイド剤に対して、どのようなポジショニング(メリットゾーンなのか、デメリットゾーンなのか)にいるのかは、しっかり考えながら、向き合うようにしていきましょう。

                        
おまけ★★★★北のつぶやき

今回紹介した記事は、今月号の電子版でご覧いただけます。
図表なども合わせてご覧になりたい方は、電子版をご参考ください。

●あとぴナビ電子版
http://www.atopinavi.com/eb/index.html

2018年4月14日

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、メリットゾーンとデメリットゾーンの関係を絡めて、ステロイド剤の問題について考えてみましょう。
          
         
●ステロイド治療の「メリットゾーン」と「デメリットゾーン」
今、あなたはどっちに立っている?
(2018年4・5月号特集より)
            
▼なぜ、デメリットゾーンにいるときにステロイド剤を塗布するのが良くないのか?
         
1994年の日本皮膚科学会雑誌104巻では、「アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ
球菌│皮疹部,無疹部における黄ブ菌検出率,ファージ型および薬剤感受性について│」という論文において、アトピー性皮膚炎患者48例全例から黄色ブドウ球菌が検出されたことが報告されています。さらに、2015年5月には、慶應義塾大学医学部から「皮膚細菌巣バランスの破綻および黄色ブドウ球菌の定着がアトピー性皮膚炎の炎症の原因となる」という論文が発表され、黄色ブドウ球菌やコリネバクテリウムボービス菌など異常な※細菌叢が皮膚に形成されることがアトピー性皮膚炎発症や悪化の原因になることが明らかにされています。
                      
ステロイド剤は、「免疫抑制」の効果を持つ薬剤です。そのため、長期連用による感染症の誘発は主な副作用として示されており、ステロイド剤の長期連用が、健全な皮膚の細菌叢を乱し、こうした黄色ブドウ球菌など異常な細菌叢の形成を促すことで、デルタ毒素などによるIgE増強からアトピー性皮膚炎を悪化させていることが、最近は研究者の間で指摘されるようになってきました。
            
このようなステロイド剤の使用によりアレルギーを増強することを示す医学的な論文は、数多く報告されていますが、ステロイド剤がアレルギーを悪化させる恐れがあることを「ステロイド剤を処方する医師」は、あまり患者に指摘せずに処方しているようです。
もちろん、メリットゾーンの中では、皮膚の健全な細菌叢を乱す恐れは少なく、アレルギーが増強されるリスクは小さいと言えるでしょう。しかし、デメリットゾーンに入ってくると、皮膚のバリア機能そのものが低下した状態に陥ることで、そこにステロイド剤の免疫抑制効果が健全な細菌叢の形成を妨げ、黄色ブドウ球菌の定着を招きやすくなることは確かですので、注意する必要があるでしょう。
このように、ステロイド剤の使用による影響は、「メリットゾーン」の中に留まっているのか、「デメリットゾーン」に足を踏み入れた状態にあるのかによって、大きく異なってきます。さらに、デメリットゾーンの奥深くまで進行することで、よりステロイド剤の使用による影響(アトピー性皮膚炎そのものの悪化など)は受けやすくなります。
もちろん、ステロイド剤を使用している間は、デメリットゾーンにいても、受容体消失による影響などが大きくなければ、薬剤の効果により炎症は抑えられ痒みも落ち着かせることができます。しかし、その一方、体の中では、IgEが増強され、炎症を作り出す力はより強まってきます。つまり皮膚の表面上は、ステロイド剤という薬剤で「マスキング」されて問題がないように見えても、マスキングされた下は、問題が積み重なっていく状態、ということになります。ステロイド剤の抗炎症効果で炎症が抑えられている間は大人しくても、何らかの要因(季節の変わり目、精神的、身体的なストレス、環境の変化、環境中の化学物質、睡眠不足や栄養の過不足、運動不足など)が加わることで、溜めこんだIgEが一気に炎症を作り出すと、悪循環の輪が形成されることで、皮膚のダメージとアトピー性皮膚炎そのものが悪化を繰り返すことになります。
            
今、自分がゾーンのどの立ち位置にいてステロイド剤を使っているのか、しっかり把握しておくことは大切でしょう。
             
             
ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎の治療薬として使われていますが、実際の「効果」は、痒みや炎症に対する効果であって「アトピー性皮膚炎」という疾患に対する効果ではありません。
もちろん、間接的な働きはしていますが、風邪でいえば、自分の体が作り出した熱(痒み)という症状を下げる効果があるだけで、風邪(アトピー性皮膚炎)という病気そのものを直接治すものではない、ということです。
このことをしっかり理解して、「メリットゾーン」の中でどのように使えるのかを考えていくことが大切だと言えるでしょう。

明日は最後に、最近、皮膚科医がよく行っているプロアクティブ療法について述べたいと思います。

                         
おまけ★★★★博士のつぶやき

医師は、メリットゾーンであってもデメリットゾーンであっても、薬による影響の現れ方はさほど変わらない、と強調することが多いようじゃが、直接の副作用ではなく、間接的な影響については、やはり自分の立ち位置が大きく関係してくることを忘れないようにしたいものじゃ。