2017年11月19日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
気温も下がり、本州でも初雪が観測されました。これから、季節はどんどん冬に向かっていきます。寒い時期は、入浴が心地よく感じやすい時期です。
しかし、入浴は、アトピー性皮膚炎の方にとって、大きなメリットを生むこともありますが、入浴の方法を誤るとデメリットにつながる「諸刃の剣」とも言えます。
冬の時期の入浴について考えてみましょう。
         
■冬の時期の入浴
         
もっとも頻繁に目にする誤った入浴方法として注意が必要なのは「入浴温度」です。
入浴がアトピー性皮膚炎に対して効果をもたらすのは、「ジワッとした汗をかくことによるスキンケア」と「冷えの解消」の二つの面です。
ジワッとした汗は汗腺から放出される際、汗腺の中にある皮脂腺から皮脂を分泌させます。そして汗が皮脂と乳化することで、皮脂膜を形成します。これが自分の力で行う「スキンケア」です。それに対して、運動したあとなど、体温を気化熱により下げるためにかく急激な汗は、皮脂をあまり伴わず、スキンケアには役立ちません。汗がスキンケアとして役に立つためには、じっくりかくことがポイントになります。
入浴温度が低ければ、この「ジワッとした汗」につなげることができますが、入浴温度が高いと、体温を下げるための「急激な汗」につながり、角質層からの水分蒸散を伴うことで肌は「乾燥」に向かいます。
そしてもう一つが冷えの解消です。
体温は、内臓や筋肉、骨などで作られ、血液によって運ばれます。「冷え」というと「手足が冷たい」状態をイメージする方が多いようですが、この手足が冷たい状態は「冷え」の結果によるもので、原因は、熱を運ぶための血流が悪い状態にあります。つまり、冷えの状態とは、「血流が悪い状態」を指している、ということです。
ヒトの体温は、表面温度で36度前後、深部温度で37~38度と言われています。40度以上で入浴を行うと、40度の熱が皮膚の表面から血液循環により深部に運ばれますが、体の深部が40度以上を継続すると、内臓機能に大きな支障が出るため、体は、辛く感じさせたりすることで入浴を終わらせるように促します。同時に、体内に向かう血流を悪くして、少しでも熱の伝達が遅くなるように働きます。それに対して、皮膚表面は、早く体温を下げるために、血液が集まり赤くなって、急激な汗をかこうとします。
つまり、40度以上の温度で「長時間」入浴することは、体にとって、「冷えの状態」と「肌の乾燥」の2つのマイナス面を生じさせることになるのです。
        
・39度以下での入浴
→ジワッとした汗をかくことで、スキンケアを行う訓練になる
→血流を良くして冷えの解消につながる
          
・40度以上での入浴
→急激な汗をかくことで、肌を乾燥させる
→深部に高い温度を伝えないよう、内部の血流が悪くなる
          
寒くなる時期、どうしても早く「温まる」ことを意識して、入浴温度が高めになる傾向があります。
「正しい入浴」は、アトピー性皮膚炎に対して大きなプラスを生みますが、「正しくない入浴」は、逆にマイナスにつながること、そしてその基準となるのが「入浴温度」であることを忘れないようにしましょう。

                             
おまけ★★★★大田のつぶやき

入浴の方法、お肌の状態など、疑問な点や心配な点があれば、お気軽にアトピー相談室までご相談ください。

■アトピー相談室 0120-866-933(受付時間10時~19時)

2017年11月18日

こんにちは。南です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
かなり前に、ブログでも話題を取り上げましたが、横浜市で取り組んでいる食物アレルギーの子どもに、アレルゲンとなる食物を少しずつ摂取することで食物アレルギーを克服しようとする取り組みで、問題が生じたようです。
         
         
●食物アレルギー治療の臨床研究 子どもが一時心肺停止に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171114/k10011222901000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
          
横浜市にある病院で、食物アレルギーを治療する臨床研究に参加していた子どもが、重いアレルギー症状を起こして一時、心肺が停止して治療を受けていることがわかりました。病院は「最善の努力をもって対応していく」としていて、専門の学会は同じような事例が起こっていないか、全国の医療機関を対象に緊急の調査をはじめました。
食物アレルギーでは、原因となる食べ物を少しずつ食べることで治す「経口免疫療法」という治療法があり、横浜市にある神奈川県立こども医療センターでは、患者200人に対して入院させて安全を管理した状態でアレルギーの原因の食べ物の摂取量を徐々に増やし、退院後も一定量の摂取を続ける「急速法」と呼ばれる臨床研究を行っていました。
病院によりますと、ことし、この臨床研究に参加していた牛乳アレルギーの子どもが、入院を終え医師の指導のもと、自宅で牛乳を飲み続けていましたが、およそ3か月が経過して牛乳を飲んだ直後に重いアレルギー症状があらわれ、一時、心肺が停止して脳に障害が出て、現在も治療を続けているということです。
病院は、臨床研究に参加しているほかの患者に対し、変化があればすぐに連絡するよう注意を促すとともに、緊急時の対処法も改めて周知したうえで、「患者様・ご家族様のお心を察するに余りあるものがあります。この事態に取りうる最善の努力をもって対応してまいります」としています。
また、専門医で作る日本小児アレルギー学会にも報告され、学会では、食物アレルギーの診療を行っている全国330の医療機関を対象に、治療や実際に食べ物を食べて行う検査などの過程で、重い症状が出た事例がないか緊急の調査をはじめました。
調査を行う国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師は「どれくらい重篤な事案が発生しているのかその実態はよくわかっておらず、調査を通じてどこに問題があったのかや避けられることなのかなどを検討したい。臨床研究を行う施設には改めて安全を担保したうえで取り組んでもらいたい」としています。
      
▼緊急調査の狙い
       
今回の緊急調査では、医療機関で重篤な症状がでたケースがどれくらいあるのか、実態を把握することに加え原因を探って、安全性を追求しようというものです。
調査では、全国の330の医療機関を対象に呼吸困難になるなど、気道を確保する緊急対応が必要になったケースや、集中治療室で治療を行ったケース、それに、脳の障害など重い症状にいたったケースなどを聞き取ります。
また、後遺症が残ったかどうかも調査し、それぞれのケースの共通点などから、原因を検討していくということです。
調査を担当する国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師は、「こうした治療は安全性を高めていく方策を模索してる段階で、研究的な取り組みだ。この調査の実施によって食物アレルギー診療に関わるすべての医療従事者は重篤なアレルギー症状が出ることがあるということを共通認識として持ってほしい」と指摘しています。
       
▼専門家は
        
国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師は、「経口免疫療法」を受けている患者に対しては、この治療法では症状が出ないようにより安全な量で行うなどのさまざまな方法があり、不安に感じる場合は、改めて治療の安全性について、医師と相談してほしいとしています。
また、「栄養食事指導」を受けている患者について、アレルギーの原因となる食べ物の完全な除去は、逆にアレルギーを重症化させてしまうおそれなどが指摘されていることから、これまでどおり、医師の指導を受けながら必要最小限の除去を心がけてほしいとしています。
       
▼食物アレルギーの管理・治療法
      
食物アレルギーは、卵や牛乳、それに小麦などの食べ物を摂取することで皮膚や呼吸器などのさまざまなところにアレルギーの症状があらわれるものです。
発症する患者の数は年齢が0歳の時が最も多く、その後、成長に伴って低下するとされていて、過去の研究では、乳児の5%から10%に食物アレルギーの症状が出たと報告されています。
そして、成長するのに伴って自然によくなる人もいて、それまでの間、医師などによる「栄養食事指導」という方法が一般的に行われています。
この方法では、アレルギーの原因となる食べ物を症状が出る量以上は摂取しないようにして、不足する栄養などについては、指導を受けて別な食材で補うようにします。
一方、食物アレルギーを積極的に治療する方法として試みられているのが、「経口免疫療法」と呼ばれる治療法です。
成長の過程でアレルギーの症状が早期によくなることが期待できない患者に対して行われるもので、少しずつ食べる量を増やしながら耐性をつけ、症状を出さずに上限を増やしていく方法です。
専門家によりますと、「経口免疫療法」は世界でも日本が先進的に取り組んでいる治療法で、2年前の平成27年の時点で全国でおよそ8000人の患者がこの治療法を受けているという報告があります。
この治療法の中には食べる量を増やす初めの段階で、ゆっくりと量を増やす「緩徐法」や急激に増やす「急速法」など複数の方法があるとされています。
日本小児アレルギー学会の診療ガイドラインでは、一部の症例に効果があるとする一方、治療中に全身に症状が出るアナフィラキシーなどの重篤な症状が出ることがあるほか、治療が終わったあとに症状が出る場合もあるなどの問題があるとされ、一般診療としては推奨されていません。
このため学会では、この治療法を行う場合は、食物アレルギー診療を熟知した専門医が行うことや、症状が出た場合の救急対応の準備をしっかりと行っていることなどを条件に臨床研究として慎重に行うことを求めています。
         
         
今回の事例について、事故の原因などは明らかにされていないようですが、基本的に「医療」「治療」で、「ノーリスク」なものは非常に少ない、ということなのでしょう。
リスクとベネフィット(効果)のバランスから考えて、ベネフィットが明らかに高ければ、リスクの恐れがあっても、その治療を行う意味合いがあることは確かです。
ただ、そのリスクが、今回のように重大なものであった場合、どうしても家族は辛い思いをすることになるでしょう。
難しい問題ですが、リスクの評価をしっかり行い、今後、同様のケースをいかに防ぐかも検討して欲しいですね。

                            
おまけ★★★★博士のつぶやき

食物アレルギーについては、医師や研究者により、意見が分かれる部分もあるよじゃの。
もちろん、患者の「アレルギーの原因」が異なれば、その対応も異なる部分があって当然なのじゃが、その「異なる」部分を明らかにすることで解決する問題もあるように思う。
多方面からの研究を進めて欲しいものじゃ。

2017年11月17日

ジョシュアです。


 

 

 

 

                  
冬が近づいています。
寒さが厳しくなり始めた当初が、もっとも気をつけたい時期ですね。
保水はもちろん大切ですが、同時に、肌に与えた水分を「維持」させるための「保湿」もしっかり行いましょう。
今日は、保湿に役立つ安然宣言スキンオイルΩを3名様にプレゼントします。
         
         
               
  
◆プレゼント
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詳しくは、下記でご覧ください。
   
 
     
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天然植物オイルのホホバオイルを主原料にしたしっとりタイプ。ホホバオイルは皮脂の一成分であるロウエステルと同じ構造をもつため、肌に親和性があり、ハリや潤いを与えるのには最も肌になじむしっとりオイルとされています。また、皮脂成分の一つであるラノリンを配合することにより、皮脂膜の形成を助け、角質層から潤い成分を逃がしません。保湿力も強いため、強い乾燥肌の方に最適。しみることが少なく、ダメージを受けた肌にも安心してお使いいただけます。

  
 
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◆必要事項
メールの件名に「プレゼント応募」と記入して、本文には、ご応募者の方の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記して送信してください。
当選者発表の際は、県名、お名前(フルネーム)、年齢で発表しますので、気になる人はペンネームも書いて下さい。
 

◆締め切り
11月26日(日)を締め切りとさせていただきます。
 
 
◆抽選&発表
11月28日に抽選します。
当選者の発表は、11月30日のブログにて!

 

◆注意事項
応募のメールはお一人様、一通のみとさせていただきます。
また、お名前、ご住所などの必須事項は忘れずに!

   
じゃあ、またね!

                   
                     
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

安然宣言スキンオイルΩは、あとぴナビで最初に作れらたスキンケアアイテムの一つです。
ホホバオイルも配合されていて、とても刺激が少なく、しっかりした保湿力を持っているので、これから乾燥する季節、気になる方は、お気軽にご応募くださいね。

2017年11月16日

ジョシュアです。
 

  
  
  
  
  
 
 
 
                
 
 
 
 
 

今日は、11月3日のプレゼントの当選者の発表です!
いつもの通り、県名、お名前(ペンネーム)、年齢を表記しますので、チェックしてね!!
なお、今回は、応募も多かったので、プレゼント本の数を2倍の20冊に増やしました!
         
       
         
◆プレゼント
「二子玉川物語 バー・リバーサイド2(吉村喜彦著)」を抽選で20名様に
          
 
              
           

発表です!
当選者の方は、次の方々です!
          
     
北海道 湯ったりさん(55)
青森県 きのこのこのこさん(48)
山形県 堂島絵里香さん(25)
茨城県 あきさん(48)
千葉県 グスタ子さん(49)
東京都 香桜里さん(47)
神奈川県 レッサーさん(44)
神奈川県 山田康恵さん(56)
福井県 隈田陽子さん(43)
岐阜県 車田くるみさん(19)
静岡県 吉田綾子さん(33)
静岡県 永田啓美さん(44)
滋賀県 びいどろさん(22)
大阪府 やんかたんさん(46)
兵庫県 イノさん(45)
奈良県 生駒沙綾さん(21)
岡山県 小野尚美さん(54)
愛媛県 松林薫さん(33)
佐賀県 まふまささん(56)
鹿児島県 サラマンダーさん(30)

           
        
        
以上、20名の方が当選しました!
おめでとうございました!
        
         
商品の発送は、来週中の予定です。
お楽しみに!!

                    
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

明日も僕が登場です。
お楽しみに。

2017年11月15日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、今回の記事の最後です。

脱保湿のメリットとデメリットは、これまで述べた通りです。
アトピー性皮膚炎の治療法として、理論的には理想的な部分はありますが、実際に行う上では、クリアしなければならないハードルが高く、そして実現するために必然的ではなく偶発的な要因が必要にもなるため、「確実性」が高いアトピー性皮膚炎の治療法とは言いづらい部分が多いのは確かでしょう。

また、医師が「脱保湿」を行う場合、果たして本当に「脱保湿」を行っているのか、という問題点がみられるケースもあります。
例えば、脱保湿を行う医師の中には、何らかの塗布薬などを処方する先生もいます。
もちろん、感染症など肌の状態に合わせて必要ならば、そうした薬の処方が必要で会っても当然なのですが、もし「保湿剤」を異物とするならば、「薬」を異物としない理由はどこにもありません。
薬こそ、体にとっては「刺激」となり得やすい物質であり、だからこそ効果も見られ、副作用が見られることもあるわけです。
塗布薬を反復継続している段階で、本来の「脱保湿」の考え方には沿っていない、といえるでしょう。
これは、一般の塗布薬だけでなく、その医師が特製の何かであっても、皮膚に塗布させた段階で、本来の脱保湿の考え方とは異なる治療法と言えます。

もちろん、だからといって、その医師の治療法が誤っている、ということではありません。単に、その治療法は「脱保湿」ではなく、単なる「脱ステ」の治療法、というだけです。ただ、脱保湿の考え方を、その治療法の「必要性」として患者に説明しているならば、少々、問題があると言わざるを得ないでしょう。

あとぴナビでは、基本的に「脱保湿」の考え方を否定してはいませんが、それを行うためには、先に述べた「汗をかけること」「乾燥状態が季節により変動が大きいこと」などの条件が必要だと考えています(後者の季節変動は、汗をかける時期に、脱保湿を行えば、少しでも自分の力でスキンケアに繋がりやすいため)。
しかし、そうした条件が揃うアトピー性皮膚炎の方は多くなく、そもそも汗をかける人ならば、ステロイド剤治療を長期間継続するまでに至ることはなかったとも考えられます。
少なくとも、「脱ステ」を考えなければならないくらい長期間、ステロイド剤によるアトピー性皮膚炎治療を続けてきた理由の一つが、自らスキンケアを行う力が弱かったことで、バリア機能が適切に維持されなかった、とも言えるからです。

アトピー性皮膚炎の治療法は、「一つ」しかないわけではありません。
個々人ごとに、解決すべき原因を見極め、対処していけば、症状の改善には必ず繋がっていきます。そして、その「原因」が個々人ごとに異なる以上、「治療法」も個々人ごとに異なる、と考えても良いでしょう。100人のアトピー性皮膚炎の人がいれば、その治療法は100通りある、と言われる所以です。

脱保湿、という方法も、アトピー性皮膚炎にとって有効な治療法となるケースはあるでしょう。しかし、それは「全員のアトピー性皮膚炎の方に」というわけではありません。
ほとんどのアトピー性皮膚炎の方は、特に最近のアトピー性皮膚炎の発症原因と悪化要因が、皮膚機能にあると考えられている中では、皮膚の機能を維持させるための「治療」そして「ケア」はとても重要なポジションを占めているとも言えます。
脱保湿を行っている方、そしてこれから行おうと考えている人は、「脱保湿が成功する条件が整っている」かをしっかり見極めるようにして欲しいと思います。

                     
おまけ★★★★博士のつぶやき

あとぴナビでは、絶対値の問題から、長年アトピー性皮膚炎に悩んでいる人の場合、脱保湿が有効な人よりも、スキンケアを実践した方が有効な人の方が多い、と考えておる。
もちろん、さまざまな意見がそこにはあるのじゃろうが、自分にとって、適した「治療法」を実践できるようしたいものじゃ。

2017年11月14日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、脱保湿のもう一つの問題点を見ていきましょう。

                    
・自分の力でスキンケアを行う問題

ヒトが行う「スキンケア」の役割の中心は「バリア機能」を維持させることにあります。
その「スキンケア」の中身は、いくつもの種類があるのですが、最も中心となる役割が「皮脂膜」です。

汗腺から汗が出る、そして汗腺の中にある皮脂腺から汗が出るときに皮脂が分泌される、その汗と皮脂が乳化することで作られるのが「皮脂膜」です。
この皮脂膜は、皮膚を弱酸性に保つことでウィルスや細菌などの侵入を防ぎ、また同時に角質層からの不要な水分蒸散を抑える働きもあります。
そうすることで、角質層には水分が十分に保たれ、表皮で形成されている細菌叢(フローラ)は、表皮ブドウ球菌など有益な菌で占められることになるわけです。

前者の角質層の水分が保たれなければ、バリア機能の低下だけでなく、昨日述べた痒みの神経線維の問題に繋がります。
後者の細菌叢が健全な状態に保たれなければ、黄色ブドウ球菌のデルタ毒素の問題など、アトピー性皮膚炎発症、そして症状悪化の要因に直接繋がってきます。

スキンケアを自分の力でしっかり行えているかどうかは、バリア機能が健全に保たれているか、に大きく関わり、バリア機能の問題は、アトピー性皮膚炎の発症と症状悪化に関わっているわけです。
このように「皮脂膜」を上手く形成できるかは、「脱保湿」にとって、最も大きな「キーポイント」と言えるでしょう。

脱保湿を行っている方は、角質層が乾燥しようとも、掻き壊してバリア機能が低下しようとも、この「皮脂膜」の再生を「ひたすら待つ」状態にあると言えます。
そして、この「皮脂膜」の形成が、脱保湿を辛く、より困難な方法にしているともいえます。

なぜなら、子どものアトピー性皮膚炎のようにアレルギーが原因となった生じたアトピー性皮膚炎は別にして、成人型のアトピー性皮膚炎に多く見られる「皮膚機能が原因」となったアトピー性皮膚炎は、皮脂膜が上手に作られていなかったことを「起点」にしていることが多いからです。
アトピー性皮膚炎の方にお聞きすると、「汗をかかない」「汗をかきづらい」という人は多くいます。また、「汗をかくと痒いので汗をかかないように工夫している」という人も多くいます。
しかし、「皮脂膜」は、汗をかかない限り、バリア機能を適切に維持できるだけ形成されることはありません。

「汗」は、アトピー性皮膚炎にとって、マラセチア菌などの問題による症状悪化につながりやすい要因なのですが、同時に、アトピー性皮膚炎を根本から解決するために必要な「要素」でもあるのです。
過去、あとぴナビでは、脱保湿を行っている方のご相談は多数受けていますが、成功した方は1~2割程度です。ほとんどの方は、1年以上続けても成果が見られず、強い痒みに耐えられなくなり、脱保湿から他の治療へと変わっていきます。

そして、脱保湿に「成功」した方の共通点を見てみると、汗をかきやすい方、でした。
自分の力で行うスキンケア=皮脂膜=汗が必要、なのですから、当然と言えば当然です。
汗をかくための「汗腺」とは、生後間もなく決定して、その後増減することはない、とされています。
つまり、汗をかきやすいか、かきづらいかは、生後間もない環境に左右されている、ということです。
最近の子どもたちは、汗腺の数が少ない子が多いそうですが、その理由は、空調が効いた生活環境内で過ごすようになったことで、「汗をかく」必要性が薄くなってきたことが考えられているようです。

このように、脱保湿には「痒みの神経線維の問題」と「自分の力でスキンケアを行う問題」の二つをクリアする必要があり、共通するための条件を整えることは、特に汗をかきづらい状況の方にとっては困難であることが、脱保湿で成功しないもっとも大きな要因なのかもしれません。

明日は、脱保湿の最後のまとめです。

                       
おまけ★★★★南のつぶやき

昔のアトピー性皮膚炎と今のアトピー性皮膚炎では、原因や症状の経過なども変わってきていることが分かっています。
異なる原因の以前のアトピー性皮膚炎の治療法が、現在のアトピー性皮膚炎の治療としてマッチングしないことがあるのは、こうしたことも関わっているのでしょう。
「何を治療するのか」は、しっかり考えなければならないように思います。

2017年11月13日

大田です。

 

 

 

 

 

 

                   
今日も脱保湿の続きです。
昨日は脱保湿のプラス面について考えていきましたが、今日はマイナス面について述べていきましょう。

●脱保湿のマイナス面

外から異物を与えないことで刺激にならない、そして、自分の力でスキンケアが行えるようになるのでアトピー性皮膚炎を自然治癒力で治せる、一見すると理想的な治療法にも見える脱保湿ですが、そこには大きな落とし穴が潜んでいます。

・痒みの神経線維の問題

皮膚に存在する痒みの神経線維は、研究により、角質層が乾燥状態になると、真皮内から表皮内に侵入、免疫反応とは別の経路として、皮膚へのさまざまな刺激(触隔を含む)を痒みとして認識しやすい、という問題点を抱えていることが明らかになっています。
この問題点の解決法は唯一、「角質層内に十分な水分が確保された状態が続くことで、表皮内に侵入した神経線維が真皮内に戻る」という方法になります。
しかし、脱保湿を行っている場合、角質層が乾燥した状態が続くことは避けられる、外部からの刺激を痒みの神経線維が、「痒み」として認識しやすくなります。
脱保湿を行っている方が、「肌が乾燥してくると、狂ったような痒みに襲われる」という理由の一つは、この痒みの神経線維にあると言われています。
免疫反応とは違う経路の痒みですので、例えば、強い風が肌に触れた、ということも痒みにつながることがあります。
痒みとは、皮膚で生じていますが、あくまでその「認識」は脳で行われています。
痒みが刺激として脳に伝わる過程の中で、繰り返し伝わる「痒みの情報」は、やがて脊髄のグリア細胞が「増幅」して脳に伝えていることが九州大学の研究で明らかになっています。
こうした痒みは、アレルギーなど免疫反応を出発点にしていませんので(いったん、掻き壊してしまえば、そこで免疫反応が生じて二次的な痒みにつながることはあります)、「痒みの悪循環」を短時間で形成しやすく、それが「強い痒み」へとつながり「狂ったような痒み」を感じることにもなるわけです。
もちろん、この問題は、角質層が常に「潤う」状態を続けることができれば、解消されるわけですが、脱保湿を行っている場合、自分の力でスキンケアの機能が「復活」するまでは「耐える」しかない、ということになります。
また、強い痒みは、同時に掻き壊しを生じさせますので、掻き壊し=バリア機能の低下、つまり余計に角質層の水分保持ができにくい環境を生むことになります。

もう一つの問題点は、「自分の力でスキンケアを行う」という部分ですが、長くなるので続きは明日にしましょう。

                     
おまけ★★★★北のつぶやき

今日のブログで出てきた九州大学の研究は、あとぴナビでも特集を組みました。
興味のある方はご覧ください。
         
●アトピーの痒みはなぜ慢性化するの?
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=143

2017年11月12日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                      
今日は昨日の続きで、「脱保湿」のプラス面とは、どのような部分にあるのかを見ていきましょう。

●脱保湿のプラス面

まず、昨日述べた脱保湿の考え方の中で「皮膚に「異物」を塗らない」という部分が、同時にプラス面となるケースがあります。
これは、体の免疫システムが、スキンケアに含まれる成分を異物と認めた場合、免疫反応などが生じる場合には、「痒みや炎症の元」を防ぐ、ということにつながるからです。
例えば、ワセリンなどをベースにした薬剤、保湿剤を長期間使用した場合、最初は特に問題なかったのが、使い続けると、赤みや炎症が出るようになった、というケースは、繰り返しワセリンを塗布することで、ワセリンの成分に、体の免疫が徐々に反応するようになって、いわゆる「かぶれ」の状態をもたらしていると言えるでしょう。

こうしたケースでは、かぶれ=炎症、の原因物質を塗布しない、ということは基本ともいえる項目になりますので、「ワセリンを使わない」という選択肢は、非常に有効な手段と言えるでしょう。
ワセリンを例にあげましたが、ワセリンは石油から作られた鉱物系の油なので問題があるが、天然の油ならば問題は起きない、とする化粧品アイテムもあるようです。しかし、個々人により反応する「物質」は共通ではありません。また、免疫反応はその時々の「体調」にも左右されますので、例え、ほとんどの人に影響を与えないであろう「低刺激」の油であっても、反応する人は一定割合で必ずいますし、また睡眠不足など免疫に影響を与える環境がその方の生活内にあった場合には、普段は反応しないはずの天然物に反応してしまう、ということもあり得ます。
非常に稀な例ですが、水以外のすべての成分が除外されているはずの「蒸留水」にかぶれた、というケースもありました。こうした方は、「H2O」、水に反応した、という可能性があります。

脱保湿の場合、基本的に「皮膚に何も塗らない」わけですから、こうした異物により影響を受ける心配はなくなります。
マイナス要因を除外する、という面でプラスを得られることはあるでしょう。

そして、もう一つ、外からスキンケアの補助がない場合、ヒトの体の機能は、自らそれが必要ならば「作り出そう」と働く恒常性の機能を持っています。
つまり、脱保湿を続けることで、自分の力で十分に間に合っていなかったスキンケアの働きを復活、あるいは新生させようというものです。
この最大のメリットは、いったんスキンケアが機能した場合、いわゆる「自然治癒力」が働くことで、元からアトピー性皮膚炎の原因にアプローチできる可能性があること、そしていったん症状が落ち着いた後は、自らの働きで補っているわけですから、外部からのスキンケアを反復継続して行う必要はない、ということもメリットの一部でしょう。

こうしてみると、脱保湿は、アトピー性皮膚炎を自分の力で治していくことができる、理想的な治療法に見えるかもしれませんが、実は大きな落とし穴を抱えている方法でもあります。
続きは明日にしたいと思います。

                   
おまけ★★★★博士のつぶやき

自分の力を「育てる」ということはとても大切なことじゃ。
ただ、自分の力が「育つ環境にあるのか」については、しっかり見極めることも必要じゃろう。
土台が異なれば、そこに「育つ」機能が異なっても不思議ではないからの。

2017年11月11日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
秋まっさかりですが、季節は少しずつ冬へと向かっているように感じます。
昔は、春夏秋冬、季節を感じるできごとは多かったのですが、異常気象が続く昨今は、季節感があいまいになっている部分があるように感じます。
アトピー性皮膚炎の方にとっては、一年の中でもっとも過ごしやすい「秋」の時期から、乾燥からくるダメージが強くなる「冬」の季節への移行は、慎重な見極めが必要になります。
朝晩の気温差も少しずつ広がってきます。これからしばらくは、気象情報に敏感に注意するようにしていきましょう。

さて、アトピー性皮膚炎の方にとって「脱ステ」を行う場合、同時に「脱保湿」を行う方がおられます。
これは、脱ステを推奨する医師の中に「脱保湿」を行う先生が少なからずおられることも理由の一つかと思いますが、脱ステ=脱保湿はイコールの関係ではありません。
冬になると乾燥からお肌の状態が悪化する方が多くなりますが、これは脱保湿を行っている方も同様です。さらに、脱保湿を行う場合、冬場をどのように乗り越えられるのかは、大きなポイントにもなります。
今回は、脱保湿について考えてみたいと思います。

▼脱保湿の基本的な考え方とは?

一言に脱保湿、と言っても、その「治療」を行う医師や専門家によって、「脱保湿の内容」は異なることがあります。
とはいえ、「脱保湿」の基本的な考え方が、

1.皮膚に「異物」を塗らない
2.自身が持つスキンケアの力を抑えない(あるいは、働かせる)

という部分にあるのは共通しているといってよいでしょう。
皮膚にとって、スキンケアのアイテムは、どれだけ皮脂に近づけて作られていても、「自分が作り出す皮脂」と全く同じ物ではありません。
したがって、程度の差はあれども、異物として「刺激」をどうしても受けることになります。
ほんとんどの方の場合、皮膚のバリア機能がしっかりしていることで、そうした「異物」と認識することもなく「防いでくれる」ことで、問題にならないわけですが(バリア機能が防いでくれている場合に、そうしたアイテムを使用することの意味があるのかどうかは別にして)、バリア機能が低下した状態の肌(掻き壊しや乾燥状態の肌)は、スキンケアの「成分」がバリア機能を通過して侵入、そこで「効果」と「副作用」を示すことになります。
自己の成分でない以上、それらの成分が侵入した場合、何らかの「反応」は生じます。
その反応が強ければ、炎症につながることもあるでしょう。
仮に、スキンケアの「有効成分」が役に立つとしても、それは同時に「異物としての刺激」として役割を果たす可能性があることを否定できるものではない、という考え方です。

もう一つの「自身が持つスキンケアの力を抑えない(あるいは、働かせる)」という部分は、スキンケアとは、本来、汗と皮脂が乳化して出来た皮脂膜がバリア機能として機能する、あるいは角質層が健全に形成されることでバリア機能が保たれるなど、自らの力で行うべきものです。
しかし、スキンケアを外から補うことで、そうしたバリア機能を自ら形成、あるいは維持するという働きが「お休み」してしまう、というマイナス面がある、という考え方です。

つまり、脱保湿とは、「皮膚に刺激を与える異物を一切与えない」ことで過剰な免疫反応などを起こさないようにして、同時に、「自らの力でスキンケアが行えるように」外からスキンケアは一切、行わない、という考え方なのです。

では、この脱保湿の考え方は、どういったプラス面があって、どういったマイナス面があるのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                         
おまけ★★★★南のつぶやき

脱保湿を行う医師のほとんどは、「脱ステ」も行っています。ステロイド剤そのものがワセリンやクリームを基材に使用していますので、薬を使うことが「保湿剤」を使っているに等しいため、当然と言えば当然なのですが、その逆で「脱ステ」を行う医師は、必ずしも脱保湿を行っているわけではありません。
アトピー性皮膚炎の患者が、医師が行う「脱保湿」について誤解していると、自分が望んでいるのとは異なる治療法だった、ということがありますので、注意は必要でしょうね。

2017年11月10日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
昨日は、東さんが食物繊維に関わる話題のブログを書いていました。
今日も食事の話題で、記事を見つけたので紹介するね。
         
         
●「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171107-00000009-nikkeisty-hlth
         
炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取割合が非常に多い人は死亡リスクが高く、脂質の摂取割合が多い人は死亡リスクが低いという意外なデータが、世界の18の国・地域の13.5万人以上を対象にした研究で得られました。
          
■「低脂肪食」は本当に健康に良いのか
現在世界的に用いられている食生活ガイドラインは、低脂肪食(総摂取エネルギーに占める脂質の割合が30%未満の食事)を推奨し、さらに脂質のうち飽和脂肪酸(バターやラードなど常温で固まりやすい脂)を不飽和脂肪酸(魚油やサラダ油など常温で固まりにくい油)に置き換えることによって、飽和脂肪酸の摂取量を総エネルギーの10%未満に制限することを推奨しています(日本の状況は記事最後の囲み参照)。
しかし、こうしたガイドラインは、循環器疾患(心疾患や脳血管疾患など)の患者が多く、脂質の摂取量も多い欧州と北米の人々を対象とした研究結果に基づいて作られたものです。そのため、欧米以外の地域にも当てはめられるのかどうかは不明でした。
そこで今回、カナダMcMaster大学のMahshid Dehghan氏らは、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ、ポーランド、南アフリカ共和国、トルコ)、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)の計18の国と地域で行われた、大規模な観察研究「PURE」に参加した35~70歳の13万5335人(年齢の中央値は50.29歳、男性が41.7%)のデータを分析しました。
研究への参加が決まった時点で、それらの人々の食事の内容を調べ、その後、7.4年(中央値)追跡して、あらゆる原因による死亡(総死亡)、循環器疾患の発症と循環器疾患による死亡などの有無を調べました。炭水化物の摂取量が多かったのは中国、南アジア、アフリカの国で、脂質の摂取量が多かったのは北米と欧州、中東、東南アジアの国、たんぱく質の摂取量が多かったのは南米と東南アジアの国の人々でした。
          
炭水化物、脂質、たんぱく質のそれぞれから摂取したエネルギーが総エネルギー量に占める割合を計算し、最も少ない人から最も多い人までを並べて5等分しました。それら5群のうちの最低群を参照として、最高群の総死亡と主要な循環器疾患(循環器疾患による死亡、死亡を免れた心筋梗塞、脳卒中、心不全)のリスクを評価しました。
          
■炭水化物が7割超になると死亡リスク上昇が有意に
追跡期間中に5796人が死亡しており、うち1649人が循環器疾患による死亡でした。また、4784人が主要な循環器疾患を経験していました。
最低群と最高群のリスクに統計学的に意味のある差が見られた項目を、栄養素別にまとめると、次のようになりました。
          
1)炭水化物:最高群の死亡リスクは28%増
炭水化物については、最低群(総エネルギーに占める炭水化物の割合の中央値が46.4%)と比較した最高群(同77.2%)の総死亡のリスクは28%高く、摂取量が多いほど死亡リスクは高い傾向が見られました。最高群では、循環器疾患以外による死亡のリスクも36%高くなっていました。
摂取量の増加とリスク上昇の関係を調べたところ、総死亡のリスクは、総エネルギー量に占める炭水化物由来のエネルギーが60%を超えたあたりで上昇傾向を示しました。おおよそ70%を超えると、リスク上昇は統計学的に意味のあるレベルになり、それ以降も上昇は続くことを示す結果が得られました。70%を超えると、主要な循環器疾患のリスクも急上昇していました。
          
2)脂質:最高群の死亡リスクは23%減
脂質については、炭水化物とは反対に、最低群(総エネルギーに占める脂質割合の中央値が10.6%)に比べ最高群(35.3%)の総死亡リスクは23%低くなっていました。同様に、脳卒中と、循環器疾患以外による死亡のリスクも低くなっていました。
脂質の総摂取量の増加とリスク低下の関係を調べたところ、死亡リスクは、総エネルギー量に占める脂質由来のエネルギーが15%を超えたあたりから、統計学的に意味のある低下を示し、しばらくはその値を維持していました。さらに30%以上になると、摂取量の増加に伴いさらなるリスク低下を示しました。
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂取はいずれも、少ない人より多い人のほうが、総死亡リスクと、循環器疾患以外による死亡のリスクは低いことが示唆されました。
         
3)たんぱく質:最高群の死亡リスクは12%減
たんぱく質摂取量についても、最低群(総エネルギーに占めるたんぱく質割合の中央値が10.8%)に比べ最高群(19.7%)の総死亡リスクは12%低く、循環器疾患以外による死亡のリスクも15%低くなっていました。なお、動物性たんぱく質の摂取は総死亡リスクの低下に関係する一方で、植物性たんぱく質の摂取は総死亡リスクに影響を及ぼしていませんでした。
これまでに欧米で行われた研究と比べると、今回の分析対象となった人々の炭水化物の摂取量は多く、およそ4分の1が総エネルギー量の70%超を炭水化物から摂取していました。
          
今回の研究は、「総エネルギー量に対する炭水化物由来のエネルギーの割合が高すぎる人は総死亡リスクが高い」こと、「脂質摂取量は、少ない人より多い人のほうが、総死亡リスクは低い」ことを示しました。著者らは、「低所得国の食生活は、炭水化物の摂取量が非常に多く、それも精製穀物が中心であるため、炭水化物を減らして脂肪からエネルギーを摂取したほうがよい」とし、食生活に関する世界的なガイドラインの再考が必要との考えを示しています。
論文は、2017年8月29日付のLancet誌電子版に掲載されました[注1]。
          
          
脂肪の摂取は、健康に良くない、と言われているけど、この研究結果を見ると、少なくとも一定の条件下における死亡リスクは減ることが確認されたみたいだね。
もちろん、例えばアトピー性皮膚炎の症状悪化など、今回の研究対象以外への影響というのは不透明な部分が多いことは確かなのだけど、「死亡リスク」だけを取り上げて考えるならば、糖質や食物繊維よりも、脂質を摂取した方が低くなる、というのは少し興味深いよね。

                       

おまけ★★★★博士のつぶやき

科学における「常識」とは、その時点で確認された事象に対する「事後追認」とも言えるから、違う事象が確認されれば、再検証の結果、これまで「常識」だったことが「非常識」にあっさり覆ることは珍しくはないものじゃ。
もちろん、多くの「常識」は覆られない「正しい常識」ではあるのじゃが、先入観だけで物事を判断すると、大きな落とし穴が目の前に広がっていることがあるのは知っておいた方が良いじゃろうの。