2017年4月24日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

              
昨日の続きです。

まず、最初に、コルチゾールがアトピー性皮膚炎に、どのように関係しているのかを簡単に説明しましょう。
ホルモンの働きとは主にメインの働きである「生理作用」とサブの働きである「薬理作用」の2つの作用に分かれます。
コルチゾールのもっとも重要な役割(生理作用)は、「糖類代謝ホルモン」の名前の通り、体内の糖質代謝に関わる働きと、そして抗ストレスホルモンとしての働きです。
副腎を失った場合、生命に危険が生じると言われているのは肉体的(痛みや衝撃だけでなく、寒さや暑さなども)、精神的ストレスに対応ができなくなるため、とも言われています。
そして、アトピー性皮膚炎に対して必要な抗炎症の働きは「薬理作用」です。
ホルモンは、まず生理作用を主に優先する働きがありますので、生理作用にコルチゾールが多く使われている場合、薬理作用としての抗炎症の働きが弱くなると言われていて、これがストレスにより痒みが増す一つの理由と考えられています。

そして、今回の記事を紹介した本題です。

アトピー性皮膚炎の方の場合、過食により症状が悪化するケースがあります。
これは、脂質や糖質の過剰摂取が、皮膚の代謝を妨げたり、あるいは、脂質の抗酸化による炎症、そして生理作用である糖質代謝に優先してコルチゾールが使われてしまうため、とも言われていますが、食欲増進にストレスが関わっているのであれば、記事を読む限り、コルチゾールの消費は二重に促進されている(食欲増進によりコルチゾールの産生が過剰になっていることから)ことが考えられます。

状態が悪い時期、痒みがあるからストレスが増え、そのため食欲が増加することでさらに痒みが悪化する、といった悪循環を抱えた経験のある方も多いのではないでしょうか?
問題は、では「食べなければ痒みは改善するのか」ということです。
仮に「食べないことによるストレス」を度外視したとしても、適切な食事の摂取を行わないことは、かえってアトピー性皮膚炎に対して悪影響を与えることになります。
なぜなら、状態が悪化したアトピー性皮膚炎の場合、そこに「伴っている」のは、皮膚のバリア機能の低下、ということがあるからです。
掻き壊しが生じた皮膚の「修復」には、タンパク質など必要な要因があり、それらは外部からの摂取でしか補うことができません。

では、どういった食事を考えていけばよいのでしょうか?
詳しくは、明日説明しましょう。

                 
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎と食事の関係は、アレルゲンなども関係しますが、同時に、こうした「量」の問題も影響があるようです。
ただ、「量」の問題は、行動によって必要な摂取量が個々人により異なるため、一定の数値で表すことが困難です。
自分とって、どういった食事が良いのかは、しっかり考えていくことは大切でしょう。

2017年4月23日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
痒みにつながる炎症を体が自身がコントロールしているのは、主に副腎皮質ホルモンの働きによります。
副腎皮質ホルモンは、腎臓の上にある副腎から放出されるホルモンで、糖質代謝ホルモン、塩類代謝ホルモン、そして性ホルモンと、3つのホルモンを主に産生しています。
炎症を強く抑える働きがあるのは、この3つのホルモンの中で糖質代謝ホルモン(コルチゾール)になりますが、関連する研究記事がWebに出ていましたので、紹介しましょう。
          
         
●「ストレス太り」の原因が判明! 脳内ホルモンの過剰分泌で「食欲」が止まらない!
http://healthpress.jp/2017/03/post-2874.html
          
日に日に春の気配が近づき、コートを脱ぐ季節がやってきたときには、にわかに自分のボディラインが気になり出すもの。そこで「冬に丸くなったカラダを何とかしなければ」とダイエットを試みるが、なかなか痩せられない――。
そんな人は、もしかすると仕事や私生活でストレスが溜まってはいないだろうか? 以前から「ストレス太り」「イライラ食い」などとはよく言われているが、ネガティブな気持ちを抱えた生活を送っていると、本当に肥満のリスクがアップすることが、最新の研究で明らかになった。
        
▼ストレスホルモンと肥満の関係が明らかに
    
この報告は英ロンドン大学のAndrew Steptoe氏らの研究グループによるもので、その論文は専門誌『Obesity』(2月23日付)に掲載された。
研究グループがターゲットにしたのは、ストレスホルモンの一種である「コルチゾール」。コルチゾールは副腎皮質で作られる基本的なホルモンで、危険を感じたときに「闘争」もしくは「逃走」の反応を引き起こすものだ。
つまりコルチゾールは、ヒトがストレスから自分を守るための重要なホルモンだが、持続的にストレスを感じると分泌が過剰になっていく。そして慢性的に高レベルになると、抑うつや体重増加などにつながるとされている。
今回、Steptoe氏らは、54歳以上の英国成人2500人超を対象に、最も頭皮に近い部分の毛髪を2cm採取し、コルチゾール値を調べた。この数値は、過去2カ月間に蓄積されたコルチゾールの量を反映しているという。
そして、データを解析した結果、コルチゾール値は脂肪の増加や肥満と相関関係があることが明らかになった。コルチゾール値が高い対象者は体重が重く、胴囲も大きい傾向があり(男性102cm以上・女性88cm以上)、BMI(ボディマス指数)も高く、体脂肪量も多くなった。
またコルチゾール値の高さは、過去4年以上の継続的な肥満度の高さとも関連していたという。
このコルチゾール値と肥満との関連性は男女ともに見られ、年齢による差もなかった。ただし、今回の対象者は比較的高齢であったため、もっと若い人では同じ結果にならない可能性もあると、研究者は付け加えている。
        
▼我慢のしすぎはかえって太る?
       
コルチゾールが過剰に分泌されると、なぜ肥満を招きやすいのか?
コルチゾールには、脳内ホルモンのセロトニンを低下させる作用がある。そして、セロトニンには食欲を抑える作用がある。そのため、コルチゾールが過剰に分泌されると、逆に食欲に歯止めがかかりにくくなりという仕組みだ。
また、インスリンの働きも低下させるため、血糖値を下げるために通常より多くのインスリンが分泌されるようになる。インスリンは脂肪の蓄積に働くため、過剰分泌によって食べたものが体脂肪として蓄えられやすくなるのだ。
今回の研究では、コルチゾールの多量分泌と体重増加・肥満リスクには明確な関連性があることが示されたものの、どちらが先に生じたかの因果関係まではわかっていない。
しかし、確実にダイエットを成功させたいなら、精神面の健康に配慮し、自分なりの健康的なストレス発散方法を見つけるなりして、なるべくストレスを溜めない生活を心がけるべきだろう。
ビタミンCが豊富な果物や、DHAを多く含む青魚、ダークチョコレートなど、 ストレスを抑えてリラックスできるといわれる食品を取り入れてみるのもいいかもしれない。無理なダイエットでストレスを溜めては、本末転倒というものである。
    
       
今回の記事は主に、コルチゾールがストレスに対応するためのものとして紹介されていますが、アトピー性皮膚炎の方は、「痒み」に関わる部分もあります。
続きは明日にしたいと思います。

                           
おまけ★★★★東のつぶやき

ストレスが、生体にいろいろな影響を与えることは知られていますが、その理由について研究が進むことは、いろいろな方面に役立ちます。
コルチゾールの多量分泌と、体重増加・肥満リスクのどちらが先に生じたのか因果関係はわかっていないようですが、このあたりも今後研究が進むとよいですね。

2017年4月22日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                
体を動かすことは、メタボ対策とか健康維持に大切だけど、運動のし過ぎはマイナスになることもあるみたいだね。
        
         
●運動するほど老化が進む!? 「1日1万歩」ウォーキングはキケン 一生懸命、毎日実践しても…
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170413-00051423-gendaibiz-bus_all
        
▼「歩数自慢」に意味はない
60過ぎたら健康のため「一日一万歩」歩かなければと思い込み、一生懸命、毎日実践している人も多い。
だが、『やってはいけないウォーキング』(SB新書)の著者で、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏は「それは大きな間違いだ」と語る。
「私たちは、17年間、群馬県の中之条町に住む65歳以上の方、5000人を対象に調査し、その内500人には24時間活動量計をつけてもらい、モニタリングしてきました(現在も調査は続行中)。
その結果、一日8000歩が健康効果の最大値で、それ以上は頭打ちになることが分かったのです。頑張って一万歩以上歩いたとしても、ほとんどすべての病気において効果が見られませんでした。
それどころか60歳を過ぎてのウォーキングのし過ぎは、身体に弊害すらもたらすことが分かってきました」
弊害の代表的なものが、膝や腰などの「関節痛」だ。高齢者の中には過度なウォーキングによって膝の軟骨が擦り減ってしまい、関節を痛め、人工関節手術を受けざるを得なくなった人もいるという。
健康運動指導士で「一般社団法人ケア・ウォーキング普及会」の代表理事を務める黒田恵美子氏もこう語る。
「よく『私は一日2万歩歩いています! 』、『私は2万5000歩です! 』と自慢される方がいますが、それはやりすぎだと思います。そういった人の多くが、歩きすぎによる膝痛、腰痛だけでなく、外反母趾や開帳足、魚の目といった足のトラブルを抱えています。
さらに間違った歩き方のまま長時間歩くことで、神経を痛めてしまう人もいます。せっかく健康のために歩いているのに、日常生活に支障が出てしまっては元も子もありません」
たとえばガニ股で歩き続けていると、インナーマッスル(深部の筋肉)や骨盤底筋が弱り、尿漏れが起こりやすくなる。女性の場合、内股で歩く人も多いが、それにより膝が変形し、将来寝たきりになる可能性もある。
       
(以下、中略)
       
        
記事の全文は長いので、リンク先で確認してね。
注意して欲しいのは、運動そのものが体に良くないのではないということ。
ウォーキングの目標として良く言われている「1万歩」が、実は健康効果の最大値をすでに超えて「歩きすぎ」ではないのか、ということろだね。
分母は5,000人で実施している調査だから、それなりに信頼性は高そう。
年齢が高い方の場合、歩き過ぎは怪我などの元になることもあるし、歩き方の問題でどこかの部位に影響を与えている場合、その部位を故障することもあるから、歩き過ぎは逆に良くなり、というのが記事の趣旨みたいだね。
もちろん、「体を鍛える」という目的の場合には、この「効果がある歩数」はまた別の数値になるのだろうけど、こと「健康維持」を目的とした場合の歩数は、実は1万歩ではなかった、というのは面白い結果だよね。

                         
おまけ★★★★大田のつぶやき

「運動」を行う場合、大切なのは、「目的」になります。
その目的によって、行う運動の「量」が異なってくるからです。
今回の記事のように、一般的な「目標」とする数値が、実はもう少し下にあった、というのは、こうした大規模なエビデンスを積み重ねることで初めて分かってくるものなのでしょう。
もちろん、今後の研究が進めば、また違った答えが導き出されることもあるかもしれませんが、現時点の情報として「健康維持には8,000歩で良く、1万歩は必要ない」ということは覚えておいて良いかもしれません。

2017年4月21日

ジョシュアです。


 

 

 

                

 
気温が急にあがってきましたね。
汗対策や紫外線対策は、しっかり行うように気をつけましょう。
冬も終わり、薄着でお出かけの機会が増えてくる時期です。
今日は、アトピーの特に女性の方に大人気の、お好きな色のファンデーションをプレゼントします。
          
       
          
                                
            
  
◆プレゼント
プルルリキッドファンデーションを抽選で3名様に
※オークルかナチュラルのどちらか一つ
             
詳しくは、下記でご覧ください。
   
 
     
◆プルルリキッドファンデーション(オークル)
http://shop.atopinavi.com/item/more?goods_id=62

◆プルルリキッドファンデーション(ナチュラル)
http://shop.atopinavi.com/item/more?goods_id=63
  
お肌に刺激となる成分を抑えて作りました。肌をケアするヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン、リピジュアなどをたっぷり配合。従来のファンデーションとは違い、肌の水分や汗となじむことがないので、てかりや乾燥がなく、メイクが長持ちします。UVカット効果もあります。
  
 
◆あて先
info@atopinavi.com

 

◆必要事項
メールの件名に「プレゼント応募」と記入して、本文には、ご応募者の方の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、ご希望の色(オークルかナチュラル)を明記して送信してください。
当選者発表の際は、県名、お名前(フルネーム)、年齢で発表しますので、気になる人はペンネームも書いて下さい。
 

◆締め切り
今回は、GWがあるので5月7日(日)を締め切りとさせていただきます。
 
 
◆抽選&発表
5月9日に抽選します。
当選者の発表は、5月11日のブログにて!

 

◆注意事項
応募のメールはお一人様、一通のみとさせていただきます。
また、お名前、ご住所などの必須事項は忘れずに!

   
じゃあ、またね!

                   
 
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

ファンデーションは、リキッドタイプで塗りやすく、SPF値も15あるので、UV効果としても半日程度の外出に対応できます。
今回のご応募する際には、ご希望の色を書くのを忘れないように気をつけてね。

2017年4月20日

ジョシュアです。
 
  
  
  
  
  
 
 
 
 
 
            
 
 
 

今日は、4月7日のプレゼントの当選者の発表です!
いつもの通り、県名、お名前(ペンネーム)、年齢を表記しますので、チェックしてね!!
         
       
         
◆プレゼント
APシリーズのミニサイズ、パウチをセットで抽選で30名様に
 
 

 
              
           

発表です!
当選者の方は、次の方々です!
          
     
宮城県 メルシーさん(34)
埼玉県 稲本さくらさん(40)
東京都 ゆたんぽさん(24)
神奈川県 ハッピーさん(51)
新潟県 つよぽんさん(32)
新潟県 ふるさん(47)
富山県 中島和子さん(49)
静岡県 ぱんだちゃんさん(-)
愛知県 ティータイムさん(51)
愛知県 中村和子さん(56)
愛知県 なべさん(49)
愛知県 ぺこさん(39)
愛知県 堀尾直子さん(51)
三重県 かりんさん(44)
京都府 とんもりさん(52)
京都府 増田由美子さん(44)
大阪府 あきさん(35)
大阪府 やんかたんさん(46)
大阪府 中谷仁美さん(48)
大阪府 akiさん(43)
奈良県 生駒沙綾さん(20)
奈良県 井戸祐子さん(59)
奈良県 中島淑子さん(31)
奈良県 いちご大福さん(40)
和歌山県 森本景子さん(30)
岡山県 小野尚美さん(54)
広島県 ミンミンさん(47)
広島県 りんさん(49)
山口県 こまねずみさん(44)
愛媛県 三好陽子さん(43)             
        
        
以上、30名の方が当選しました!
おめでとうございました!
        
         
商品の発送は、GW前にお届けできるよう4月24日頃に行います。
お楽しみに!!

                     
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

明日も僕が登場です。
お楽しみに。

2017年4月19日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
アトピー性皮膚炎は、ヒトだけに生じる疾患ではなく、犬にも多い疾患なんだけど、犬のアトピーの新薬に関する記事が出ていたので紹介するね。
           
           
●アトピー性皮膚炎の犬に処方する新薬について教えてください
http://nichigopress.jp/live/live_sodan/141890/
         
Q うちの犬は小さいころからアレルギー体質で、いつも体のどこかをかゆそうにしています。最近、アトピー性皮膚炎に効く新しい薬が出たと聞きましたが、どんな薬なのかとても興味があります。この薬で治るのでしょうか。また副作用などの安全性も教えてください。
 (45歳主婦=女性)
          
A 犬の皮膚のかゆみを抑える新薬アポクェル/アポキル(APOQUEL)が、2016年からオーストラリアでも発売されました。成分名はオクラチニブ(Oclacitnib)です。この薬は犬のかゆみに対して即効性があり、安全性も高く、長年アトピーやアレルギーで苦しんできた犬にとって高い効果を発揮しています。
          
▼皮膚のかゆみの原因
          
犬のかゆみを伴う皮膚疾患で一番よく見られるのがアレルギーやアトピー性皮膚炎です。
アレルギーは、ノミや食物など特定の物質に対して免疫が過剰に反応してしまう疾患で、通常激しいかゆみを伴います。
アトピーは、体質や環境など複合的なものによって皮膚に炎症が起こる疾患で、原因がはっきりと特定できません。かゆみの度合いもさまざまで、眠りの妨げになるほどのかゆみを伴うこともあれば、足をぺろぺろと舐めるだけのこともあります。
         
▼かゆみの悪循環
       
皮膚にかゆみを感じると、その箇所をかいたりかじったりすることで細胞が傷ついて炎症が増幅します。炎症はかゆみの誘発物質を更に出すので、より強く高い頻度でかきむしり、どんどん症状が悪化してしまいます。皮膚炎の治療は、まずこのかゆみのサイクルを断ち切ることが重要となります。
        
▼従来の薬
        
これまでは、炎症とかゆみを抑える強い効果があるステロイド剤がよく使われてきました。しかし、ステロイド剤は全身への副作用も多いため長期使用は避けたい薬です。ステロイド剤より副作用の少ないシクロスポリン(免疫抑制剤)やワクチンでの減感作治療などがありますが、効果が出るのに4~6週間と時間がかかります。
       
▼アポクェル/アポキル(APOQUEL)
             
従来の薬と異なり、新薬アポクェル/アポキル(APOQUEL)はかゆみのシグナルを伝達する酵素(ヤヌスキナーゼ)を阻害することでかゆみと炎症を抑えます。ステロイド剤と同じほどの効果と即効性(4時間以内)がありながら、かゆみを起こすシステムに的を絞って作用するので、全身への副作用と免疫系への影響は最小限で済みます。また、ステロイド剤は抗炎症剤との併用ができなかったりなどの制約がありますが、この薬にはありません。
使用法については、最初の2週間は1日2回で、それ以降は1日に1回(または半量を2回)投与します。小さな錠剤なので無理なく与えられます。
まれに吐き気を催すといった副作用があるそうですが、当院の今までの使用で特に目立った副作用は経験していません。また、重度な感染症がある場合は悪化させる恐れがあるため使用できません。
アポクェル/アポキル(APOQUEL)は発売されてまだ1年足らずですが、既に多くの犬に対し良い効果が得られています。しかし、これはアレルギーやアトピーを治すものではなく、症状を抑えるだけのものです。薬を止めればかゆみはすぐ戻ってしまいます。費用はステロイド剤に比べるとだいぶ高くなります。犬の大きさにもよりますが、薬代は1日4~5ドル程です(100錠入りボトルで計算)。
         
            
ステロイド剤のような免疫抑制剤ではなく、サイトカインを調整する働きが主なよう。
この新薬の添付書もネットで公開されているね。
      
▼アポキル錠
http://www.maff.go.jp/nval/tenpubunsyo/pdf/apq_z003r.pdf
        
犬のアトピーは、年々増加しているようだけど、原因は分かっていないみたい。
ヒトの場合、皮膚のバリア機能などが関係するけど、「スキンケア」の機能は、毛に覆われている犬と覆われないヒトでは、全く同一ではないから、ヒトとは違う原因も考えられるみたいだね。
痒みを引き起こす仕組みは、ヒトも犬も似ているようだから、いずれヒトへの応用なども考えられているのかもね。
ただ、添付書を見ると、有効率は50~60%のようだし、またアトピーを治すのではなく、痒みを抑えるだけ、としっかり明示されているのは「良心的」に感じたね。

                     
おまけ★★★★東のつぶやき

犬のアトピーも、発症の原因は同一でなくても、痒みが生じる「仕組み」自体は、似たようなところがあるようです。
そのため、犬のアトピーに有効だったものが、その後、ヒトへの臨床が行われたこともあり、実際、TGFガード、Fグリンアップのように、有効性を示したサプリメントなどもあります。
犬もヒトも、より良い治療につながるような研究が進むと良いですね。

2017年4月18日

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
医学における答えは、基礎と臨床から構築されていきますが、その答えは、常に「一定」ということではありません。
少しずつ変化することもあれば、最初に「結論」と考えられていた答えが後に覆されることもあります。
          
            
●セロトニンとうつ病の関係を大きく見直すこととなる研究結果が発表される
http://gigazine.net/news/20170417-genetic-link-stress-depression/
            
数十人の国際的に著名な研究者たちが関わるメタアナリシスにより、セロトニン遺伝子・ストレス・うつ病などの相互関係について調べた2003年の研究結果は的外れな内容であった可能性が示唆されています。
科学者たちはこれまで長年にわたって、ストレスにさらされた人の脳内で「セロトニン」に関連する遺伝子がうつ病にどのような影響を及ぼすのかを研究してきました。「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」と呼ばれる抗うつ薬が臨床的にうつ病患者の症状をかなりの割合で和らげることからも、多くの科学者たちが「セロトニンに影響を及ぼす遺伝子の違いがうつ病の発症リスクと関連している可能性が高い」と考えていました。実際、「2003年に公開された著名な研究論文」では、遺伝子変異を持つ個体は生活上のストレスにさらされた時にうつ病を発症する可能性がより高い、と記しています。
          
この2003年の研究以降の十数年の間に多くの科学者たちがセロトニン・遺伝子・ストレスについての研究を行ってきたことから、ワシントン大学医学部の研究者たちは過去10年分あまりの調査データをメタアナリシスしたところ、セロトニン遺伝子・うつ病・ストレスという3つの要素の間に明確な関連性は見つけられなかったそうです。
「研究結果が間違っているかもしれない」ということはよくあることで、実際、オープンアクセスの科学雑誌PLOS ONE上で近年公開された研究の半分は再現可能もしくは実証したり時間をかけて証明されたりしたものではないとのこと。間違いを指摘される形となった2003年に公開された論文は、これまでに4000回以上にわたって同分野の研究論文上で引用されており、同研究論文を引用した「セロトニン遺伝子」「ストレスのかかる生活習慣」「うつ病リスクとの関連性」といったテーマの論文は100件以上発表されています。
今回のメタアナリシスの結果をまとめた論文はJournal of Molecular Psychiatry上で公開されています。研究グループを率いたのは医学と生物統計学の助教授であるロバート・C・カルバーハウス氏で、「我々の目標は、セロトニン遺伝子とうつ病に関するデータをすべて集め、内容を見直すことでした」「我々はすべてのデータで同じ統計分析を行って結果を組み合わせたあと、セロトニン遺伝子はうつ病が引き起こすストレス変化に影響を及ぼさないことを確認しました」としています。
これまで、同分野の研究では遺伝子変異を持つ患者はストレスを受けるとうつ病を発症する可能性が高いと言われてきました。メタアナリシスに携わった医学博士のラウラ・ジーン・ビェルト氏は「セロトニン遺伝子の変異により『ストレスを受けたときにうつ病に陥りやすくなる』という考えは、これまでとても合理的な仮説であった」と語っています。
        
ただし、今回の研究結果は、これまで考えられてきたような「特定の遺伝子がうつ病と関連している」ということを否定していますが、「ストレスがうつ病に関連していること」および、「遺伝学がうつ病に関連していること」はメタアナリシスの結果からも明らかだそうです。
なお、カルバーハウス氏とビェルト氏は、特定のセロトニン遺伝子がうつ病の潜在的危険因子から除外されたことで、研究者はうつ病発症に影響を与える可能性のある他の遺伝子や環境に焦点を当てることができるようになると述べています。
       
          
記事は、セロトニン遺伝子とうつ病、そしてストレスの間の関係に関するものですが、以前は関係性があると考えられ研究が進められてきたものが、遺伝子とストレスがうつ病に関係はしていても、そこにセロトニン遺伝子である必然性がないことが分かった、とあります。
このように、最初の研究で何らかの関係性があると思われた事柄が、その後の研究が進むことで、その関係性がなかった、とわかることは意外と多くあります。
アトピー性皮膚炎も、最初は即時型のアレルギーと考えられていたものが、遅延型の症例が多いことがわかり、やがて、アレルギーそのものがアトピー性皮膚炎の原因ではなく症状の原因であることが分かってきました。
当然、原因が異なれば治療法も変化するものですが、残念なことにアトピー性皮膚炎の場合、「原因の治療法」が見つからないこともあって、「症状の治療法」に終始している現状がありますが、いずれにせよ、こうした「医学の進歩」には、敏感になっておいた方が良いかもしれませんね。

                 
おまけ★★★★大田のつぶやき

こうした医学の進歩や発展に伴う「答えが違う」という事実は、その恩恵を享受するはずだった患者側にとっては、医学の「失態」に思えることもあるでしょう。
しかし、医学の場合、基礎と臨床を繰り返し積み重ねていくことでしか、結果を推測、そして検証することはできず、その道のりの中で、進んだり退いたりすることは避けられないことも確かです。
いろいろな情報の中で、特に医師や研究者が報告する情報を含めた中で、「自分に有益」な情報を見つけ出すことは難しいかもしれませんが、少なくとも、多くの情報に接しておくことは大切なのではないでしょうか?

2017年4月17日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、今回のテーマの最後になります。
昨日は、ステロイド剤の治療を反復継続して続けることが、症状の治療にはつながっても病気の治療に必ずつながるとは言えない、ということが問題点であることを述べました。

そして、この「問題点」の答えが、今回の新聞記事に示された「数値」ということが言えるでしょう。
「ステロイド剤を使用せずに経過を観察した」結果、乳幼児で75%、成人で80%もの症状の改善もしくは治癒に至った、とあります。
さらに乳幼児の場合は、23.7%が「完全に治癒した」とあるように、ステロイド剤で治療した場合の改善率とは大きく乖離した結果が出ています。

本来、アトピー性皮膚炎の原因は、個々人により異なり多岐にわたります。
特に、昔はアレルギーを原因として発症すると考えられていたのが、最近では「アレルギー」は症状である「痒み」の原因に過ぎず、アレルギーを引き起こす原因、つまり「アトピー性皮膚炎」の病気としての原因は、皮膚機能に潜んでいることが京都大学や慶応大学の研究で明らかになってきています。
もちろん、日本皮膚科学会が定めるガイドラインに記されている「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、?痒のある湿疹を主病変とする疾患であり」という定義で見れば、皮膚機能のみが原因とはいえず、中にはアレルギーを素因とした皮膚疾患もあることは確かでしょう。
しかし、いずれにしろ、アトピー性皮膚炎という疾患により生じる症状は「痒み」がもっとも患者を悩まさせるものであり、「痒み」をなくすことがアトピー性皮膚炎を治療していく上で重要であることは確かです。
今の医療は、この痒みという症状が改善されることが、アトピー性皮膚炎という病気を治癒させる「王道」と考えていることが、ある意味、「過ち」につながっているといっても良いでしょう。

本来、病気が治癒することで症状は治まるものです。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合には、症状を抑えることで病気が治る、と考えているわけです。
風邪で言えば、風邪を治せば高熱は下がる、という認識のはずが、なぜか高熱を下げれば風邪は治る、という治療が標準治療として行われていることが、一部のアトピー性皮膚炎患者(アトピー性皮膚炎全体から見れば10%程度の患者に)に「弊害」もたらしているといえるのではないでしょうか?

最近は、「プロアクティブ療法」を皮膚科医は推奨したがっているようです。
これは、簡単に言えば、ステロイド剤などを使用して症状が落ち着いた後も、一定期間、薬物治療を続けて、炎症が再発しないようにする治療法のことです。
ステロイド剤の大きな問題点は、長期連用による弊害から生じることがほとんどです。
この「プロアクティブ療法」は、本来、短期使用でリスクが最低限で済んだはずなのに、あえて長期連用する「リスク」を抱え込む恐れがあるのです。

なぜ、ステロイド剤治療を使用せずに経過観察しただけの方が治癒率が高くなったのか、あえてそこに「ステロイド剤治療」を加えることで、どういった「メリット」があって、どういった「デメリット」があるのか、しっかり考えて欲しいところです。
少なくとも、治療を施す側の医師は「メリット」は見えても、「デメリット」は見えていないのでしょう。
プロアクティブ療法で失敗した患者の多くが、症状が落ち着いてから一定期間ステロイド剤やプロトピック軟膏の塗布を続けて、やがて症状が元の状態よりも悪くなった時、医師からこう言われたそうです。

「元々もっていたアトピー性皮膚炎が、再燃したから、悪くなった」

20年以上前から、ステロイド剤治療を慢性的に受け続けた患者が聞いてきた言葉が、そこには変わらずありました。キーワードは「ステロイド剤の長期連用」という共通項です。
プロアクティブ療法を患者に施した医師は、結果的にプロアクティブ療法が症状の再発を招いた(=自分が行った治療法が誤っていた)、という説明を患者にすることは決してありません。もちろん、中にはプロアクティブ療法以外の原因が潜んでいることもあるかもしれませんが、再発の原因からプロアクティブ療法を「除外できる理由」もないことを患者側は知っておくべきでしょう。
そこに、「痒みを治す」ことを考える医師の姿はあっても、「アトピー性皮膚炎の原因」を考える医師の姿を見通すことはできません。
痒みを治す治療、アトピー性皮膚炎を治す治療、それぞれの治療が持つ「意味合い」と「違い」を正しく把握することはとても大切ではないでしょうか。

                    
おまけ★★★★博士のつぶやき

プロアクティブ療法は、最近の皮膚科医で行われる機会が増えているようじゃ。
もちろんそれが奏効を示すケースもあるのじゃろうが、逆にリスクを抱えるケースも出てきておる。
もちろん、使用の頻度は少しずつ間が空いてくるわけじゃが、ステロイド剤の場合、皮膚の細菌叢を乱すことで、体内のIgEを増強させることが分かっておるから、リスクを抱える時には、頻度の問題ではなく、使用したかどうかが問題になることは忘れないようにして欲しいの。

2017年4月16日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
昨日は、現在のアトピー性皮膚炎に対して皮膚科医が行う「標準治療」とは、アトピー性皮膚炎を直接治しているのではなく、痒みという「症状」を治しているのに過ぎない、そしてそこに問題点が潜んでいることを説明しました。

今回、紹介した新聞記事に示されていた数値をみると、ステロイド剤治療を行わない方が、「アトピー性皮膚炎の治癒率が高い」ことが分かります。
記事の中では、論文を発表した際の意見として、

                    
佐藤医師は3月半ば、大阪市で開かれた近畿小児科学会で発表した。会場の医師からは「ステロイド剤を使用せずに自然に治ったなら、アトピー性皮膚炎ではなかったのでは」「ステロイド剤を使っても、使わなくても、結果に大差がないならば、ステロイド剤を使ったほうがよく眠れたり、途中で皮膚をかきむしったりすることが少ないので、むしろ使ったほうがよい」などの意見が聞かれた。

                            
という内容が書かれていました。
この意見の中で特に、「ステロイド剤を使っても、使わなくても、結果に大差がないならば、ステロイド剤を使ったほうがよく眠れたり、途中で皮膚をかきむしったりすることが少ないので、むしろ使ったほうがよい」という部分に、今のアトピー性皮膚炎治療の課題が見え隠れしているように感じます。

アトピー性皮膚炎患者の、もっとも大きな悩みは言うまでもなく「痒み」です。
したがって当然ですが、診療を受けた際に訴えることは「痒みをなくすこと」になります。
そこで治療を行う医師も、患者の訴えに最大限答えるため、「痒みを抑える治療」を選択、さらにそれが皮膚科学会で定める「標準治療」ならばなおさらでしょう。
問題は、そこで行われる「痒みを抑える治療」のリスクコントロールを少なく見積もっていることです。
「患者の今」を優先した治療を施し、「患者の未来」におけるリスクとダメージをそこに加味することがないため、こういった「大差がなければ使わない」ではなく「大差がなければ使う」という選択肢を優先してしまうのでしょう。
ここにも「症状」と「病気」の、いずれに対応しようとしているのか、という差も現れているように思います。
病気に対して向き合うのであれば(使用しても使用しなくても治癒結果に大差がなければ)、リスクを抱える治療を優先することはないはずです。症状に対して向き合うのであれば、使用することと使用しないことで、「直近の症状の経過」には「大差」がみられることは確かですので、使用する選択肢が優先されることになるのでしょう。

昨日、風邪と高熱の例を述べましたが、今回の医師の言葉を置き換えてみると良く分かります。

「(風邪で高熱がた場合)解熱剤を使っても、使わなくても、結果(風邪が治るかどうか)に大差がないならば、解熱剤を使ったほうがよく眠れたりするので、むしろ使ったほうがよい」

となります。
しかし、「高熱」が出ることこそが、風邪に対して自然治癒力が働いている証です。
数多くの論文で、解熱剤を使用することで「風邪の治りが遅くなる」ことは証明されており、熱を抑えることが風邪の治療として「必ず正しい」というわけではないことは、広く知れ渡っていると思います。
もちろん、高熱を放置することで体力の消耗が激しくなる場合など、解熱剤を積極的に使用しなければならないケースもあるでしょう。しかし、風邪=解熱剤、と一律に決めることは、基本的に治療としてマイナス要因を抱えることになります。

アトピー性皮膚炎も同様で、ステロイド剤を「必要」とする炎症状態はもちろんあり得ますから、一律にステロイド剤が不必要、というわけではありません。
しかし、少なくとも短期使用による経過観察、ではなく、一律的に長期連用しながら症状を抑えることを(実質的に)推奨することは、症状の治療にはつながっても病気の治療に必ずつながるとは言えない、ということが「問題点」なのです。

明日は、この「問題点」について見ていきましょう。

                  
おまけ★★★★大田のつぶやき

最近のアトピー性皮膚炎は、昔のアトピー性皮膚炎と病態が異なる様相が見られます。
つまり、一つの疾患として「アトピー性皮膚炎」という言葉が存在していますが、原因が異なる「病気」とも考えられ、見方を変えれば「アトピー性皮膚炎症候群」として捉えた方が良いのかの知れません。
異なる原因に、同じ治療を「当てはめよう」としていることが、治療を難しくしている側面があることは知っておくべきでしょう。

2017年4月15日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                
今日は、昨日の続きです。

昨日紹介した記事の中で、ポイントは「ステロイド剤使用せずに経過を観察した結果」と「ステロイド剤治療を行った結果」の差異が明示されていたことでしょう。
       
        
▼ステロイド剤を使用せずに経過を観察した場合
→2015年、7医療施設でアトピー性皮膚炎の患者300人を対象に6ヵ月実施
「症状がよくなった」か「完全に治癒した」改善率は乳幼児で75%、小児で52%、成人で80%だった。特に乳幼児では118人のうち28人がアトピー性皮膚炎の症状が消え、完全に治った。
        
         
▼ステロイド外用剤を使った場合の効果を調べた場合
→古江増隆・九州大教授らが2003年に発表した研究報告より
改善率は乳幼児で36%、小児で40%、成人で37%だった。
         
       
調査対象も調査時期も違いますので、一律に比較することはできませんが、ステロイド剤そのものが2003年当時から大きく変化したとことはなく、この改善率の差は乳幼児や成人で倍近くあることを考えると、無視できるものはないでしょう。

そして考えなければならないのは、日本皮膚科学会がアトピー性皮膚炎の診療において、プライマリーケアの段階から高度の専門性が要求される段階までの患者を診療する、皮膚科診療を専門とする医師を対象として2000年に作成、2003年、2004年に改定した「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」、そしてその後、さらに2008年、2009年には、アトピー性皮膚炎の診断基準、重症度分類、治療ガイドラインを統合、最新の改定版が昨年2016年に発表された「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」の存在と言えます。

2000年に制定されてから2016年の最新改定版まで、一貫して「治療の主体」は、ステロイド剤など免疫抑制作用を持つ薬剤を中心とした「対症療法」であることが明示され、さらにその安全性について「科学的に実証されている」とも明示し続けていますが、実際には、患者側から発信される安全性に対する疑問の声は、少々言葉が乱暴かもしれませんが、「アトピー性皮膚炎の悪化に過ぎない」という言葉で黙殺し、さらに安全性を疑問視する科学論文については、「根拠に乏しい」という言葉で封殺し続けています。
本来、科学的エビデンスに基づき検証された結果について反論するならば、同じく科学的エビデンスで示されなければなりません。
しかし、「権威ある専門医が言うのだから正しい」という十分な根拠が示されているとは言い難い言葉で反論し、その反論こそが「正論」であると吹聴している現状は、少なくとも、ステロイド剤やプロトピック軟膏による副作用のダメージが考えられる患者にとっては、許されるべきものとは言えないでしょう。なぜなら、そうした患者のほとんどが、「専門医の指導の元に薬物治療を受け続けてきた」からです。

もちろん、アトピー性皮膚炎の治療法として、ステロイド剤やプロトピック軟膏が「悪者」ということではありません。
おそらくアトピー性皮膚炎患者の「ほとんど」は、ステロイド剤の治療により寛解状態もしくは治癒状態までもっていけているはずです。
アトピー性皮膚炎患者(約800万人)と、重症化した患者(約80万人)の数などから、ステロイド剤の使用により9割程度の患者は、短期で寛解状態もしくは治癒状態まで持っていけると推定されているようです。
では、何が問題なのか?
それは、ステロイド剤の「長期連用」によるダメージを、過小評価している部分です。つまり、短期の薬物治療で治らず、長期連用に至る可能性がある1割の患者を、ある意味「例外」としているところです。
短期使用で済む患者であれば、ステロイド剤の治療もプロトピック軟膏の治療も、問題を抱えることはなく、QOL(生活の質)を落とさずに過ごせることを加味しても、「正しい治療」とも言えるでしょう。
しかし、いったん長期連用に至れば、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤の連用が、皮膚の細菌叢を乱す、体内のIgEを増強する、などアトピー性皮膚炎の悪化因子となりうる側面を持つことで、「慢性化」への道へと「誘導」することもあり得ます。

さらに、言えば、ステロイド剤やプロトピック軟膏など免疫を抑制する薬剤は、そもそも直接アトピー性皮膚炎を「治癒」させるための働きはありません。
痒みとはアトピー性皮膚炎という「病気」によって生じた「症状」であり、それらの薬剤が「治せる」のは、「病気」ではなく「症状」なのです。
風邪を引いた際に高熱が出て、解熱剤を飲むと、高熱は下げることができますが、風邪のウィルスや細菌そのものを解熱剤が「直接退治する」働きはないのと同じで、ステロイド剤などは、アトピー性皮膚炎により生じた痒いという「症状」は治せても、アトピー性皮膚炎という「病気」そのものを「直接治す」働きはないのです。
もちろん、解熱剤を飲むことで高熱がもたらす消耗などを防ぐことで、間接的に風邪に対応することがあるように、痒みを抑えることで眠れるようになったり、掻き壊しを防ぐことで皮膚のバリア機能の低下を防ぐなど、間接的にアトピー性皮膚炎という「病気」にアプローチすることは可能でしょう。
しかし、「治療」としてみるならば、ステロイド剤やプロトピック軟膏などの薬剤が持つ働きは、アトピー性皮膚炎を治すことではなく(風邪を治すことではなく)、痒みを抑えること(熱を抑えること)なのです。

そして、その結果が、まさしく今回の記事の示された数値に反映されていると考えられます。
続きは明日にしましょう。

                       

おまけ★★★★南のつぶやき

このブログでも、ときどき説明していますが、「病気」と「症状」は、指している意味合いは同じように見えても、実際には全く異なります。
しかし、治療を受ける患者側だけでなく、ときには治療を施す医師側も、この二つを混同して捉えているケースを見受けます。
もちろん症状を治すことは病気を治すことにつながることがあるわけですが、そこには「必ず」という言葉が無いことを忘れないようにしましょう。