2010年3月22日

東です。

 

 

 

 

 

 

 
現在の医療の基本は、実質上、「薬剤」をいかに使用するか、という状況にあるといっても過言ではないでしょう。
実際、現在の医療保険制度は、手術や診療などの医師の技術的なところよりも、はるかに薬剤の処方と薬剤自体に対して用いられています。

今日は、先日、発表された結核のニュースを紹介したいと思います。

 
●薬効かない結核、58カ国で確認=WHO
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100319-00000020-jij-int

世界保健機関(WHO)は18日、従来の薬による治療が極めて困難な「超多剤耐性」(XDR)結核の感染が今年3月時点で、世界58カ国で確認されたと発表した。XDR結核の感染者は推定で、年間2万5000人に上るとした。
また、XDRを含めた、薬による治療が難しい「多剤耐性」(MDR)結核の感染者は08年で年間44万人、死者は15万人に上ったと推計した。 

 
結核とは、「過去の病気」というイメージの人が多いかもしれませんが、実際には世界総人口の約3分の1が感染し、毎年900万人が発病、200万人が死亡しているという、最も危険な感染症の一つです。
今回の記事では、従来の治療薬に耐性を持つ多剤耐性結核、超多剤耐性結核患者が、増えているということを述べています。
結核とは、このように怖い病気でもあるのですが、今日の本題は結核のことではありません。
この「多剤耐性」について考えてみたいと思います。

アトピー性皮膚炎でも問題になる感染症の一つに、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。
これは、黄色ブドウ球菌の治療に、メチシリン系の抗生物質を多用し、その結果、その薬剤に耐性を持つ黄色ブドウ球菌が出現してしまった、ということです。
ブドウ球菌も「生物」の一つです。
自分が生存するために「変化(あるいは進化)」を行っているということです。
最近ではMRSAを治療するための次世代の抗生物質にも耐性を持つブドウ球菌や、複数の抗生物質に耐性を持つ多剤耐性黄色ブドウ球菌も出現しています。

病原菌を薬剤で抑え、病原菌は生き残るために薬剤に対する耐性を身につけ、耐性を持った菌を抑える薬剤が開発され・・・・・ということが、イタチゴッコのように繰り返されています。

結核の場合、薬剤の治療を途中で中断することで、この多剤耐性の結核菌が現れる、ということが言われているのですが、アトピー性皮膚炎に対する薬剤治療と同じような落とし穴が潜んでいないのかが心配です。

結局のところ、薬剤を使用することで耐性菌が生まれるわけですから、耐性菌に効く薬剤の開発も大切でしょうが、薬剤を使用しない治療法の模索も本来は必要ではないでしょうか?
また、薬剤を「医師が言われた通り使用した患者」には、耐性菌を持つ患者が生まれないのでしょうか?

薬剤は適切に使用すれば、大きな効果が得られます。
しかし、この「適切な使用」の範疇が、「いろいろな思惑」によって拡大しているような気がしてなりません。
アトピー性皮膚炎患者の場合でも、ステロイド剤を1回の診療で1カ月分処方されることは珍しいことではありません。
でも、本当に1カ月分、患者任せの使用にしておくことが大切なのでしょうか?

病原菌が変化していく中には、その「進化」に人類が手助けしてしまっていることも少なくはありません。
そして、そのしっぺ返しは、人類に戻ってきています。
同じように、「病気」そのものも、人類が「作って」しまった病気もあります。
アトピー性皮膚炎も、自然増加した疾患ではなく、生活環境の変化で増加させてしまった疾患です。

本当に大切なことは何なのかをもう一度、考えておきたいものです。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

結核に対する薬剤の治療は、生命に関わる状況から考えると、それで救われる患者のことを考えた場合、多剤耐性を持つ菌を生んでしまうリスクは、天秤にかけることすら難しいとも言えるかもしれん。
ただ、医学の進歩が、薬剤の進歩だけに留まる必要はないはずじゃ。
結核なども、感染=発病ではない。
過去に猛威をふるった病原菌の中には、宿主(人間)と共生の道(弱毒化)を選ぶことで生き残った菌もおる。
今後の「医学」の進歩を期待したいところじゃ。

2010年3月21日

お久しぶり!
編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2/27~2/28の東君のブログで紹介されてましたが、制御性T細胞が、炎症が治癒する際に関わっていることが先月末にアメリカの科学雑誌に投稿されました。

そこで、先日、その論文を発表された理化学研究所の戸田医学博士にお会いしてお話をお伺いしてきました。

制御性T細胞とは、簡単に言うと、免疫を促進させるヘルパーT細胞の逆の働き、つまり文字通り、免疫を抑制させる働きを行う細胞です。
以前は、ヘルパーT細胞の逆に当たるのは、サプレッサーT細胞であると言われたこともありますが、今は、サプレッサーT細胞というものはなく、その働きに該当するものが制御性T細胞であることが分かっています。

今回の論文では、炎症が治癒する際にこの免疫全体を抑制する制御性T細胞の働きが活性化されることが載っていました。
戸田先生にお話をお伺いしたところ、今回の論文では詳しく発表していないのですが、実は、炎症が治癒する際には、制御性T細胞だけではなく、ヘルパーT細胞とは違った仕組みで炎症を促進させる病原性T細胞も増加してくるということでした。

いわゆる炎症を治癒させようとする働きと、炎症を促進させようとする働きが、バランスをとりながら、調整されているのでは、ということを説明いただきました。

今後の課題としては、制御性T細胞だけを活性化させるようにするためには、どうすれば良いのか?、またステロイド剤などの免疫抑制剤はやはり、制御性T細胞も抑制してしまう可能性があるため、その使用の見極めをどのように行っていけば良いのかが、課題となるようです。

詳しくは、5月号のあとぴナビの特集で紹介する予定ですので、お楽しみに。

 
おまけ★★★★北のつぶやき

今回の研究をもとにした臨床や研究が、世界中で行われているそうです。
例えば、ステロイド剤が制御性T細胞を抑制すると仮定した場合、どのようなタイミングでどのように抑制するのか、こういった研究が進むと、現在、問題になっているステロイド剤の「長期使用」による影響のメカニズムのなども分かってきて、ステロイド剤を使用するタイミングの研究につながってくるのではないか、ということでした。
その他でも、制御性T細胞を促進させる条件や、同時に病原性T細胞を抑制する条件などの研究も行われるのでは、ということでした。
今後の研究に期待したいところですね。

2010年3月20日

ジョシュアです。

 

 

 

 

 

 

 

アトピー性皮膚炎の症状の辛さは、どうしても本人にしか分からないところがあります。
気が狂ったような痒みが、掻いても掻いても襲ってくる・・・
夜、眠ることもできないし、人目も気になり外出もしたくない。
家族も周囲の人たちも、誰も分かってくれない・・・

そんな孤独感にさいなまされることもあるかもしれません。

でも、ご本人の辛さとは違った辛さを家族が抱えていることも多いものです。

代わってあげられるものなら代わってあげたい・・・

こんな言葉を、親から聞くことは珍しいことではありません。

アトピー性皮膚炎は、同居する家族の協力がなければ、その克服はなかなか難しくなるもの。
例えば、睡眠、食事、運動などの生活習慣も、自分ひとりで全てが行えるわけではないからです。
そういった家族の一言が、患者を元気にしたり、あるいは落ち込ませたりすることがあります。

そこで、家族からかけられた言葉で元気が出た、あるいは落ち込んでしまった経験を募集したいと思います。
また、アトピー性皮膚炎患者の家族にかけた言葉で、「しまった」と思ったような逆の立場の経験でもかまいません。

アトピー性皮膚炎の人は、どのような言葉に対して、どのように感じることがあるのか、これを知っておくことは、気持ちを前向きに持っていくうえでも大切なことだと思います。

行数は短くても構いません。
ぜひ、経験をお寄せ下さい。

 
●応募方法
下記のメールアドレスあてに、メールで応募してください。

info@atopinavi.com

 
「件名」には、「家族の一言」と書いていただいて、皆さんの体験をご自由にお書きください。

・元気が出たひと言
・辛かった一言
・涙がこぼれたひと言
・なにくそ、と奮起した一言
・家族にかけた言葉で、「しまった」と思った一言

など、思いつくことをお書きください。
その他、郵便番号、ご住所、お名前、電話番号も忘れずに。
ブログで紹介する際には、お名前はイニシャルにしますが、ペンネーム希望の方は、ペンネームも忘れずにね。

 
●締切
3月25日(木)

 
●発表
月末の週に、僕のブログにて紹介します!

 
●採用者へのプレゼント
あとぴナビ通販ポイント1000ポイント

 
皆さまからの投稿をお待ちしています!

 
おまけ★★★★南のつぶやき

症状が辛い時に、家族が「今日も症状が悪いわね」と悪い場所を見つけて声をかけるのと、「今日は、ここが良くなったわよ」と良い場所を見つけて声をかけるのとでは、ご本人の気持ちの持ち方は、180度異なることを多く見受けます。
言葉だけでは全てを伝えることはできないかもしれません。
でも、言葉で伝えられることも多くあります。
時には、家族の「演技」が求められることもあるでしょう。
でも、やはり患者を支えてくれるのは、毎日顔を合わせている家族が一番重要な役割を果たします。
患者が辛ければ、家族も辛いことも多々あります。
お互いが思いやりを持って、接したいものですね。

2010年3月19日

ジョシュアです。


 

 

 

 

何かで聞いた話ですが、最近は、サクラの開花が早まっているように思います。
博士が子どもの頃は、サクラと言えば入学式のイメージだったのが、今では、卒業式のイメージが強くなっているぐらいです。
温暖化の影響は、花粉症や黄砂の影響にも関わっていますから、体調の管理には気をつけて欲しいところです。
そこで、今日は、自律神経や内分泌系に働きかける入浴を気持ちよくサポートするAPバスオイルをプレゼント!

 

 
 
◆プレゼント
APバスオイルを5名様

 
「入浴後の乾燥がつらい」
こんな乾燥肌の悩みにお応えするべく開発されたバスオイル、それが「APバスオイル」です。
オイルを浴槽に数滴混ぜるだけで、微柑橘系アロマの香りとともに、オイルのベールが体を優しく包み込み、浴後の乾燥から肌を守ります。
入浴後の乾燥にお悩みの方は、ぜひ一度、お試しください。

  
 

詳しくは、下記でご覧ください。

  
◆APバスオイル
http://shop.atopinavi.com/item/more?goods_id=232

 

  

プレゼントご希望の方は、次の必須事項を記入してメールで応募してください。

 

◆あて先
info@atopinavi.com

 

◆必要事項
メールの件名に「プレゼント応募」と記入して、本文には、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、を明記して送信してください。
また、当選者発表の際は、件名、お名前(フルネーム)、年齢で発表しますので、気になる人はペンネームも書いて下さい。
 

◆締め切り
3月28日(日)が締め切りとなります。

 
◆抽選&発表
3月30日に抽選します。
当選者の発表は、4月1日のブログにて!

 

◆注意事項
応募のメールはお一人様、一通のみとさせていただきます。
また、お名前、住所などの必須事項は忘れずに!
じゃあ、またね!

 

おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

春先は、気温の変化と湿度の変化が激しいので、スキンケアには十分注意が必要!
入浴後の乾燥が気になる方は、しっかり対策してくださいね!

2010年3月18日

ジョシュアです。


 

 

 

 

 

 
今日は、3月5日のプレゼントの当選者の発表です!
いつもの通り、県名、お名前(ペンネーム)、年齢を表記しますので、チェックしてね!!

 
◆プレゼント
プルルUVローションを5名様

 
発表です!
応募総数144通中、当選者の方は、次の方々です!

 
栃木県 坂巻有里さん(41)
愛知県 久保田紀子さん(25)
愛知県 首藤茜さん(28)
奈良県 松谷明日香さん(39)
山口県 senaさん(34)
 

以上5名の方が当選しました!
おめでとうございました!

商品の発送は、3月25日頃に行いますのでお楽しみに!!

 
おまけ★★★★ジョシュアくんのつぶやき

明日も僕が登場です!
明日は、人気のバスアイテムをプレゼント予定!
お楽しみに!

2010年3月17日

東です。

 

 

 

 

 

 

 
今日も、昨日に続いて花粉症の記事を紹介したいと思います。

 
●5万人超実態調査~もっとも花粉症が多かった都道府県は?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100304-00000015-rbb-ent

 
ウェザーニューズが花粉症に関する意識調査を実施。5万人を超える回答でわかった花粉症の発症者が多い都道府県別ランキングなどを発表している。調査はウェザーニューズの携帯サイトの利用者を対象に、2月20日~22日の3日間実施し、合計53,946人(男性37.6%、女性62.4%)の有効回答があった。

「周りの人の何割くらいが花粉症か?」との質問(1割未満から10割までの選択肢の中から選択)では、日本全国で32.20%が花粉症に悩んでいることが判明。これまで5人に1 人が花粉症と言われていたが、約3人に1人という割合のようだ。

都道府県別に見てみると、日本で一番花粉症の方が多い県は静岡県で38.16%。続いて2位は群馬県で38.04%、3位は山梨県で37.32%、4位は栃木県で36.91%、5位は三重県で36.85%となった。逆に下位では43位が長崎県で24.91%、44位が富山県で24.75%、最下位45位は鹿児島県で21.33%だった(北海道と沖縄県は目立った花粉が飛散されていないため調査対象外)。

花粉症対策を行っている人に「どんな対策をしているか?」(複数選択可)との質問したところ、「マスク」と回答した人が最も多く12,961人、手軽で高い効果が期待できるマスク対策をしている方が多いことがわかった。続いて、「飲み薬」(12,694人)、「目薬」(10,196人)、「うがい」(8,936人)という結果となり、毎日手軽に行なえる対策が上位を占めた。

「最近、花粉症になる人は増えていると思うか」との質問では、「増えている」が75%、「変わらないと思う」が24%、「減っている」が1%という結果に。実感としては花粉症になる人が増えていると考えている人が多いようだ。

 

記事によると、全国の花粉症患者割合が多いのは、上位からみると

1位 静岡県
2位 群馬県
3位 山梨県
4位 栃木県
5位 三重県
6位 岐阜県
7位 埼玉県
8位 神奈川県
9位 東京都
10位 茨城県

ということで、中心はやはり関東ということになります。
林野庁のデータによると、国土面積の66%を占める森林面積のうち、18%がスギ林です。
つまり、国土全体からみると、12%がスギ林ということなります。
また、森林面積に占めるスギ林の割合が高いのは、九州、四国、東北となっています。

つまり、花粉症はスギが悪いというよりも、飛散したスギ花粉を悪くしている要因が「関東地方」に多く見られる、ということも言えるでしょう。
有名な日光地区で調査された報告のように、大気汚染とスギ花粉の関係はかなり密接であると考えられています。

アトピー性皮膚炎もIgEが関与するアレルギー疾患ということでは、花粉症と類似する面もあり、この大気汚染による、アレルギー要因の増加、という点は、これから十分に考えていかなければならない課題でもあるでしょう。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

これまでブログでも何度か述べたが、人間が一日に摂取する化学物質の総量の内、呼気によるものは80%で、残り20%が消化器官、つまり食べ物によると言われておる。
食べ物に気をつけている人は多いのじゃが、空気は目に見えないせいか、あまり注目される度合いが少ないようじゃ。
家具や家電製品から放出されるホルムアルデヒドなどの問題もあり、これから室温が高くなる季節を考えてると、一つ気をつけておきたい要因じゃの。

2010年3月16日

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
さて、そろそろ花粉の飛散も少しずつ、増え始めているようです。
最近は、人間に限らず、動物にも花粉症が見られるようですが、Webで猿の花粉症の記事を見つけました。

 

●野生ニホンザル、花粉症で受難 兵庫・淡路島
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100315-00000505-san-soci

 
淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市)のニホンザルの一部で、今年も花粉症の症状が現れていることが14日、同センターによって確認された。目をかゆそうにこすったり、くしゃみをしたりする“患者”は近年20匹ほどに増えているといい、センターの担当者は「人間同様、効果的な薬もなく、乗り越えてもらうしかない」とあきらめ顔だ。

今年は淡路島南部でも花粉の飛散量が少ないとされ、センターによると例年より発症が1~2週間ほど遅いが、14日は、数匹のサルが典型的な花粉症の症状をみせた。

例年、最も早く花粉症にかかるとされるメスのマンデー(17)も、涙を流しながら目頭をこすったりくしゃみをしたり、つらそうな様子。

同センターには約200匹のニホンザルがいるが、全国的にみても花粉症の症状がひどいといい、かつての数匹レベルから、近年は増加傾向にあるという。

同センターは「淡路島のサルの花粉症がひどい原因はわからない。もう少しがんばって、つらい時期を乗り越えてもらうしかない」としている。

 

テレビの天気のニュースで、花粉情報が当たり前のように流されるようになってまだ数年だと思いますが、考えてみると、花粉症自体、これほどまでに増加しはじめてから、まだ一世代も経っていません。
アトピー性皮膚炎の増加も同じように感じますが、やはり、環境要因の悪化、特に大気中の化学物質の影響は、深刻になりつつあるのかもしれません。

アトピー性皮膚炎の方にとって、花粉症を併発している方の場合、花粉症自体がアトピー性皮膚炎の悪化要因の一つになりますので、これからの時期、十分に注意したいところです。

なお、花粉の飛散情報は、ネットでも見れますので、気になる方は見てください。

●各地の花粉情報 ウェザーニュース
http://weathernews.jp/pollen/

 

おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎と花粉症については、あとぴナビの特集でも取り上げていますので、ご覧ください。

●春を快適に過ごすための花粉症対策
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=24

2010年3月15日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 
花粉症に悩まされるアトピー性皮膚炎の人は多いと思います。
最近は、花粉情報も天気のニュースで流されるようになり、これから本格的なシーズンを迎えます。
今年の飛散量がどうなるかは、気候変動も大きく、なんともいえないところはありますが、毎年、花粉症に悩まされている人は、アトピー性皮膚炎の悪化要因でもあるので、注意が必要でしょう。

今日は、花粉症に関わる相談のやり取りを紹介したいと思います。

 
●Nさんからのメール

大田さん、こんにちは。
とうとう花粉の季節がやってきてしまいました。
私も毎年、悩まされいます。
どちらかというと、鼻炎よりも皮膚と目に出るようで、特に顔が赤くなります。
今年も、昨日から症状が出始めました。
今まで通りプルルローション、プルルジェル+D、スキンクリームを塗っています。

小学生の息子も、今日学校に行って鼻炎が出てしまいました。
毎年のこととはいえ、今日の症状はひどいです。
くしゃみ・鼻水もひどいのですが、まぶたや頬、鼻の周りも赤くなっています。
赤いところにプルルジェル+Dを塗ると少ししみるみたいなので、その上にスキンクリームを塗りました。
これでよろしいですか?

ちなみに、今、薬は、ザジテン、ビオチン、ビオフェルミンを処方してもらっています。
薬も減らしていきたいけど、やめると皮膚に出ます。

でも、今年の冬は、例年よりも顔の症状が良かったです。
乾燥が少なかったです。
毎年、どの保湿剤を塗るか悩んでいたのに、今年は何も塗らずにすんだのはとてもうれしかったです。
入浴の効果も、少しずつ出てきているようなのでこれからもがんばりたいです。

ところで、花粉の時期の対策で何か良い方法がありましたら教えてください。

今行っているのは、外出の際にマスクをする、帰宅したら花粉を落としてシャワーを浴びる、洗濯物は家の中で干す、ということに気をつけています。
でも、一日に何度もシャワーというわけにもいかないので、なかなか厄介です。
よろしくお願いいたします。

  
●大田からのメール

お問合せいただきましてありがとうございます。
入浴によって体を温める習慣は、自律神経、内分泌、そしてそれに関わってくる免疫系の働きからも、良いことです。
そして、同時に大切なのは、毎日の生活の積み重ねです。
調子のよい季節には、無理に薬を使うのもどうかと思うので、医師とよく相談するようにしましょう。
また、年々花粉の季節にお肌が悪くなるようですと、薬の効き目がにぶっていることが考えられます。長年薬を使うことでその傾向は強まります。
薬は、病気を治しているのではなく、症状を抑える役割であることを理解しておいてください。
保湿剤だけで少しずつでも肌質がアップできるようになれば、花粉症にもいずれ良い結果は見られてくるでしょう。
また、現在のケアは、だいたい良いと思います。
少しアドバイスすると、源泉をスプレー容器に携帯して外出するのもいいでしょう。
コットンにひたしてパッティングしたり、目元に源泉をふくませたコットンをあてがってクールダウンなさってみてはいかがでしょうか。
それではくれぐれもお大事になさってください。

 
花粉症自体は、季節的な要因ですので、「限定」の要因ではあります。
しかし、それをきっかけに、症状をどんどん悪化させてしまうと、皮膚のバリア機能が低下して、春以降の季節にも影響を残すこともあります。
特に、感染症などは要注意です。
物理的な対策(マスクなど)は、薬剤と違って大きなリスクは伴いません。
できるだけ、ケアを中心に様子を見ながら対策していくようにしてみましょう。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

これからの季節は、花粉症もそうですが、黄砂も気をつけたいところです。
特にここ数年、アトピー性皮膚炎の方が、黄砂で悪化していると思われる事例を多く見ています。
注意してください。

2010年3月14日

東です。

 

 

 

 

 

 

 
今日は、Webで見つけた記事を紹介したいと思います。

 

 
●アレルギー体質にかかわる遺伝子を解明―理研
http://news.cabrain.net/article/newsId/23407.html

 

理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターの久保允人医学博士と米国のセント・ジュード小児研究病院のマーク・ビックス准教授らは、マウスを用いた研究で、アレルギー体質へのなりやすさの決定に、転写因子「Mina(ミーナ)」の遺伝子がかかわっていることを突き止めた。アレルギー体質になりやすい系統のマウスとそうでないマウスを比較したところ、塩基配列に明らかな違いが見られたという。研究結果は米国の科学雑誌「Nature Immunology」のオンライン版に掲載された。

理研によると、アレルギー体質へのなりやすさについてはこれまで、遺伝的要因が関係している可能性が指摘されてきた。しかし、どの遺伝子がアレルギー体質にかかわり、どんなメカニズムで違いが生じるのかは明らかになっていなかったという。

研究では、アレルギー発症の要因となることが知られているインターロイキン-4(IL-4)の産生にかかわる遺伝子が、ゲノム上のどの辺りに位置しているかを調査。その上で、この領域に存在する遺伝子について、アレルギー体質の系統のマウスとそうではないマウスを比較した。その結果、アレルギー体質になりにくい系統のマウスのT細胞内には、転写因子のMinaが多く存在する一方、アレルギー体質になりやすい系統のマウスでは少ないことが判明。また、Minaの産生につながるMina遺伝子の塩基配列を比較したところ、アレルギー体質になりやすいマウスとそうでないマウスで塩基配列のパターンがきれいに分かれたという。

さらに研究では、Minaの働きを調査。MinaがIL-4の遺伝子に結合し、T細胞でIL-4の産生を抑えることが分かった。また、Minaの発現量を増やしたマウスでは、T細胞でIL-4の産生が減少したのに対し、Minaの発現量を減らしたマウスでは、IL-4の産生が増加。「Minaがアレルギー体質を制御することが確認できた」という。

久保博士は、Mina遺伝子の塩基配列の違いが「Minaの発現量にかかわっているだろう」と指摘。また、ヒトでもMina遺伝子の塩基配列の違いがアレルギー体質へのなりやすさにかかわっていることが推測されるとしている。

 

 
IL-4は、IgEの受容体の一つであるガレクチンー3に関わることが分かっています。
また、ステロイド剤がIL-4に関わって、sIgE+B細胞の産生に関わっていることも分かっていますので、こういったIL-4の産生を多くさせる遺伝子を持つ方の場合、ステロイド剤をどのようにつかっていけるのか、という研究にもつながっていくのかもしれません。

いずれにしろ、こういったアレルギーに関わる研究が進むことは喜ばしいことです。
今後の研究に期待したいところです。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎と遺伝子については、過去のあとぴナビの特集でも取り上げています。
興味のある方は見てください。

●遺伝子とアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=40

2010年3月13日

月一、ブログを担当している西だ。

 

 

 

 

 

 
先日、あるアレルギー科の医師と話をしていて、医療現場の憂いとべきいうものを聞いた。

その医師は、アトピー性皮膚炎の患者を数多く診ておられるのだが、ステロイド剤に頼らない治療を行っているため、患者の方から受け取れる診療報酬が少なく、病院側からいろいろと言われているとのことだった。
また、アレルギーの検査も、血液検査では正しい数値が測れないからということで、皮膚のスクラッチテストしか行っていない。
スクラッチテストは、血液検査と比べると、保険点数も低く、看護婦の手間も多い。
しかし、皮膚の細胞と結合するIgEの数値は、血液検査は「過去の結果」しか見れないため、手間ひまかかっても、スクラッチテストを行っているのだが、その分、割に合わないということになっているようだ。

本来、患者側にとって、こういった「患者のことを考えた」治療を行っている医師や病院は貴重なはずである。
実際、その病院は、その医師のていねいな診療、治療のおかげで、患者数も多く、地域の評判も上がったそうだ。

しかし、患者数が多い=看護婦の負担も多い、ということで、本来の診療時間を大幅に超えた診療を続けることになり、結果的に病院スタッフもいい顔をしなくなる。
さらに、ステロイド剤も処方しないため、保険点数も低くなり、病院側の収入も減る。

こういった「矛盾」は、他の病院でも話を聞くことが多い。
ある国立病院の医師は、同じようにステロイド剤に頼らない治療を続けた結果、病院側から退職を迫られることになったという話も実際にある。

これは、今の保険制度上の問題もあるのだが、アトピー性皮膚炎を克服していくために必要な生活の改善を行うための「指導」を行うためには、一人あたりの患者から聞き取りの時間も必要で、その結果、患者あたりの「時間効率」は悪くなる。
さらに、薬も出さない、高い保険点数がつく検査も行わない、となると病院側も「経営」していかなければならない以上、いい顔をしなくなるのは仕方のないことかもしれない。

だが、病院側の経営が「健全」になる「治療」とは、必ずしも患者側にとって「利益」があるとは限らない。
実際、過去のステロイド剤が抱えた問題は、そのリスクを省みずに患者側に長期連用させた結果、生み出されたと言っても過言ではない。

治療を受ける側、治療を施す側、いずれもが「健全」になるような体制が望まれる。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

こういった現状は、何もアトピー性皮膚炎に限ったことではないじゃろう。
利益が出る経営を行っている病院側が悪いわけではないのじゃが、患者側の利益を損なってまで行うのでは、本末転倒とも言える。
もちろん、病院も「赤字」が続くのでは、成り立たなくはなる。
じゃが、ある病院では、勤務医の月当たりに獲得した保険点数をグラフ化して、企業の営業会議のような、「成績」を発表して、保険点数の獲得が低い医師に、注意を促している、という話も聞いたことがある。
行政側も、考えて欲しいところじゃ。